MODマシマシマイクラ世界で鍛えられたので透き通る世界も多分いける   作:ナナの四六三

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以前から書きたいとは思ってたけどブルアカを勉強する気がなかった。頑張ります。1話は読み飛ばしてもいいかもしれないここすき参考にするのでよろしく


1話のくっそ雑な導入は様式美 ってことにしといて

 俺は死んで、マイクラの世界に転生した。それは確かだと思う。やたら白い髭を伸ばしたジジイ*1の運転する暴走トラック*2に轢かれて、次に目が覚めたら全てが四角で構成されたこの草原に立っていたからだ。

 

 それなりにやりこんでいた俺はこのテクスチャを見ればわかる。間違いなくマインクラフト。それもかなり古いバージョンだ。マイクラの世界に転生なんて例の公式小説でしか見たことがない展開に、俺は困惑しながらも、ひたすらに木を叩く事しかできなかった。

 

 本当に最初の最初。目覚めたときは一体誰の仕業だ!?何が目的でこんなことをした!?ワンチャンVRだったりしないか!?と慌てまくり、ヘッドセットを脱ごうとしたりした。しかし俺の手はなんの障害もなく自身の顔に到達したし、ペタペタと触ってみるが、特に変わったところもなかった。

 

 頬に手を当てていつもの感触を感じていると、少し落ち着きが戻ってきた。俺の顔は、少なくとも触った限りは、四角で構成されたこの世界に似つかわしくない、いつも通りの2枚目顔だ。……とりあえず俺の知ってるVRではない、と思う。ヘッドセットを使わないVRなんて俺の時代に存在していなかった。もしこの世界がゲーム(進化したマインクラフト)だとしたら、俺がトラックに轢かれた後になんか冷凍保存されてて、その間にフルダイブマシンが開発されて、俺はそのマシンのゲームの中で目覚めた、とか?

 

 なんて考えてたら以下のような声がどこからか聞こえて来た。

 

『君はこの世界に転生した。さっさと動け』

 

 そんなわけで、俺は声にビビりつつ、無心でひたすらに木を殴り続けている。うん、嘘。無心じゃない。声の正体について考えたりしている。もしも俺をこの世界に転生させた神様的な何かだとしたら、導入が雑すぎると怒りたい。顔引っ叩いたろか。*3

 

 しかし姿が見えないではどうしようもない。それこそ真っ白な空間の転生部屋なんかを経由しないで来た俺は神の顔すら見てないからな。結論、声のことはどうしようもない。ログアウトとかできねえかな……と諦めの悪い俺の脳裏に『人生ログアウトするか?』と声が掛かった。

 

 うそでーす。なんでもありませーん。声を振り払うように、力を込めて原木を殴りつける。スティーブ君のように四角くない人間の手。それでも、硬く握りしめた右拳でブロックを叩くたびにヒビが広がり、数回のパンチでオークの原木がドロップした。ちなみに左手で殴りかかってもブロックはびくともしなかった。……ってそうだ。クラフトとかどうやってするんだ。メニューに、インベントリはどうやって開けばいいんだ、明るさ調節できないのか?一生明るさ設定:暗いで生きなきゃいけないのか?

 

 

 

 

 

 解決した。一夜が明け、岩壁に開けた穴蔵で夜を越し、世界の仕様を大体把握したのでまとめていく。まずインベントリは……なんか開いた。多分心の中で思ったから開いたのかもしれない。いつものように無意識にキーボードのEキーを押してインベントリを開こうと思ったら開いてた。え?意味がわからないって?え?リアルでインベントリ開きてーって思った時に思わず人差し指動くことあるよね?ない?ないかそっかぁひょっとして俺ゲーム中毒……????

 

 ま、まあそれで目の前にホログラムみたいにインベントリが開いたのでそこでクラフトとかができた。ホットバーに入れておいたアイテムはマウスホイールをコロコロするイメージで切り替えられることがわかった。慣れれば楽だと思う、多分。なお、ESCキーを押すイメージでメニューは開かなかったので明るさは変えられないしキーバインドも変えられないしログアウトは不可能である。ログアウト不可能はともかく、これ(明るさ最低)でどうやって戦えばいいんだ……

 

 

 

 

 

 

 どうにでもなった。振り下ろした鉄剣(前世のおもちゃにそっくり)がスケルトンの肋骨を切り裂く。白い煙を出して消える骸骨を尻目に、剣ガード状態で周囲を警戒。……よし、多分大丈夫かな。ふーっと息を吐いて、松明を設置。その明るさに早くも安心感を覚えた。

 

 転生してから数日が経った。俺は畑を作って、牛を囲い、ベッドを用意し、びくびくしながら洞窟に潜り、鉄装備を整えた。──ちなみに装備は羽のように軽い上に通気性がいい──それもこれも全てはエンドラを討伐するための準備である。ゲームの最終ボス()であるエンダードラゴンを倒せば、きっと元の世界に帰れるはずだと、当時の俺は何の根拠もなく、固く信じていた。その時点でもアホとしか言いようがないが、鉄鉱石にピッケルを振り下ろしながらそんなバカなことを考えていたせいで、俺は背後のシューっという音に気が付かなかった。

 

「っはあ゙!!???」

 

 ガバッと体を起こして周囲を見渡す。マイクラ歴およそ5年。それだけやっても尚建築下手の俺が建てた豆腐小屋。暖かみのあるオークの木材がお気に入りの俺のプライベート空間だ。どうやら俺は死んでしまったらしい。というか生き返ったのか俺。てっきり死んだらおしまい(ハードコア)かと思ってたんだが……

 

「なら、アイテム回収に行かないと……」

 

 いつものことだ。すぐに行かないとアイテムが消えてしまう。そう思ったものの、足が動かない。

 

「あれ?」

 

 ガクガクと震える足で俺は自分の状態をようやく自覚した。

 

「い゙っ!ああ!!??」

 

 痛い。痛い痛い痛い!熱い!熱い!熱い熱い!!遅れてやってきた前世で転トラに轢かれて死んだ時以来の恐ろしいほどに神経を焼く痛みに耐えながら何が起こったのか、気を紛らわすように必死に痛みの原因を探る。原因はすぐに見つかった。そうだ、思えばこの世界に来て初めて受けたダメージだった。今まで慎重に慎重に生きてきたから気が付かなかっただけで。なんのことはない。俺は()()()()()()()()()痛みがあるに決まっているだろう?

 

「ふざけんなよ……」

 

 三日三晩俺の全身を苛んだ痛みがようやく(おさま)り、俺はそのような結論に至った。予定していたルートが崩れていく。急激に道が遠ざかっていく。エンダードラゴン討伐。ただそれだけの目標が永遠に続く罰のように感じられた。何度死ねばいい?何度苦しめばいい?何度あれを経験すればエンダードラゴンを討伐できる?このまま一生をこの家で過ごすのも悪くないのかもしれないと馬鹿なことも考えた。それでも足を止めなかったのは、何か大きな使命があると思っていたからだ。何か意味があるはずだ。俺がこの世界に呼ばれた理由が。それを知りたかった。それに、知ることができなくても現実世界に帰ることをどうしても諦めたくなかった。人に会いたかった。

 

 それだけにエンダードラゴンを討伐した時の絶望は大きかった。エンダードラゴンを討伐し、落ちた卵も、経験値も取らずにゲートに直行。結果、スタッフロールも無く、俺は最初の草原に立っていた。パニックに陥り、現実に帰してくれ!もういいから人生からログアウトさせろよ!と叫ぶ俺に、声は何も答えなかった。

 

 それから、マイクラ内時間で軽く三年。現実時間に直しておよそ360時間、半月ほど、何もする気力がなく、ただパンを貪って、ステーキを食べて、りんごを食べて*4、ぼーっと生きていた。それをやめたのは馬鹿らしくなったからである。無為に時間を浪費するのが人間の、人間らしい生活とは思えなかったからだ。

 

 翌日、エンチャダイヤフル装備を着込み、必要な資材と食料。ベッドをいくつか持って、俺は旅に出た*5。目指すはファーランドである。実績全解除しようにも俺は進捗を見ることができないから。何か目標を持った方がいいと考えたのだ。マイクラの最端に存在するというそこに向かって、俺は馬を進めた。転機が訪れたのは旅を始めて現実時間で一ヶ月ほど経ったある日のこと。

 

「なんだあれ……?」

 

 遠くに見えたのは断崖絶壁。記憶ではバージョンの壁と呼ばれていたもののはずだ。気になった俺は、ブロックで階段を作り、バージョンの壁を乗り越えた。結論から言えば、それはまさにバージョンの壁だった。

 

「えっと……ハロー?ハウアーユー?I can’t speak English 」

 

 俺がバージョンの壁を超えて、変化が現れた。まずは人間、と言っていいのかわからないが、クラフターが現れたことだ。俺とは違い、普通に四角で構成された人間……スティーブ型をしているそいつらと、なんとかコミュニケーションを取ろうとしても、英語で話しかけても日本語で話しかけても、全体チャットを打ち込んでみても(コマンドは使えなかった)看板を建てて文字を書いてみてもこいつらは答えなかった。ただ右手をブンブン振り回し、スニークとジャンプを繰り返して友好のアピールはしてくれている。その日から俺たちは一緒に行動を始めた。

 

 二度目のエンダードラゴン討伐が終わった時、どこから現れたのやら、クラフターの数はすでに数えきれないほどに増えていた。しかし誰も言葉を持ってはいない。俺の提案に頷き、動くことからどうやら言葉はわかっているらしかった。

 

 それから、現実時間で2年ほどが経過した。クラフターが現れてからの日々はただ楽しかった。仲間ができて、競い合ったり、協力したり、建築したり。どうやら地球の物についても知っているらしく、一緒にピカ様の地上絵を作ったり。一生この世界も悪くないとすら思えた。

 

 しかしそのように人が増えてくると争いも起きるものだ。要するに荒らしが現れた。すると自然とそれに対抗するレジスタンスが現れる。誰もが仲良くできる国を作るため、俺も戦いに参加し、大戦争が始まった。現実と違い、ログイン時間による策略もチートもない、代わりに数とゲス戦法と、言葉による指揮で戦った。

 

 決着までは長引いたが、幕引きはあっけないものだった。俺は王になった。俺だけが唯一持つ『言葉』によって、国を運営する立場についた。俺の目的はこの世界の脱出から、誰もが幸せな国を作ることになっていた。

 

 数年の停滞。それを打ち破ったのは一つの報告だった。この頃には、クラフターは言葉はなくともジェスチャーによって様々な意図を伝えることができるようになっていた。俺はお飾りの王になり、たまに起こる諍いで呼ばれることがあるくらいになっていた。

 

 暇だった俺は、そいつの報告を聞いた。曰く、遥か遠くまで旅をしてきたそいつが言うには、巨大な壁があり、そこを抜けた先に、今までと全く違う世界が広がっていたとのこと。そいつが熱心に示し、ブロックアートで作り上げた怪物(モンスター)の姿を見た時、俺は新たな希望を見つけた。

 

 俺は旅を再開することにした。国を離れ、大いなる冒険の旅に出ることを宣言し、国民に別れを告げた。全員がついてきた。トロッコのレールを繋げながら、俺を先頭に、探検隊は突き進んだ。二つ目のバージョンの壁を越えた時、俺たちは新たな力を得て、新たなハンデを得て、同時に新たな絶望を味わった。そこに広がっていたのは俺のよく知る1.7.10の世界だった。

 

 そこはまさに魔境。無造作に導入しまくったMODによって生み出された変種のクリーパーやムキムキゾンビにクソキモスパイダーピッグ、超巨大なクラーケンに抜刀剣(ジャパニーズKATANA)。新たな鉱石に闇に潜む狩人。岩盤すらも破壊する破壊神(ゴジラ)にそれに対抗する装備、視界右上に映る地図に、可愛いメイドに深海棲艦、巨大なダンジョン。前世の知識をフル活用し、それらのほとんどを取り込み、薙ぎ倒し、屈強な拠点を作り、人間を辞めて、強力な移動手段を得た俺たちはさらに先に進んだ。

 

 それから何年経ったか分からない。三つ目のバージョンの壁(1.10.2)を越え、四つ目(1.12.2)を越え、五つ目(1.20.1)を越え、次に目を覚ました時、俺たちは四角くない世界にいたのだった。

*1
ジジイ「ワシが神じゃ」

*2
車体左をよ〜く見ると転生用と書かれている。

*3
思いつかんかったんや……すまん

*4
味は結構リアルである

*5
まだシュルカーボックスはないよ




(マイクラ時間で)100000年の歴史(大嘘)。流石にそんなに時間はかからない……んじゃないっすかね。オリ主は(リアルで)4年くらいだと思ってます。時間感覚どうなってんだ……

 読み返したら最後クッソ駆け足なのが気になります。しゃあないんや……寄生虫とかエイリアンとか最近流行りのスカルク侵食MODみたいに侵食の対抗手段が無いMODをどうやってクリアしたんだこいつらは……ってなるやん?エイリアンって女王倒したら侵食止まったりしたっけ。

 バージョンの壁は対応MODが多い4バージョンにしましたが、1.10.2は私情です。なして1.18がないねん!!って人もいると思いますが、私そのバージョン遊んだことないねん。入れても良かったですが
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