を、やるにあたって、
当然、車で走ってきた。
実は山田うどんにも行った。
埼玉に古くからある、
埼玉県民が愛憎を持っているチェーン店。
メニューが安くて、不便なロードサイドにあって、駐車場がでかいのが売り。
最安値は200円台だが、
他のメニューは結構高い。
私は豚骨(しょうゆ)ラーメン680円を頼んだ。
同行した人は、カレーやうどんを頼んだ。
食べた。
………すべて悲しい味がした。
食べ直してみても、やはり山田に対する愛憎は変わらなかった。
昔食べた、記憶の味と、変わらない味。
「山田うどんってさ、もう、大きな通りぞいには、
あんまりないんだよね。
この店だって、ちょっと入ったところでしょ?
他の店に、負けちゃってるの。
昔は他に店がなくて、繁盛したのかもしれないけど、
今は、ロードサイドに、吉野家もあるし幸楽苑もあるし、
もちろん、ファミレスもあるしね。
大型車を駐車するスペースもあるし。
地元の人も、トラックを運転する運輸業者の人も、
山田に行く理由がないんだよね。
せめて、『新潟のイタリアン』とかさ、
決してものすごく美味しいわけじゃないけど、
そこでしか食べられない味、っていうテンションならわかるんだけど、
この味だと、もう、ノスタルジーが持てないよね……。」
と、埼玉に住んでいる友人が言った。
「埼玉出身者にしか分からないのだろうか、この感情は。」
「山田うどんをおもしろがってる人って、基本、他県の人だもんね…。」
「このやるせなさを、理解してもらえないとは、残念だ…。」
ダサイ県で生まれた私たちは、
クローズアップされたくないものをクローズアップされ、
でもぐっとこらえる。
ダサイ県で生まれた私たちは、
ある年齢になると、東京に、通勤・通学してしまうので
自分の出身地を、客観的に見てしまうようになる。
なんにもない、なんにもない街から
情報のかたまりのような土地へ。
毎日、行き来する。
だから故郷への思いは複雑になり、
なんだか、なにもかも、言いにくくなるのです。
言ったら無粋な気がして。
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