MODマシマシマイクラ世界で鍛えられたので透き通る世界も多分いける 作:ナナの四六三
そも何故ベアおばを討伐しよう!となったのか前回あまりに唐突すぎて分からなかったと思う。理由は主に3つだ。まず一つ目。目標のボスの一体だから。二つ目、クズだから。三つ目、原作開始前でも居場所が分かるから。四つ目、殺しても問題ないから。五つ目、殺すなら早い方がいいから。以上だ。
四つ目に関しては俺の原作知識的に、まあ若干怪しいところはあるが、ベアおばがいなくなって何か困ることってあるのか?路頭に迷ったアリウス生ぐらいここで養えるし……あ、色彩にキヴォトスが発見されない可能性があるのか。全ボス討伐が目標だから目標が来ないのはかなり困る。いや、ベアおばの件はほんの一因だったし、多分来るだろ。なんせ特大のイレギュラーがここにいるからな。とはいえ、それを言ってしまえば、色彩くんは他の二次創作に引っ張りだこだ。俺たちに興味が無いかもしれない。……まあその時はその時だ。自分で色彩を呼べばいい。
ベアおばを殺そうと思った理由はこんなところだ。原作開始ちょっと前のセイア殺害事件を防ぐためにもこのへんで殺しておきたい。ついでにキヴォトストップ層の実力──もとい高レベル帯相手にどの程度戦えるかも知っておきたかった。まあ前回言った通り負けるビジョンが見えないのが正直な所だが。ウチの最強に勝てるやつ教えてくれよ。3つの究極の刃を思い起こし、背筋を震わせる俺の前に最後の参加者がやってきた。
「これで全員かな?」
「はい!これでみなさん集まりました!」
独り言のつもりだったのだが、隣から返ってきた言葉に内心ビビる。平常心平常心と唱えながら声のした方を伺う。そこにいたのは空母ヲ級だった。最初期にエンシェントウォーフェアーダンジョンからルートし、3番目にリアル化。そしていつの間にかカタコトから脱していた特異個体だ。彼女に続き、続々とカタコトから脱する個体は増えている。もっとも、これは作者がいちいちカタカナにするの面倒な上に読みにくいという大変メタい理由*1がががg──あれ、なんか記憶飛んでる。
ご飯を食べている時だろうが、モンスターを殺している時だろうがいつもニコニコしていて、全然深海棲艦らしくない上にヲ、ヲとも鳴かないので、こいつ本当にヲ級か?と疑いたくなることもあるが、まあ多分ヲ級、だと思う。
「……ヲ?//」
じっと見つめていたら、わざとらしく鳴いたので、多分ヲ級だと思う。帽子も被ってるし、多分ヲ級だと思う。きっと
「え、っとみんなと行かなかったんだな?」
「うん、私、てーとくの傍にいる」
「そうか」
妙に好感度が高いのも謎だ。いつもこういうことを言う割に、島風から秘書艦の座を奪おうとしたりもしてないようなので、行動原理のわかりにくい娘だ。初期からいるだけあって練度が高く、頼りにはなる。聞きたいことも聞いたし、とりあえずクラフター共が痺れを切らしそうなので俺は声を張り上げた。
「ではこれよりベアトリーチェ討伐作戦を開始する。各員は当該座標に集合、各々でダンジョンに突入。道中のモブを全て捕獲、最奥、及び道中のボス格の討伐を目標とする。……出陣!!」
号令をかけると、クラフター達はすぐさまポータブルテレポーターを取り出し、次々に消えていった。数秒も経たずに全員がこの場から消えてしまった。……どうやら誰かがテレポーターを設置してくれていたらしい。自分の物にも座標の名前があった。連れていって欲しいらしいヲ級を瓶にしまい、俺もその座標に飛ぶ。
木々に隠されて設置されたテレポーターから歩み出る。視界が開け、ちょっとした広場に出ると、一度下見に来た時には不気味な口を開いていたカタコンベは既に松明と魔法の光によって照らされ、テーマパークじみた様相になっていた。スピードランナーが飛び込んで行くのがチラッと見えた。あの速度を制御するの難しいんだよな。
参加者はそれほど多くないが、それでも500はいる。ギッチギチだった広場は次々にカタコンベに飛び込んで行くのでだんだん空きができてきた。その間隙に屋台を建てお祭りのようにしたがるのもいつものことだ。建築勢は元気だなホント。建築とかちょっと何言ってるか分からない俺はヲ級と共にカタコンベに侵入した。ジメジメしてはいるが、松明と魔法の、明るい光で満たされた空間はいつだって安らぎを与えてくれる。
幾重にも分かれた道が続くが、マップを見て、仲間がいない方向に進んで行く。敵の反応は現れる側から仲間を示す青い光点がまとわりつき、次々と消えて行く。「さきちゃん!?ヒィ!助けて!い」「いやあああああ!!!来るな来るなぁ!!!」目の前で仲間が消えていく光景を見た少女らの悲鳴と銃声が聞こえる。遠隔で倉庫にアクセスできるアイテムを覗くと、アリウス生のパッケージが続々と送られてきていた。
「止まれ!何者だお前達は!」
俺の前に現れて、そんなことを宣うのは恐らくはサオリだっけ?アリウススクワッドとか言うエリート()チームのリーダーだった筈だ。原作前だからかまだ若い。いや幼い。そのHPも大して多くはないし、まだネームドとして完成しきっていないが故か。
「ベアトリーチェを殺しに来たのさ」
「マダムを……?」
と、のんびりお話している時間もない。流石に無言で襲いかかってくるクラフターに殺されるのはベアトリーチェが可哀想だ。彼らに殺される前に少しだけ話をしたい。何やら表情を変えたサオリを隙と見て踏み込む。その動きをまさか見切られるとは思わなかった。驚愕の表情で引き金が絞られ、十数発の弾丸が発射される。俺は知覚を加速とか漫画みたいなことが出来るわけではないので、当然避けることも出来ず全弾当たるわけだ。ヲ級ちゃんの殺気が増すが、まだ手出しはしない。死んでからが本番じゃんね。
そして結果、障壁は全て破れ、増やしたハートの半分が消し飛んだ。充電設備がまだ完成していないまま来たせいもあるが、どんなイカれた性能してるんだと思わんでもない。ブルアカのダメージ数値はこっちと比べると数十倍ほどある。当然HPは2万とかが普通な世界だ。機動特化型の装備である俺は本来なら即死して然るべき。肉体改造と油断せずにバフしたおかげで助かった。今度から装備構成変えて不死トーテム常備しなきゃ後充電。と思いつつ、ビンを振るう。
抵抗を許さない一手は、ネームドとして完成しきっていないサオリをあっさり捕獲してしまった。俺の勝ちである。勝利の余韻もなく、腰に掴まったヲ級ちゃんを引き摺り、俺はとっとと奥へ進んだ。今からこんなのに苦戦してこの先やっていけるのか不安を抱きつつ。まあ結果から言えば
さて、この時点で突入から数分が経過したが、一向に突破報告がない。何かに足止めされているのか、ギミックのせいか。俺は最終手段の使用を検討し始めた。
「あと2分待って突破報告がなければ最終手段を使う」
通達により、青い光点の動きは一層激しくなった。自称ダンジョンマスターの動きが特に激しい。彼は正攻法()での攻略を信条としているので、そんなズルは許されないのだろう。しかし無情にも時間は流れ、お情けの1分が経ち、俺は最終兵器の使用を宣言した。
「エクスプロージョンッッ!!!!」
瞬間、あちこちから地面を貫通し、魔法陣が現れた。紫の光が拡大し、極太の光となり、カタコンベをゴリゴリと削り始める。
それを数度繰り返せば、あっさりとカタコンベを抜け、本拠地らしきところに繋がった。やはり何やらギミックで通行できなくなっていたらしい。絶対にクリア出来ないダンジョンに挑まされていたと知って憤るダンジョンマスター(自称)が飛び出す。
俺たちも続々と後に続いた。何やら教会っぽい建物の中にはベアおばが1匹、アリウス生が何人か。ユスティナ何ちゃらとかいう青白いやつらがいた。……ただ、なんかしょぼいな。原作前だから戦力が乏しいのか?
「デカいの以外捕まえて待機」
俺の指示に動き出すクラフター。迎え撃つアリウス生の銃声が響く中、ベアおばが口を開いた。
「一体何なのですっ!!お前達はっ!!!」
「非道な噂を聞いてお前を殺しに来た者だ」
そう言って、碌な扱いを受けていないのであろうアリウス生を見れば、ベアおばは眉を顰める。何やら興奮しているのは、接敵から一瞬で消えていったアリウス生の悲鳴を聞いたからか。役に立たないことに憤っているのだろう。
「私はただこいつらを大人のために使ってあげてるだけです!!
ベアトリーチェが吹っ飛んだ。そのHPはピッタリ半分になって気絶している。下手人はウチの最高戦力である撃滅の刃が一人、
これがキヴォトス人全員の仕様か知らないが、もし全員この仕様ならうっかり殺しちゃうことは無さそうで安心である。首を傾げ、再びエクスカリバーを振り上げるイカポンチ。振り下ろされた刃はベアトリーチェの首を落とした。
完全勝利である。
さて、非常にあっさりとボス戦が終わってしまったがいつものことだ。ボス戦より普段の雑魚戦がキツいって言ってんでしょ。今回のボス討伐報酬は道中で回収したアリウス生と、ベアおばドロップのアーティファクトと水晶はにわなんかの遺物、黄色のハートぐらいだ。
ベアおばが所持していたらしいアーティファクトの効果は、後で調べてもらったところ、洗脳効果up的な物だったらしい。渋い報酬に文句が飛ぶかと思いきや、普通に建物の補修を始めて、部屋を漁り出す。最近は残念ボスに出くわす事が多かったから耐性がついたのだろう。
モブを捕まえ損ねていないか探しに行くというフォースマスター(エンティティを透視できる)を見送り、俺も一緒になって研究資料的な物を漁っていると、突然マップに中立モブが現れた。
「ああ、間に合いませんでしたか」
その先に居たのは、打ち捨てられたベアトリーチェの死体を調べている黒服だった。俺の接近に気がつき、振り向いた顔から感情を読み取ることは出来ない。だって表情ってものが無いし。遠巻きに見守るクラフター達に干渉しないように伝える。
「……あなたがコレを?」
「ウチの奴らは我慢が効かなくてね。元から殺す気だったけど」
「そうですか……」
ベアトリーチェに黙祷を捧げる黒服。そういえばこいつらも仲間意識があったっけ。すぐに立ち上がり、こちらに向き直る。
「クックック……本来なら報復と行きたいところですが、流石にこの戦力差ではね。大人しく帰るとしましょう。それと、あなた方には興味があります。よければ、また後日お話を聞かせていただきたい」
「仲間を殺した俺たちに?」
「もちろん私も思うところはありますが……」
俺の殺気の無さに気がついたのか、図々しい奴だ。んまあいいけどね。何なら神秘の求道者として協力もよしとしよう。お前らの話難しいからついていけるか知らんし、生徒を害するのは許さんが。本と羽ペンをリアル化して作った羽ペンと紙を取り出し、連絡先を書きつける。はいどうぞ、と渡せば、驚く気配を感じた。
「おや、意外ですね……断られると思いましたが……いえ、ではまた今度お会いしましょう」
そう言って消えていく黒服。それを見届けて、俺はベアトリーチェの研究資料探査に戻った。腰にはまだヲ級ちゃんがひっついていた。