【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今晩も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。
――たらお、今日ちょっと疲れちゃって、更新する気がしないんだけど…。
「ま、そういう日もあるわね。でもまあ、ちょっとしたことは、なんかあったでしょ。なんかないの?」
――そうねえ。YOSHIKAさんのアルバムの、マイケル・ジャクソンのスリラーのカバーを聴いてみたんだけど、女声でもぜんぜん違和感ないな~、と思ったかなー。マイケル、キー高すぎだねえ。
「ほんとに女の子カバー曲好きだね!」
――好きっていうかもう、好きなのかすらわからなくなってきた。
中古CD、ばんばん買ってくるんだけどさ、ラムのラブソングを、名も無きギャルが歌ってるトランスとか。
そういうのの中に、「一周まわって、これ、アリかな?」っていうのが、たまにある感じなの。
今使えないのはボッサカバーですね。ビレバンで売ってるようなカバー。力が抜ける……。
あれは今のところオールアウトだけど、でも、寝かせておけば、いつか、使える日が来るかもしれない……。
「……そういうものですか。」
――あ、だから私、アリナシを決定せず、保留しておくクセがあるかもしれない。自分内で再評価が起きる可能性があるから。
「例えば?」
――そうだなあ。ブラック・ビスケッツのタイミングは、ゼロ年代だったら再評価で格好良かったんだけど、今はかける気がしない。ビビアン・スーがセルフカバーしたバージョンとかだったら、アリかもしれないけど。
でも元曲のタイミングも、もうちょっとしたら、再再評価出来るかもしれない。
「………おめー、めんどくさいわ!」
――うーん、べつに私の美意識の問題なんだけど、他人に押し付ける気もしない、こまかい話ですよ。
そもそも私、自分がセンスいいかどうか、自分を疑ってるからね。
他のセンスいい人と比べると、自分は物知らずの上にダサイんだもん。気合も足りないし。
「めんどくさ! まじめんどくさい女!」
2011年にはしっとりバージョンも歌ってらっしゃいます。