【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今日も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。
「ゆきよさん、さっきからそのサイト見てるね。」
――真剣に見たことなかったんだけど……サン宝石のサイト見てると、ときめいてくるねえ。
ピアスとか190円だし。
あっ、欲しいな、このアーマーリング、580円!
「あら、椎名林檎みたいじゃなーい。」
――林檎ちゃんのつけてたのはヴィヴィアンウエストウッドのやつだけどな!
あとこのブレスレットとかどう。175えん。
「すごい値段だね。」
――文房具もいっぱいある。このスポンジ製シールとか、何に使うのかな…。
「かわいいじゃない。」
――いや、どれもかわいいんだけどね。
洋服も身長160センチサイズだから、普通に大人が着れるなあ。
――決めた。ダイエットが成功したら、サンホで服買うぞー!
「なにその目標!?」
――その前に、通販で、なんかアクセサリー買ってみようかな…。直営店行ったほうがアガルんだよなあ。女子小学生にはさまれて買い物するの、たまらんわ。
やっぱ、小さい頃、かわいいもの買ってもらえなかったのが、響いてるよねー。身に着けないものでも、買わないと気が済まないのよね。これ多分ファッション欲じゃないわ、JUST、ただの欲だわ…。
「欲ですわな…。」
――役にたたない、たよりない、派手でチープな、かわいいものを買う欲…。いつ埋まるんだろう…。