寄生体と俺   作:こたっちゃん

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本当なら一話の最後のところまで書きたかったのですが長くなりすぎると思ったので前後で分けます。次には一話の最後のところまで行けると思います。

後編はできるだけすぐに出します。






約10年前

 

 

「うーん…あと5分~てあれ?ここは…?」

 

ベッドで寝ていたはずの私は目を覚ました。

見たことのない場所で。

 

「昨日は自分の部屋で寝たはず…まさか誘拐!?」

 

寝ぼけた頭が急速に冴えていくのと同時に、自分がおかれている状況を整理していく。

 

誘拐にしてはおかしい…なにせ自分にはなにも拘束具も付いていないし、まして監視や何処かに閉じ込められてる訳でもない。ならばなぜ私はここにいる?

 

自分の状態を確認すると、怪我などはなく何時も寝る時に着る友達からもらった舌を出して目がイってる鳥のTシャツとショートパンツだ。

 

「とりあえず…誰かに連絡を…」

 

そこで、ハッと気付く。スマホも愛用のショットガンも持っていない。ショットガンはガンラックにしまってあるし、スマホは枕元に置きっぱなしだ。

つまり、今の私は自衛も連絡も出来ない状態なのだ。

 

「どうしよう…でも動かないと始まらないよね…」

 

私は周囲を見渡した。すると、扉があった。

扉の右には装置があり、恐らく作動させるには鍵が必要なのだろう…。

 

「うぅ…こんなことしてる場合じゃないのに…」

 

これでも、私は外交官なのだ。今はとある条約を結ぶために東奔西走していた。こんなところにいては、仕事もままならない。早く脱出しなければ。

 

脇道があったのでそっちに行ってみる。

道なりに進んでいくと、さっきと似たような扉があった。だが、こちらは故障しているようで扉が半開きになっている。

 

私は半開きになっていた扉にからだをねじ込んだ。

 

「ぐぬぬぬ…きゃ!」

 

一瞬、お腹がつっかえそうになったが何とか向こう側へ行くことが出来た。

だが、無理矢理体を入れたからか、扉は閉じてしまった。

これでは戻ることが出来ない…。

 

「仕方ないし先に進むしかないかぁ…」

 

扉を抜けてすぐに変な装置があった。腕が入りそうな位の穴がある。

 

「なんだろう?これ?」

 

得体の知れない装置に腕を入れるのはあれだが、私は好奇心に勝てなかった。自分の左腕を穴へと差し込む。

 

グサリ

 

「痛っ!?」

 

反射的に腕を抜こうとするが、固定されてるのか抜けない。やっと抜けたと思えば、左腕には謎の装置がくっついていた。固定の為に何かを刺しているのか、左腕からは血がたらたらと流れ、ズキズキと傷んだ。

 

「何なの…これ…」

 

前腕に取り付けられた装置は掌の方にスイッチのようなものがあった。押してみると、手の甲に付いている装置から杭のようなものが出てきた。何かしらの武器なのだろうか

とりあえず、杭?をしまってから進む。

 

その装置の近くにはさっきとは違う形の扉とその正面に恐らく、扉を開けるためであろう装置があった。とりあえず、装置の方を見てみると左側に何かを差す穴と右側にグローブのようなものがあった。

 

「これって…もしかして…」

 

私は左腕の装置を起動し装置の左側へ差し込む。

そして、右手をグローブへといれると左腕が固定された。右手のグローブを操作すると正面の扉がスライドして開いた。どうやら、左腕の装置はデバイスの役割を持つようだ。

 

扉を抜けると、中央に展望台のようなものがある広場に出た。いくつか分かれ道になっていたが、とりあえず一番手前の道へ進む。

 

すると、円形の台座の奥にレバー?のようなものがあった。なんだか…生々しくて不気味だ…。指をいれる穴がありそれで引くようだがさっきの事もあり、躊躇する。

 

でも、周りに進めそうな場所も、装置も無いのでやるしかない。私は覚悟を決め、指を入れた。

 

グジュリと音がする…。そのまま、手前に引っ張るとガコンという音と共に台座が上がり始めた。

どうやらリフトのようなもののようだ。

 

台座が止まると、目の前に通路があった。先へ進むと広い空間に出た。中央には何かを操作する装置とその右側にさっき扉を開けるときと同じ装置があった。

 

装置の向こう側には卵のようなものがたくさん付いてる壁があった。その中に2つ光っている卵がある。

 

右側の装置を起動し、操作すると鳥の足のようなアームが動いた。これで卵らしきものを動かせるらしい。壁の中央には、別の機械がある。光っている卵をそこまで運べばいいのだろうか。

 

ガチャガチャと操作し、1つ目の卵を持ってきた。

装置から手を離し、中央の装置を動かす。

すると、中央の機械と取り付けられたアームが動く。だが、アームが卵を壁から離すと卵はアームから落ちてしまった。卵が砕け、下の奈落へと落ちていった。

 

「……つ、次こそは!」

 

また鳥の足のようなアームを操作し、光る卵を持ってくる。

そして、また中央の機械を動かす。今度はうまく中央の機械に卵を付けることが出来たようだ。

 

「ーーー!」

 

「え、今、声が……」

 

下へと運ばれた卵から呻くような声が聞こえた。

確認するため、台座へ戻り、さっきの広場へ戻ってきた。

 

「ーーー!ーーーーー!」

 

さっきの声がする。声の方向へ行くと上の階にあった卵を下へ持っていった機械があった。

近くのアームをデバイスで操作し、卵を下へ降ろす。

 

「……何……これ…」

 

それは、卵ではなかった。人間だ。

いや…正確には人間っぽい何かが卵のような殻に押し込められていた。腕や足は飛び出ており、無理矢理押し込まれたようにも見える。もしや、さっき落としてしまった卵もこんな風だったのだろうか…。

 

(ごめんね…)

 

届くかわからない謝罪をしつつ、目の前の彼を見る。彼はじっとこちらを見ているが特に何かするつもりはないようだ。もしかしたら、出来ないだけかもしれないけど…。

 

とりあえず、彼(彼女?)を置いていくわけには行かないので、持っていくことにした。

 

「よいしょっと」

 

そんなに彼はそんなに重くなかった。私でも問題なく抱えることが出来た。体制としては段ボールを持つときみたいな体制だ。

 

「?」

 

彼が少し困惑してそうだが、探索を再開する。

 

「ねぇ、あなたって名前とかあるの?」

 

試しに話しかけてみる。

 

「ーーー」

 

彼はくぐもった声を出すが何を言っているのかわからない。もしかして、これが彼らの言葉なのかな。

私は2階へのリフトがある道に進む。

リフトとは反対に別の装置があった。何かを乗せる台座があり、スコップのようなアームが付いている。そのすぐ横には底の見えない穴があった。

 

「ーー!ーーー!?ーーーーー!」

 

「うわっ!?暴れないで!わかった!わかったから!」

 

彼は機械を見ると急に暴れ始めた。危うく、彼を落としそうになる。とにかく、彼はあの機械が嫌みたい。

 

さっきとは別の分かれ道を進むと何かの装置があった。クレーンと台座が付いている。

特に彼も反応していない。

これを使えば、彼を解放できるかもしれない。

 

彼を台座に置くとぴったりとはまった。そのまま、装置のレバーを引く。

 

ギュィィィィン!

そんな音と一緒に出てきたのは回転ノコギリだった。どうやら、この装置は使ったら不味いものだったらしい。

 

まずい!このままでは、彼が巻き込まれる。

私は慌ててレバーを戻す。

 

「なんで!?なんで止まらないの!?」

 

レバーを戻してもノコギリは止まらない。そのまま、回転する刃が彼に迫る。私は涙目になりながら叫ぶ。

 

待って!お願い止まって!止まってよ!ダメ!

 

ギュィィィィン!

 

 

「ーーー!ーーーーー!」

 

 

グチャッグチャ…

 

 

 

あ……あぁ……

 

回転ノコギリが回り、周囲には鮮血が撒き散らされる。ノコギリの、回る音の中で彼の叫びも聞こえた。

私はへたり込んでしまう。

 

ごめんなさい…ごめんね…

 

あぁ、早計だった。もっと機械をしっかり見ておけばこんなことには… ゴトッ 

 

「ーー…ーーー」

 

「え?」

 

私は音のした方向を見る。すると、彼が台座から降りようとしていたのだ。

 

「え?なんで…」

 

私が動く前に台座から降りようとしていた彼が足を滑らせて落ちてしまった。

 

「だ、大丈夫!?」

 

彼はずっと体が固定されていたせいか筋肉が弱まってしまっているみたいだ。

何度も立ち上がろうとするが倒れてしまう。流石に手を貸そうと手を出すが、彼は自力で立ち上がって見せた。

 

「?」

 

目の前の彼はきょとんとした目で此方を見ている。私は彼が生きていたことに安堵した。

 

「よがっだよ~」

 

否、大泣きだった。安堵どころの話じゃない。私は勢いのまま彼へ抱きつく。

 

「!?ーーー!」

 

「ごめんねー!?怖かったよね!もう大丈夫だからね!」

 

そういいつつ、ぎゅっと彼を抱き締めると彼が背中を叩いてきたので手を離す。

 

「あ…ご、ごめんね…」

 

「ーーー」ジト目

 

明らかに何だコイツって顔されてる…。

第一印象最悪である。

まぁ、彼も解放できたので探索再開とする。すると、彼もゆっくりだがついてきた。

 

「一緒に来てくれるの?」

 

彼はうなずく。

1人じゃないというのは心強い。

私達は辺りを探索する。

 

すると、大きな扉を見つけた。正面には、2つの装置がある。一つは私のデバイスを使うもの。もう一つは2つのレバーを同時に引くタイプのレバー。

 

「ねぇ、あっちのレバーを引いてくれない?」

 

彼にレバーを引いてくれるようにお願いすると、彼はレバーの装置の前にたつ。彼がレバーを引くと扉の一部が動いた。私も、左腕のデバイスを挿入し、装置を動かす。

 

すると、扉が開いた。私はデバイスを外し扉へ向かおうとする。デバイスを外してすぐに扉がしまってしまった。

 

「どうしよう…」

 

あのくらいの速さだったら、私1人なら走ったら余裕で間に合う。けれど彼を連れていくとなると、間に合わない。

 

私が解決策を考えていると、彼が私の裾を引く。

 

「どうしたの?」

 

「ーーー、ーーーー」

 

彼が何を言っているかは分からなかったが身振り手振りを見ると、恐らく自分を置いていけと言っているのだろう。

 

だが、こんなすぐに離れるのは…いや、彼が言っているのだ。それに、私にはここを出なければならない理由がある。私は彼に従うことにした。

 

もう一度、左腕のデバイスを挿入する。そして、彼がレバーを引くと扉が開いた。

 

「ありがとう!また会おうね!」

 

彼にお礼を言い、手を振る。

 

「ーーー」

 

彼も手を振り返してくれた。

 

私はデバイスを抜くと、同時に走って扉の向こうへと行く。それと同時に扉は閉まってしまった。

ここからはまた1人である。

 

「寂しいな…」

 

彼とはごく短い間しかいなかったが、なんだか寂しくなってしまう。

 

正面にはリフトが見える。私はリフトに乗りレバーを引き起動させた。




主人公
出番無し

寄生体
出番無し

女の子
外の世界から迷い込んできた。この世界からの脱出を目指し、探索する。元の世界では外交官であり、結構偉い人。
見た目の情報としては、
身長:179cm
髪:短髪白髪
お目目:蒼色
お胸:Dくらい
全体的にスラっとしている。
こんな感じに想像しています。

モールドマン*1
女の子に助けてもらったやつ。感謝こそしているが、何だコイツとは思っている。女の子の言葉はわかっていないが何を言っているのかはなんとなくわかる。女の子が見えなくなるまで、手を振り続けた。意味は知らない。

後編はもう少しお待ちください。
感想・評価・お気に入り登録よろしくお願いします。

*1
SCORNに登場するキャラクター。ゲームではコイツを生かすか殺すか選べるが何か変わることはない。設定では家畜として扱われている。因みにモールドマンの意味は『カビ男』

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