だから君、エルデンリングを受け入れたまえよ……。
堪えきれぬ啓蒙によりブルアカ×エルデンが投稿されました
我が妄想を、ここに棄てる
記憶喪失で目覚めた私は、狭間の地と呼ばれる場所に流れ着いていた。大いなる意志のもと、そこで諸地域を巡り、様々な人に出会い、強者たちを打ち倒しては大ルーンというものを手に入れ、使命のために大罪を犯し、王の座へ至った。
だが、ずっと楽しいままではなかった。誰かと出会っては死別していく、そんなことばかり。私は何度死んだのだろうか、もう覚えていない。
敵と私と仲間の屍、その上を歩いてきた。それでも私は諦めなかった、私には祝福があるのだから。故に私は歩み続ける、ただ心折れぬ限り。
そういう訳で私は今、玉座に座っている。
「ここで寝るか」
そう呟いて、私は玉座に身を預けた。もう少しだけ、夢を見てもいいだろう?
ああそうだ、私は眠っていたんだな。そう自らを納得させて目を開けようとする。けれど、違和感。椅子で眠っていたはずの私が、床──いや、柔らかな寝具の上にいた。訝しく思いながら目を開けると、そこは見知らぬ部屋だった。よくあることだ、こういうことは。例えば、棺の中に入って眠ると転送されたり、渦巻く竜巻の傍に浮かぶ瓦礫の上に横たわると竜王プラキドサクスに出くわしたり。ということは、玉座で寝たら転送されたという出来事があってもおかしくない。これはまことによくあることだが──────
「あっ、起きた!」
私の横から聞こえる声。きっと誰かがそこにいるのだろう。そこへ目を見やれば、白い翼を持ったピンク髪の少女。彼女に生えているそれは、色とりどりのアクセサリーで飾られていて、輝きを秘めていた。光を受けて、その翼がかすかに揺れる。まるで夢の続きに迷い込んだかのようだった。
「えっと……ねえ! 聞こえてる? おーい?」
見たまえ! かわいい奴だ! しかし、見たことのない種族である。彼女に生えている翼といい、頭のてっぺんにある渦巻く何か──小宇宙だろうか? ──といい、まことに見たことのない種族である。
「そんなにじーっと見つめられても困るんだけど……」
彼女の頬がちょっぴり赤みを帯びた頃、ここで私は気付く。私は一言も喋らずに彼女を見つめていたということに。流石に口を動かさねば。
「ああ、すまない。頭の整理が追いついていなくてな」
「普通に喋れるんだ……そんなことより大丈夫? 酷い怪我だったんだけど……」
普通に喋れるとはなんだ。こんな褪せ人でも意思疎通はできますとも。いや待て、酷い怪我とはなんだ? 玉座で寝る直前まで私は五体満足で元気だったのだが。そう考えてみると、次々と疑問が浮かび上がる。今目の前にいる彼女は何者なのか、ここはどこなのか、など。
そこで自分の身体をよく見てみると、身体の至る所に包帯が巻かれていた。グルグル巻きのそれから血が垂れてくるといったことはないが。
「おそらく大丈夫。だが、この包帯といい、この部屋といい、特にこれといった覚えがない」
「おそらく大丈夫って……それより、その様子じゃ記憶喪失ってことかな?」
彼女が首を傾げて問う。確かに、それは間違いではないだろう。私は過去に記憶喪失になったことがあるのだから。あの時辛うじて覚えていたのは、武器の扱い方と己の素性くらいだろうか。身なりからして私は囚人だったらしいが、何の大罪を犯したのかは当然知らない。自分の名前も思い出せないが、会話に困ったことはないと豪語できる。案外褪せ人というだけでも話は通じるものだ。
「そうと言える。それより、貴公は何者なんだ?」
「ああ! そういえば言ってなかったね! 私の名前は
私の指摘に気付いた彼女──ミカはニコニコしながら自己紹介を始める。本当に表情がコロコロ変わる子だ。百面相と言ってもよいだろう。やはり百面相、ミカ=ミソノか………。さて、私もお返しをしなければ。
「褪せ人」
「え、それは名前じゃないよね?」
「ご名答。名前はだいぶ前に無くした」
やはり名前はあった方がよいのだろうか? まあ、褪せ人呼ばわりでも構わないのだが、そう思っていたというのに。だとすると偽名を考えておかねば。ひどいことだ。転送先で名前が求められるとは。
「うーん……名前無しでよく生きてこれたよね。ここで暮らすとなると大変だよ? 名前ないと」
「そうか。待て、暮らすと言ったか?」
おお、素晴らしい! 褪せ人の身分でも定住とは! けれど、けれどね、放浪は巡り、そして終わらないものだろう!
「うん、貴方は記憶喪失なんでしょ? 行く宛あるの?」
は、狭間の地……。祝福ワープで帰れるか? いや、転送罠に引っ掛かったら帰れないはずだ。つまり、この地で祝福を見つけなければ狭間には帰れぬ。だが、この場所が気にならないと言えば嘘になる。この先、冒険があるぞ。
「……ない。認めよう」
「だよね。それと、貴方はキヴォトスの外から来た人っぽいし、ここで彷徨うのは危ないよ?」
「そうか。だが私は、見つけ次第即襲いかかってくる連中ばかりの場所を旅してきた。だから安心して欲しい」
「えぇ!? 嘘でしょ!? 一体貴方は何者なの……?」
ミカに若干引かれてしまった。心外だ、壊れかけの時代の狭間の地を歩いていただけだというのに。
「さっきは褪せ人と言ったが、その種族たる私は定住が許されないのだ」
「何それ!? 思ったより相当なものを抱えてるね!?」
何それ、と言われてもなぁ。かえって私の方が困惑してしまう。瞳が褪せたという理由で追放され、しかし帰ってきた者たちの子孫なのだが。こんな反応をされたのは初めてだ。狭間の地を囲う霧の海の先、そう考えれば当然なのか?
「ああ、『覚えておけ。狭間は、褪せ人を歓迎していない』とも言われる程だ」
「その、失礼だけど貴方が非差別民族ってのはもう分かったから! 他のこと話そうよ!」
ミカが慌てながら話題の変更を求める。まあ、それもそうか。褪せ人という被差別民族について語り続けたところで、あまり良い話題とは言えない。ずっと、悲しいままだ。そんな話題は、変えてしまえばいい。
「あーでも私の方が質問ばっかりだったよね……何か聞きたいことある? なんでもいいよ」
「では、貴公をちゃん付けするのを許して欲しい。いいか?」
「えっ? まあいいけど、貴方がちゃん付けって意外だね」
「年頃の女の子にはそうしたくなるものだ。改めてよろしく頼む、ミカちゃん」
ちなみに私はラーヤちゃん*1をちゃん呼びしていた。火山館の招き手とはいえ、かわいい奴だからな。
「ああうん、こちらこそ……。でも、やっぱり貴方のちゃん呼びはその口調も相まって変な感じするね」
貴公……随分と正直に言うじゃあないか。まあ、初対面の相手に暴言を吐かれるよりかはマシなのだが。
「フン。で、ここはどこかを教えて欲しい。最初に聞くべきだったな」
「ああ、そうだよね。話は長くなるけどいいかな?」
「いいぞ、構わんさ」
ということで、「キヴォトス」──────数千の学園が連邦を形成する、超巨大学園都市と、それに属する「トリニティ総合学園」について軽く説明を受けることとなった。この世界では何が待ち構えているのだろう? 正直なところ、私の中では歓喜が止まらなかった。だからこそ、なにかあれ!
うちの子あせんちゅのステータス
生命力:60
精神力:38
持久力:25
筋力:16
技量:40
知力:80
信仰:33
神秘:9
タリスマン:ラダゴン肖像、ゴッドフレイ肖像、アレキサンダー破片、自由枠(恵みの青雫、捧闘の盾、レラーナのカメオ、魔力の蠍、竜印の大盾など)