色々あって実家で一人だらけ切った生活をしていた「お兄さん」の前に、ある日裏口から見たこともないガキ達が入って来た。

あまりにもみすぼらしくて、でもその「目」は何故か逸らすことが出来なくて、餌付けしたりいろいろしてあげたら信じられないくらいなつかれてしまったお兄さんとガキ達の話



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書いてる連載があるのに思いついたからと言って新しいのを書いてしまったバカはここにいます

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この作品はそんな長くなりません、それと不定期更新です。予定だと5万文字も書かない(アリスク以外も書く場合形式が短編から連載になるかも)


裏口からやってくる汚いガキ

 

 

 

点けっぱなしにしていたテレビから、平日昼のバラエティ番組が垂れ流し続けられる。 司会者の突込みとガヤの笑い声が響くその映像をボーっと眺めながら、俺はかき混ぜていた鍋の中身を味見した。

 

 

「……まぁ、及第点? 最初の頃に比べれば大分ましになって来たか」

 

 

誰に聞かせるわけでもないが、一人になってから癖になってしまったものは容易に矯正できるものではない。 それに咎める相手だっていないのだから独り言くらい可愛い物だろう。

 

予め炊いていた白米を深底の皿に盛りつつ、出来立てのカレーをよそう。 福神漬けも忘れずに添えて、リビングに置かれたテーブルの上へと上げたら昼食の準備は完了である。 あ、飲み物を忘れてたなと思いつつまたキッチンに戻って水を汲んでいると……冷蔵庫に貼り付けられたままの、食材の書かれたメモ紙が目に入った。

 

 

「…………」

 

 

それは俺が書いたものではない。 更に言えばここ最近貼られたものでもない、1年前に貼られたメモ紙は、本来なら既に捨てている物であっただろう。 ……しかし、その紙を俺は未練がましく未だに貼り付けたままにしていた。

 

 

「もう、1年か」

 

 

この家に俺しかいなくなって、1年。 街中ではない山間部の、それも人通りのない閉鎖空間と言ってもいいくらいの山の中に建てられたその家は、以前は両親が持っていた土地に少し早い定年退職後の終の棲家にするために建てられた大きな家であった。 子供は俺しかいないのに、一体どうしてと言いたいくらいに広いその家は世間的に言えば豪邸と言っても差し違えないだろう。

 

両親の寝室が広いのは、まあ分かる。 だが風呂もちょっとした大浴場くらいの広さがあるし、部屋数だって過剰だ。 何に使うつもりだったのか分からないが、小学校の教室くらいの部屋だって備え付けられている。 退職後はもしかしたら習い事の教室でも計画していたのかもしれないが……残念ながら、当の本人たちは既にいない。

 

 

「人って言うのは、本当にあっさり死ぬんだよな」

 

 

特別何かがあったわけじゃない、休日の一コマ。 買い物に行くと言って二人して車で外出して、無言の帰宅をした。 労働基準に引っかかるくらいの環境によって居眠りしたトラックが、信号待ちしていた二人の車に法定速度を無視して突っ込んだ、それだけだ。 幸いと言えるのは、事故の内容から二人は即死で苦しむ暇もなかったと言うことくらいだろう。

 

事故を起こした会社からの賠償金と、両親が入っていた保険。 その二つだけでもそれなりの額が有ったが、二人が生前に残していた遺産によって総額は億を超えた。 何なら二桁台に突入してどれだけ貯めていたのかと呆れてしまったくらいだ。 それもこれも、俺に不自由させないようにと遺言書に書かれていた辺り、本当に出来た親だったのだろう。

 

 

「結局、約束は果たせず仕舞い……か」

 

 

その頃の俺は、まだ仕事をしていた。 あまり良い子とは言えなかった幼少期、学校に両親が謝罪に来ることもあったくらいの問題児。 でも中学から心変わりし始め、高校で夢を見つけて猛勉強……そして、大学を経て希望の職に就いた。

 

就職後に心が折れかけることもあったが、簡単に諦めてはいけないと諭され持ち直した。 初任給からずっと貯め続けた貯金で、両親へこれまでの迷惑をかけた分の恩返しをしようと思って、旅行でもプレゼントしてあげようと計画して後は話をして予約をする、その筈だった。

 

でも現実はそうはいかなかった。 両親が死んだことによって俺は折れた、折れてしまった。 軟弱と笑われてしまうかもしれないが、それだけを心の支えにしてやってきた俺にはそれだけでも十分過ぎる程であった。 結果、建てるだけ建てて殆ど使われることのなかった家に籠って自堕落な生活を送っている。 本来ならば仕事をしていなくてはならない年齢だが、賠償金や遺産が膨大な為それを食い潰すようにして生活をしている。 その内資産運用でもしてみようかと思っているくらいだ。

 

 

「何、やってんだろうな」

 

 

それは何に対しての言葉か、言った自分ですら理解していない。 今の体たらくに関してなのか、それとも夢だと言ったのに早々に手放してしまった事に関してなのか。 勿論答えてくれる人はいない。 学生時代からの友人も就職してからできた友人も、全部俺の方から連絡先を消した以降何も反応しないようにしたからだ。

 

このまま山も谷もなく世捨て人みたいな生き方をするのも悪くはないのでは……そう考えていた時だった、リビングから物音がしたのは。

 

 

「……?」

 

 

先程も言ったように、この辺りに他の民家はない。 この辺り一帯が両親の土地であり、相続した俺の土地である。 一番近い町ですら車で30分はかかるであろう、そんな場所に誰かがいるとは考えにくい。

 

ならば野生動物でも迷い込んだのかとも考えるが、この辺りに大型の動物はいない。 クマやイノシシ、それにサルも見かけないのだ。 精々が狸とかだろうが、そんな生き物が何処から入ってくると言うのだろうか? 律儀に扉を開けて入ってくるような生き物ではないのだが。

 

コップに入った水をキッチンの隅に置き、代わりにそば打ちに使うめん棒を手に取って装備を整える。 仮に泥棒が入って来たとしても、少なくとも無抵抗になることはないだろう。 相手がナイフ以上の獲物を持っていたら何とも言えないところだが。

 

 

『────────、────────!』

 

『────は、────────で』

 

 

聞き取りづらいが、最低でも二人以上。 数的に不利にはなったが、声の感じからしてそこまで年齢が行っているようではない。 何ならまだ幼い印象を覚える……幼い?

 

この場所に子供が来るか? 車で30分の山奥に? 秘密基地を作るにしてももっと活動圏内を考えるものだと思うが。 だが不法侵入は不法侵入、ちゃんと叱って警察でも呼んで自分の罪は償ってもらわなければいけないだろう。

 

 

「────────動くなよ、お前ら人の家に勝手に……入っ、て……」

 

 

勢いよく扉を開けてリビングに入った俺だが、直後目に入った光景によって徐々に言葉の勢いが無くなっていった。 別に恐怖から来たとか、そう言う訳ではない。 いや明らかに大きな銃を持っているが、現代社会において銃刀法違反がある以上本物ではないだろう。

 

 

「あ……っ!」

 

「だ、だからやめようって言ったのに……」

 

「ふぇ……」

 

「……おじさん、だれ?」

 

「……せめて、そこはお兄さんだろ。 後その物騒なものは仕舞え」

 

 

そこにいたのは、みすぼらしいと言う言葉がこの上ないくらいに似合った、四人の薄汚い子供だった。 身に着けた服……最早服と言っていいのか分からないボロ布みたいな服を着て、体中土なのか埃なのか分からない汚れが目立つ。 何日まともに風呂に入ってないのか分からないが、どう考えたって普通じゃない。

 

それだけじゃない、彼女達の頭上には……はっきりとは見えないが、何かが浮かんでいる。 最初は飾りか何かと思っていたが、動くたびに同じようについて回っているし形もはっきりと見えない。 最近の映像技術は凄いなと思ったが、流石に違うだろう。

 

 

「……子供がこんな場所まで来て、何やってるんだ。 ここは俺の家だぞ」

 

「え? でもここは自治区で……」

 

「ついでに言えばこの辺りは俺の土地だから、今お前らがしているのは不法侵入だ」

 

「こんな家、アリウスには……」

 

「見て、サッちゃん。 外」

 

「アツコ、急に何を……ッ!?」

 

 

サッちゃんと呼ばれた女の子が、外の光景に驚いたのか窓へと凄い勢いで走っていく。 他の三人も、思い思いに窓に駆け寄って驚いたような顔をしているが……そんなに驚くような光景だろうか?

 

まるでこの場所を初めて見たようなその様子に首を傾げながら開いたままの裏口の扉を見て────────今度は、俺が驚く番だった。

 

 

「────────は?」

 

 

そこに映っていたのは、裏口から見える畑の光景……ではなく、何処かもわからない瓦礫の目立つ廃屋。 お向かいさんと言いたいところだが、どう考えたって人が住んでるような生活感が見られない。 と言うかこんな場所にお向かいさんはいない。

 

どこでもドア、と言うものを知っているだろうか? 国民的人気アニメに登場する、文字通り何処にでも通じるドア……思わず笑いたくなるような話だが、今俺の頭に浮かんだのはその事だった。

 

『何処か別の場所に繋がった』……荒唐無稽な話だが、ここまで証拠があると否定しきれない。

 

 

「おい、そこの……青髪の」

 

「……何だ」

 

「アレ、何だ?」

 

「さっきも言った、自治区だ」

 

「見れば分かる、いや分かってないか。 そうじゃなくてお前らは何だ? 何なんだ?」

 

「そ、そんなのこっちが聞きたいですよぅ……」

 

「……おじさん」

 

「お兄さんな、それで何だ?」

 

「ここは、何処?」

 

「何処って、それは……日本だが?」

 

「にほん……? トリニティでもゲヘナでもなく?」

 

「何処の外国だ……ちょっと待て」

 

 

気になった俺はスマホを手に取ってトリニティと検索する。 だが検索結果ではそんな地名見当たらないし、関連がありそうでなさそうなキリスト関連の記事だけが表示される。

 

子供が適当に吐いた嘘と切り捨てても良いのだろうけど、表情からそんな様子は見られない。 そう教え込まれているのか、はたまた……

 

 

「で、名前は?」

 

「アツコ、秤アツコ」

 

「アツコちゃん、知らない人に名前は……」

 

「良識があって結構、不法侵入していることを除けばな。 普通に考えて警察に通報ものだが」

 

「警察……?」

 

「……常識があるんだかないんだか。 で、他の奴らの名前は?」

 

「……錠前サオリ」

 

「……戒野ミサキ」

 

「つ、槌永ヒヨリです」

 

 

俺を警戒しながら、でも何となく悪いことをしていると理解しているのか自己紹介をする四人。 友達同士ではあるのだろうが、それにしては距離が近い。 恋愛的な意味ではなく、もっと別の意味で、だ。

 

本当ならさっさと帰らせるか警察に引き取ってもらった方が良いんだろうけど……容姿からして、訳アリっぽいからなぁ。 本当に連絡していいものかと思ってしまう。 そんなことを考えていた時、きゅるると小さいながらもよく耳に通る音が鳴ったと思ったら、ヒヨリと言っていた子供が顔を真っ赤にした。

 

 

「う……」

 

「腹が減ってるのか」

 

「ヒヨリ」

 

「で、でも……こんな美味しそうな匂いなのに我慢出来ませんよぅ」

 

「おい、今すぐそれを……」

 

「だから、さっきも言っただろ。 【その物騒な物を仕舞えよ】

 

「なっ……!?」

 

 

拳銃片手に俺に詰め寄ろうとしてきたので咄嗟に口から強い言葉が出てしまったが、次の瞬間にはサオリの手から銃が零れ落ちた。 サオリだけじゃない、他の三人もそれぞれの獲物を床に音を立てて落としている。 サオリが必死に銃に手を伸ばしているが、何度やっても持ち上げることが出来ないようであった。

 

初めは冗談だと思っていたのだが、徐々に表情から余裕が無くなっていくサオリに、俺は何か変な事でも起きているのではないかと不安になっていく。

 

 

「お前……何をした?」

 

「それはこっちのセリフと言うか……いや普通に持てるじゃないか」

 

「は……?」

 

 

試しに俺が銃に触れてみると、それは簡単に持ち上げることが出来た。 見よう見まねでマガジンを取り出してみると、そこには確かな重量を持った銃弾が込められて……込められて、いる?

 

え、本物? 何時から日本は銃社会になったんだよ、危なっかしいな、全部回収しておこう。

 

 

「とりあえず【変な真似はするなよ】。 俺だって子供相手に怒りたくて怒る訳じゃないし」

 

「……今、何やったの?」

 

「それを聞きたいのは、俺の方なんだけどな」

 

 

何かした、と言われれば何もしていない。 ただ言葉で諭しただけである。 ……いや、少し強い口調で言った内容が反映されている? 言霊でもあるのか? 異能系のラノベじゃあるまいし、と切り捨てられないのがまた何とも。

 

ならば試してみようかと思って四人の事を見つめる。 今しがた起こった不可解な事象に困惑をしているようだが、俺の事を警戒するその目には変わりない。 何かされるのかと身構えているようであったが……

 

 

「あー、えっと何が良いかな……あ、【とりあえず綺麗になれ】

 

「ッ!!?」

 

「えぇっ!!」

 

「これは……」

 

 

俺がそうあれと思って口にした途端、彼女達の体が光に包まれる。 光が消えたと思った次の瞬間には、汚れ一つない綺麗な姿の四人が目に入る。

 

突然光に包まれたと思ったら身綺麗になっているのだ、驚くのも無理はない。 何なら言った本人が一番驚いているまである、異能系チートに目覚めてしまったらしいな……これが流行りの異世界転移か。 いや転移もしてないな。

 

 

「わぁ、綺麗になった」

 

「本当に綺麗になるとは思わなかった」

 

「……狙ってやったんじゃないの?」

 

「いや、出来るのかと思って試しにやったからな。 出来て驚いてる」

 

「じゃあ驚いてるついでにご飯も出して」

 

「図々しいな? ……さっき作ったカレーならあるけど」

 

「カレー……!」

 

「……はあ、カレー食ったら帰れよ」

 

 

俺は溜息を吐きつつ、キッチンに戻って人数分のカレーをよそうことにした。 彼女達との会話で、何だか毒気が抜けたと言うかなんというか……良く分からない事象が起きて混乱してしまったと言う方が正しいだろう。

 

良く分からない、だから早々に解決したい。 とりあえずご飯でも食べさせてあのドアから帰せば解決するに違いない。 閉めれば異常もなくなるだろうし二度と会う事だってないだろう、そう考えれば少しの労力なら目を瞑って我慢することも出来た。

 

 

「……ほら、熱いから冷まして食えよ」

 

「う、うわぁぁぁぁぁん! 久し振りの温かいご飯ですぅ!!」

 

「……」

 

「……美味しい」

 

「お兄さん、料理上手なんだね」

 

「まあ、一人暮らししてから自炊ばっかしてたからな。 そりゃ慣れる」

 

 

まるで孤児か何かのように一心不乱にカレーをかき込む約一名を除き、みんながカレーを食べている。 何気に久し振りの温かいご飯と言う単語に不穏な気配を感じるが、それは俺の知った事ではない。 どうせ帰したら切れる縁なんだし。

 

そう、関係ない。 関係ない、筈なのだ。

 

 

「……普段は、何を食ってるんだ?」

 

 

それなのに、俺の口から零れた言葉は反対の言葉だった。 ハッとしてしまうが、既に吐き出したものは戻らない。 俺の言葉を聞いて、アツコが思案顔になる。

 

 

「普段は、携帯食?」

 

「あとはお水と……」

 

「カレーとかは、滅多に出ないご馳走かな」

 

「……親はいるのか?」

 

「親? ……私達には、いないよ」

 

「……悪い、不躾な質問だった」

 

「ううん、気にしないで」

 

 

気にしないでとは言うが、親がいないなんて子供からすれば結構な大ごとだとは思う。

 

こいつらもこいつらで、訳アリなんだろう。 だがそれを知り合って間もない俺がどうにか出来ると言うほど出来た人間じゃない、所詮は赤の他人なんだ。

 

 

「あ、あの……」

 

「味の感想はもういいぞ」

 

「お代わりが欲しいですぅ」

 

「……他には?」

 

「あ、私も食べたい」

 

「……私も」

 

「……」

 

「分かった分かった、全員だな」

 

 

折角多めに作って寝かせようとしていたのが、この一回の食事で全部なくなってしまいそうだ。 でも美味いと言ってお代わりまでしてくれることには、悪い気はしない。 呆れたように笑いつつも、全員の皿を持ってキッチンにとんぼ返りする羽目になってしまった。

 

……思えば、自然に笑うなんて何時振りだろうか。

 

 

~~~~~

 

 

「もうお腹いっぱいです……食べられないです」

 

「美味しかった、お兄さん」

 

「……ごちそうさま」

 

「その、ありがとう」

 

「まあ、口にあったなら何よりだ」

 

 

あの後もう一度お代わりして何処にそんなに入るんだと思わずにはいられなかったが、大きめの鍋に作ったカレーを完食しきった四人。 また作り直しだなと思いつつも、俺は彼女達に銃を差し出す。 その行為に固まりつつも、この四人の中でリーダー的ポジションらしいサオリが戸惑いながらも口を開いた。

 

 

「……良いのか?」

 

「良いも何も、元からお前たちのものだろ? 帰るんだから返すさ」

 

「あっ……そ、そうですよね」

 

「私は、このままいてもいいけど」

 

「奥さんもいないのに子持ちになるつもりはないからな」

 

「いないの? 奥さん」

 

「いたらとっくの昔にお前らを叩き返してる」

 

「親は? いないの?」

 

「…………死んだよ」

 

「……ごめんなさい」

 

 

幼いながらも地雷を踏んだと理解したのか、アツコが申し訳なさそうな顔でこちらを見つめてくる。 俺はその言葉に返事することなく、ただ黙ってアツコの頭を撫でた。

 

急にそんなことをされて驚いたのか目をぎゅっと瞑っていたが、段々恥ずかしそうにしつつもされるがまま頭を撫でられ続けていた。

 

 

「子供がそんな気を遣うもんじゃない」

 

「……うん」

 

「わぁ……アツコちゃん嬉しそうです。 私も撫でて欲しいです!」

 

「催促するのか……これで良いのか?」

 

「ふわぁ……えへへ、温かいですねぇ」

 

 

右手でアツコを、左手でヒヨリを撫で続ける。 この光景を第三者に見られたら事案として通報されるかもしれないなと冷や汗をかきつつも、撫でる手を止めない。

 

時間にして1分くらいだろうか、それくらい撫でた俺は二人の頭から手を離す。 若干名残惜しそうに見つめてくるが、これ以上撫でるつもりはない。 ミサキと言っていた彼女の目つきが段々鋭くなってきたから、とは口が裂けても言えない。

 

 

「そこを通れば元の場所に戻れるだろ。 と言うか何でこんな不可思議な事が起きたんだか……」

 

「ここ、アリウスと違うもんね。 お兄さんもヘイローが無いし」

 

「ヘイロー? ……ああ、その頭の」

 

「お兄さんって、もしかしなくても外の人?」

 

「多分、な。 少なくとも俺は頭に輪っかがある人間を生まれてこの方見たことはないぞ」

 

「そっか、ここが外なんだ」

 

「……そんなに珍しいか?」

 

「うん。 だって私達は自治区の中しか知らないから」

 

 

何と言う閉鎖的な、狭い世の中だろうか。 自分の住んでる街以外の情報を知識だけでは把握していても実際に見たことはない、子供の行動範囲を考えれば自然な事ではあるのだが、アツコから出た言葉にはそれだけじゃない……一種の羨望のような感情が見て取れた。

 

碌でもない生活環境なのは見ただけで分かるが、彼女達にとってこの邂逅は自分たちの常識を崩す大きな出来事なのかもしれない。 だからと言って俺が余計なことを言う資格なんてないのだけれど。

 

 

「ね、お兄さん。 また来てもいい?」

 

「俺に聞くなよ。 一度閉じればまた繋がる保証なんて無いのに」

 

「じゃあ、もしまた繋がったら……今日みたいにご飯を食べたい、な」

 

「……繋がれば、考えなくもない」

 

「つ、次はラーメンと言う食べ物が食べたいです!」

 

「お前ホントに図々しいな? その時作ってる保証なんてないんだから約束するわけないだろ」

 

 

最初から最後までぶれないヒヨリの言動に呆れつつ、また作ってやってもいいかと思っている自分の思考に驚いてしまう。 さっさと返すだけと自分で結論付けたはずなのに、何でそんなことを思ってしまうのか……そこまで考えて、あぁと気付いてしまう。

 

楽しいと思ってしまったんだろう。 他人とまともに話をすることが無くなってしまって、慣れていたと思っていた所にこんな変な出会いながらも話をする子供が出来てしまった。 心の何処かで、この出会いを惜しんでいるのかもしれない。

 

それ以外であるとすれば────────彼女達の目を見て、揺れ動いた心があったからか。

 

 

(……自分から捨てたろ、その夢は)

 

 

自分から手放してしまったものを、今更惜しんでいるとでもいうのだろうか? 初めてと言っていいくらいの夢、両親に応援されて叶えた夢……そして、自ら手放した夢。

 

思わず笑いそうになってしまう。 虫が良いと他人から言われてしまいそうなその考えに、他でもない自分自身が呆れてしまっている。

 

 

「……どうしたの? どこか痛いの?」

 

「何でもない。 ほら、さっさと帰れ……それと、これでも持って行け」

 

「これは?」

 

「帰ってから開ければいい。 どうせ会えないだろうから餞別にな」

 

 

そう言って、子供が持つにはやや大きめなボストンバッグを手渡す。 中にはスナック菓子や飲み物、それと野菜やら花の種が入っている。 すぐに食べられるものから育てる食べ物まで色々入れておいた。

 

野垂れ死にしろなんて思っていないし、それだけあれば暫くはひもじい生活をすることもないだろうと思って渡したが……アツコは、渋い顔をして受け取ろうとしない。

 

 

「何やってるんだ、早く受け取って」

 

「やだ」

 

「やだって、お前な……」

 

「受け取ったら、もう会えないみたいでやだ」

 

「そんなの俺が分かるわけないんだから、素直に受け取っておけ。 他人からの善意を全部受け取れ……とまでは言わないけど、子供が遠慮するもんじゃない」

 

「……」

 

「俺は世間から見たら大人で、お前は子供だ。 子供の面倒を見るのは、大人の義務……みたいのものだろうな、多分」

 

 

そう言うと、渋々ながら受け取ったアツコ。 大事そうに両腕で握り絞めるその姿は、まるで親に捨てられた孤児そのもので……悲しい雰囲気を醸し出していた。

 

思わず口から言葉が零れそうになってしまうが、寸での所で思い止まる。 俺の言葉一つで彼女達はこの家で暮らすこともできる。 だが出生届すらあるか、そもそもこの世界の住人ですらないかもしれない彼女達を住まわせるにはリスクが大きいのもまた事実。 ただの一般市民である俺に、何かできる程の権力はないんだ。

 

「……分かった」

 

「ならいい。 ほら、もう帰れ」

 

「……またね、お兄さん」

 

「……世話になった」

 

「お、お邪魔しましたぁ!」

 

「……ご飯、美味しかった」

 

 

思い思いのお礼を言いつつ、彼女達は今度こそ扉の先へと歩いていき……扉が、閉じた。 念のために内側から扉を開いてみるが、そこには見覚えのある畑が目に入るだけ。 当初不安に思っていたずっと繋がったままと言う事態にはならなかったらしい。

 

これでいい、これで元の日常に戻ることが出来る。 変な事が起きない、ごく当たり前な平凡な日常だ。 そうだと理解しているのに

 

 

「……せめて名前くらいは言った方が良かったか」

 

 

名残惜しさを感じてしまうのは、何故だろうか。

 

 

 

────────────────

 

 

 

「また会ったね、お兄さん」

 

「……は?」

 

 

次にアツコの声を聞いたのは、あの不思議な邂逅から1か月経過した頃だった。 何時も通りつまらなそうにテレビを眺め、配信サイトで何か映画でも見繕おうかと考えていた時の事。 物音がしたと思ったら、俺の背後にアツコが立っていて思わず気の抜けた声が出てしまった。

 

アツコはそんな俺の様子が面白かったようでクスクスと笑っているが、俺はそれどころじゃない。 閉じたと思っていたのにまた繋がったあの不思議現象がまた起きたのかと混乱で一杯だった。

 

 

「何で、また。 それに……少しデカくなったか?」

 

「あれから1年も経ってるんだよ? 大きくなるよ」

 

「……1年? 1か月じゃなくて?」

 

「? うん、1年だよ」

 

「……俺は、1か月前にアツコを見たと記憶してるんだが」

 

 

何てことだろうか、こういうジャンルあるあるな時間軸がずれてると言うものだろうか? しかし1か月と1年じゃ大きな違いだ、インターステラーじゃないんだぞ。

 

アツコの後ろから様子を窺うようにこちらを見つめてくる三人の視線に苦笑しつつ、つい今まで座っていたソファーから立ち上がりキッチンへと行こうとする。 時間も正午を少し過ぎた辺り、昼食には丁度いい時間帯だろう。

 

 

「お兄さん、何処に行くの?」

 

「キッチンだ。 ……食うんだろ? ラーメン」

 

「わぁ、ラーメンですか!」

 

「いろんな味を作るのは面倒だからみんな醤油な、他の味を楽しみたいんなら自分で食いに行け」

 

「分かった、何か手伝うことはない?」

 

「あー、人数分のコップを持ってけ。 飲み物は冷蔵庫の中にある」

 

 

俺はそれだけ言って、今度こそキッチンへと向かう。 幸いラーメンの材料は揃っているので後は調理をすればいいだけだ。 まさか手打ちでラーメンを作った翌日に来るとは思わなかったが、果たして偶然なのだろうか……?

 

とは言え食べたいと言っていたラーメンの時に来るのはタイミングがいいともいえる。 手早く調理を行ってリビングへと戻れば、匂いに気付いて早々に席に座っているアツコたちの姿があった。 特にヒヨリは食べたいと言っていたラーメンを見たからか、ソワソワと落ち着きのない様子で俺の顔とラーメンの容器を交互に見つめている。

 

 

「ほら、ご注文のラーメン。 熱いから気を付けろよ」

 

「あひゅ、おいひいでふぅ!」

 

「気を付けろって言ったばかりなんだが」

 

「ふふ、でも本当に美味しい」

 

「……これが、ラーメン」

 

「麺? を啜るのが礼儀だと聞いたが……」

 

「その辺りは個人の自由だろ。 俺は啜らないし」

 

 

俺も席に座ってラーメンを食べる。 前日に食べていたから味の方は何ら心配していなかったが、それなりに良く出来ているようで安心した。 そのままスープまで飲み干して完食すると、何やら物足りなさそうな顔をしたヒヨリが目に入った。

 

 

「あ、あのぉ……」

 

「悪いけど手打ちしたラーメンは今出した分で無くなったぞ」

 

「そんなぁ……」

 

「でも、そうだな……まだスープが残ってるし、行儀は悪いけどいいか」

 

「?」

 

「ちょっと待ってろ」

 

 

自分の食べ終えた食器を片付けるついでに、炊いたまま保温していた炊飯器の前までやってくる。 そこから大まかな量を御櫃によそってリビングに向かうと、俺の行動を不思議に思ったのかミサキが訝しげな表情をしている。

 

一体何をするのかと俺を見ていたが……俺は徐に、ヒヨリの丼の中に白米を投入した。

 

 

「えぇ!? 何するんですかぁ!!?」

 

「食べ終えたスープにご飯を入れて食べると美味いんだぞ。 それ専用のカップ麺だってあるんだしな」

 

「こんなこと、して良いんだ」

 

「外食だと他人の目があってマナー的に悪いだろうけど、自宅で何やろうが文句は言われないだろ」

 

「スープがご飯にしみ込んで美味しいですぅ!!」

 

「……まあ、好評みたいだし良いだろ」

 

 

ヒヨリの感動した声によって他の三人も次々に食べていく。 驚きに目を見開いている彼女達の事を眺めながら、俺はこの不思議な出会いに関して考えを巡らせていた。

 

今回繋がったことに、何か理由があるのだろうか? 前回との類似点は何かあるかと考えたが、俺が自宅にいることくらいしか思い当たらない。 何なら毎日自宅でだらけているから何の参考にもならないかもしれないのだが。

 

昼食だって、前回は用意した後であったが今回は準備すらしていない。 彼女達に理由があるのか、はたまた俺自身に特別な何かがあるのか……

 

 

「ごちそうさま、美味しかったよ」

 

「口にあったなら何より。 食器片づけるから寄越せ」

 

「私も手伝う」

 

「別にしなくても」

 

「やだ、お礼したい」

 

「……分かった、分かったからその目は止めろ」

 

 

アツコの懇願する様な、あの目には強く言えなくなってしまう。 まるで捨てられることを恐れているような、そんな目が俺の心を揺さぶってくるからだ。 アツコだけじゃない、ヒヨリも……程度は違うがミサキやサオリだって、視線の中にそんな色がある。

 

ここで俺が折れなければ、ずっとこの視線で見つめてくるのだろう。 なら俺が早々に折れてしまった方が穏便に済むのだろう。

 

 

~~~~~

 

 

「……それで、今日はもう飯を食ったんだから帰るんだろ」

 

「? 帰らないよ?」

 

「いや、もう要件は」

 

「私、もっとお兄さんと話したい。 折角また会えたから」

 

「それ、は」

 

 

今どきの子供はこんなに我が強いものなのだろうか? 梃子でも動かないと言ったその様子に思わずたじろいでしまうが、変に言いくるめるよりはいいかと思ってその提案を受け入れることにする。 買い溜めしていたお菓子とジュースをテーブルに載せ、何を話せばいいのかと頭の中で質問を考える。

 

 

「お兄さんは、この家に一人で住んでるの?」

 

「まあ、そうだな。 前も言ったけど両親はもういないし」

 

「そっか。 何歳なの?」

 

「20歳は越えたぞ」

 

「好きな食べ物は?」

 

「……カレーとか、炒飯とか」

 

「炒飯……!」

 

「……なぁ、こんなの聞いて楽しいのか?」

 

「私は、お兄さんの事が知れて嬉しいけど」

 

「なら良いんだが。 逆に聞きたいんだけど、そっちの……アリウス? だったか。 そこだけじゃないと思うんだが、他にはどんなところがあるんだ?」

 

「えっと、私が聞いた話なら……」

 

 

そこから、俺はアツコたちが住んでいるアリウス……そしてキヴォトスとか言う場所についての話を聞いた。

 

曰く、キヴォトスは数千の学園が集まって出来た学園都市なのだとか。 数千なんて大げさな、と言いたくもなるが一応真実らしい。 そしてアリウスはそんなキヴォトスの片隅、誰も知らないような場所に存在していて、そこには親がいるわけでもないアツコたちのような子供が日夜雨風を凌ぎながらその日その日のご飯を漁っているらしい。 今は前に渡した野菜の種によって小さいながらも菜園のようなものを作ったのだとか。

 

アツコは俺が渡した花の種を育てるのが最近の趣味、ヒヨリは落ちている雑誌を集めるのが趣味。 ミサキは一人でいるのが心地いいと言ってはいたが、アツコがいる以上その願いは叶えられることはないだろう。 サオリは何もないと言ったが、部屋に置いていたぬいぐるみやらを見つめていたのだし案外可愛いものなどが好きなのではないだろうか?

 

実に平凡で、特別なものは何もない趣味だろう。 彼女達の境遇を考えればそれしか無いとも言えるのだが。

 

 

「なら勉強ってどうしてるんだ?」

 

「……勉強?」

 

「必要だろ、成長して働いたりするんなら」

 

「でもお兄さんは働いてないよ?」

 

「俺は……金があるからな、働かなくても生きていける」

 

「いいなぁ。 私もお金があったら働かなくてもいいの?」

 

「そりゃそうだろうけど、そのために働いてお金を稼がないといけない。 稼ぐためには仕事をしないといけなくて、そういう仕事は大抵勉強して頭がいい奴が選ばれるものだぞ」

 

「でも私達、勉強する道具もないし教えてくれる人もいない」

 

「……聞けば聞くほど、劣悪な環境だなって思えるよ」

 

 

本当に、子供がいていい環境ではないと思う。 まともな食事も出来ない上に建物すら廃屋ばかり。 そんな環境下で子供が生きていけるとは到底思えない。 キヴォトス……人? はヘイローがある分頑強だと言ったが、だからと言って無視していい話ではないだろう。

 

ならばどうするか? 選択肢はそれなりにある。 勉強をしてアリウスの外へと出る、キヴォトスで頼りになる存在を見つけて庇護下に入る。 ……後は

 

 

(……待て待て、そんな無責任なことはしたくないぞ)

 

 

俺が面倒を見る、なんて気軽に言えることじゃない。 子育ての経験すらないのに、急に四人の子供の面倒なんて見られるとは思えない。 話を聞く限り彼女達の他にもいるとすればその他も一緒に面倒を見なければ待遇の差に暴動が起きたっておかしくはないんだ。

 

……でも、なぁ。 情に絆されたと言われればそれまでの話だけど、ここまで聞いておいて何もしないとなると流石に、なぁ?

 

 

「……お前らは」

 

「うん?」

 

「俺が勉強を見たり寝るところを準備するって言ったら、どうする?」

 

「ご飯も食べられますかぁ!?」

 

「まあ、必要だろ」

 

「お風呂も入れますかぁ!?」

 

「あるんだから入ってもいいだろ」

 

「……何が」

 

「ん?」

 

「何が目的? 大人は甘いことを言って騙すって、他の子が言ってた」

 

「……そうか」

 

 

ミサキの警戒心が一気に跳ね上がったのを察知して、リビングの空気が張り詰める。 その警戒心はいい、簡単に信用せずに疑いから入るのは悪い事じゃない。 むしろ良い事だろう……アツコの目が鋭くなっているが、俺は別に咎めるつもりはない。

 

コップに残ていたジュースを飲み干して喉と唇を潤したのち、俺はミサキを真正面から見つめて口を開いた。

 

 

「別に特別な理由がある訳じゃない」

 

「……は?」

 

「そりゃ、疑いたくもなるとは思う。 俺だって同じ立場なら信用しないし」

 

「意味分かんない、だったら何で」

 

「俺がお前らよりも恵まれてるから、余裕があるから手を差し伸べてるって思ってもいい」

 

「何を……」

 

「それと、その目が放っておけなかった」

 

「目?」

 

「ああ。 ……その目は、知ってる。 俺も同じ目をしてた

 

 

ミサキは目を見開き、信じられないような顔をする。 だけど嘘じゃない、あの日……あの二人が死んだ後、洗面所で顔を見た時の俺の目はあんな風になっていた。

 

何かに縋りたくて、でも縋りたかったものもなくなってしまって。 進むべき道が分からなくなっていた俺の目にそっくりだから、ただそれだけだ。 彼女達はまだ若干ましだろう、一人じゃなくて四人もいるのだから。

 

 

「……」

 

「余裕があるからこその言葉かもしれない。 お前らからしてみれば金持ちの嫌味だと思ってもいい、自覚がないだけでそうかもしれないからな」

 

「そんな事」

 

「でも、俺は大人だ。 困っている子供を見て見ぬふりをして見捨てるなんて……仮にも子供に教える立場だった奴が、して良いはずがない、よな」

 

 

それはアツコたちに対して言ったのか、それともまだ面倒を見ないと考える自分自身に言い聞かせるためなのか。 どっちなのかは分からないが、言いたいことは言ったはずだ。 この話を聞いてどうするのかは、彼女達次第ではあるが。

 

彼女達は俺の言葉を聞いて悩んでいるようであった。 仕方もないことだ、二回顔を合わせただけの大人にこんなことを言われれば裏があるのかとか不信感が募るのも至極当然と言えるだろう。 だから俺は静「分かった」か、に……?

 

 

「お兄さん、私達に勉強を教えて。 ご飯も、お風呂も、寝る場所も……私達に頂戴」

 

「……俺が言い出したけど、そんな簡単に決めていい物じゃないと思うが」

 

「ううん、いいの。 お兄さんが優しい人だってことは知ってるもん、私はお兄さんがいい」

 

「わ、私もお兄さんのご飯大好きです! もっと下さい!」

 

「……二人はこう言ってるけど」

 

「私は構わない。 アツコの言葉を信じる」

 

「まだ信じたわけじゃない。 ……でも、ご飯を食べた時の事は信じてない、訳じゃない

 

「……そう、か」

 

 

思ったより信用されていると思っていいだろう。 その言葉に思わず笑みが零れる。 何故かその瞬間にアツコとミサキが挙動不審になっているが、理由が分からない以上何も言わない方がいいだろう。

 

そうと決まれば必要な物は沢山ある。 ネットショップを利用してもいいが、早めにほしいものは自分で買いに行った方が早いだろう。

 

 

「そうと決まれば早速行動、か。 やることは多いぞ」

 

 

久し振りにやる気が出ている気がする。 それが自分の為じゃなくて他人の為だと言ったら……あの二人は、何というだろうか。

 

喜んでくれるだろうか? 今更だと呆れてしまうだろうか? 今となってはその答えを知っているのは誰もいないけれど、喜んでくれていたら嬉しい、と信じたい。

 




TIPS:お兄さん

御年2〇歳のニート
学生時代はそれなりに両親に迷惑をかけて生きてきた自覚アリ
そこから頑張って教員資格を取って小学校教諭になった→受け持ったクラスのとてもなついていた生徒が死んで心が折れかけるも持ち直す→両親が死んで心が折れて残された実家でFIRE中
貯めた貯金で恩返しの為に両親に旅行でもさせようかと計画していた最後辺りの出来事

どんな環境でも、どんな過去があっても人はなりたいものになれると道を示したかった
現在人生の迷走中

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