まいごえんは沼です。ほんとに。
だいぶ前(6話配信前)に書いた超短編小説を引っ張りだしてきました
〈attention〉
※ゲーム版5話までのネタバレあり
※ヒナタ・カナタは双子ということで話を進めてます
※自己解釈多め
※ゆうろぴあ脱出後、記憶を思い出したという設定です
※園児が知らなそうな言葉を使ってたりします
過去作なのもあいまって結構わかりずらいです…
(……ひま、だな…)
今日は休日。いつもみたいに、あじさい保育園でみんなと遊んだりしてひまをつぶせるわけじゃない。
なにしようかと思った時、床に本のようなものが置いてあるのに気がついた。
「…………アルバム…?」
『ヒナタとカナタのアルバム』、か……。
おそらく両親のどちらかが読んだのかな。開かれたままのページに僕の写真が入れてあるのが見える。
「……そうだ」
……どうせやることないし、せっかくなら最初から見てみようかな。
ペラ、ペラと、どんどんページをめくっていってみる。保育園の運動会、音楽会、遠足、最後にはピューロランドの写真。どれもとっても懐かしい。
……わかっていたことだけど。
どれだけページをめくってみても、『ヒナタとカナタのアルバム』と書かれているのに、アルバムの中にヒナタの写真がない。
いや、正確に言えば、エコー写真?っていう……僕らがまだ生まれる前の写真ならあるし、いつも僕が抱えている……「ヒナタ」の写真なら何枚もある。
「……でも…」
『……ヒナタはヒナタだけど、本当のヒナタじゃなイ。』
『ヒナタは、カナタだかラ。』
ヒナタはこう言っていた。「ゆうろぴあ」……のアトラクション……「流されるプール」でヒナタとさよならしたときに。
ほんとは、頭ではみんなの言っていることはわかってた。
……ヒナタは…ただのぬいぐるみで、ほんとのヒナタじゃない、って。
でも……わかっているからこそ、認めたくなかったんだ。きっと、僕は。
「……ヒナタ。」
「……ありがとう」
「これまで、ずっと僕のそばにいてくれて」
ヒナタをぎゅーっと、抱きしめてみる。
生まれてずっと、僕のそばにヒナタはいてくれた。
だから、僕はここに居続けることができたのかもしれない。
…だったら、ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
「…これからもよろしくね、ヒナタ」
「あア!よろしくナ!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。