高濃度猿侵蝕体“マネキン・モブ”   作:アースゴース

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激エロ兄妹パエトーン・ツインズ


ここはファンタジィ・リゾート

 見事ファンタジィ・リゾートの復興を果たしたアキラとリン。

 兄妹は、この賑やかなリゾートで様々なアトラクションを満喫していた。

 

 「さっきのサーフィン凄かったね、お兄ちゃん」

 「そうだね。まさか大量のサメがいるエリアを通過するなんて……だけど流石アリスだ。あの窮地を切り抜けてしまったんだから」

 

 二人は談笑しながら砂浜を歩く。

 サーフィン、シューティング、釣り……特に釣りは兄妹の得意分野だった。

 大物やレア物を粗方吊り上げたり、それらをまとめて水族館にぶち込んだり。とにかく、夏の風物詩を楽しんだ。

 

 「料理も美味しいし……ん? お兄ちゃん、あの人だかり何だろう?」

 「盛り上がってるみたいだね」

 

 兄妹の視線の先には、人だかりができていた。

 アキラはその中の一人を捕まえて質問をした。

 

 「すみません、これって何の集まりですか?」

 「ん? ああ、見ての通り、スイカ割りだよ」

 

 見ると、何故か有刺鉄線が巻かれたバットと小ぶりなスイカでスイカ割りをしているようだった。

 

 「やってくかい?」

 「いいんですか?」

 「ああ、この目隠しとバットを使うといい」

 「お兄ちゃん頑張れー!」

 

 アキラは目隠しと物騒なバットを受け取る。

 そして言われるがままにバットを地面に突き刺し、柄に額をつけてグルグル回る。

 

 「おっとっと……目が回るな」

 「右だよお兄ちゃん!」

 「右だな……」

 「騙されないで! その人めちゃくちゃ声真似が上手いの! もっと左だよ!」

 「なにっ」

 「いいや、少しだけ右ということになっている。頑張れよ兄ちゃん」

 「えっ」

 「おいおい二歩左でしょうが」

 「?」

 「(それ)はダメだろ。兄ちゃんから見て90度右を向いて五歩前進なんだよね」

 「???」

 「あれェ? 若者に花を持たせるのが年長者の役目でしょ? 適当なこと言っちゃダメダメェ。はっきり言ってめちゃくちゃ真っ直ぐ。妹さん以外は嘘だらけで話になんねーよ」

 「お前もじゃねぇかよえーっ」

 「コラーッ適当なこと抜かすとバット食らわすぞ」

 「どれが本当なんだ……?」

 

 外野の適当な指示に混乱させられながら、どうにかリンの声だけ聞き取り指示通りに動く。

 

 「お兄ちゃん右だよ!」

 「左! 左!」

 

 最後に残ったのはリンと、やたら声真似の上手い外野。

 本当の妹を見抜けなくて何が兄だ。そして、彼は振り下ろすべき場所を選んだ。

 

 「答えは真っ直ぐ!」

 「なにっ」

 「声真似モブは複数いるっ」

 「お見事っスイカ炸裂だあっ」

 

 手ごたえあり。アキラはそう確信した。

 だがしかし……それと同時に、違和感も感じていた。

 

 「……? 妙だな、割れてない……?」

 

 確かに、これ以上ないくらいの手ごたえがあった。

 だが、スイカが割れたような感覚が全く存在せず、むしろ物凄く硬いものを叩いた感触が残るばかり。

 

 「なにっ」

 「な……なんだあっ」

 

 そして、どうしたことだろうか。

 外野の者達からも困惑の声が上がっている。

 

 「ち、血だあっスイカから血が流れてるゥ」

 「えっ」

 

 アキラは急いで目隠しを外した。

 スイカからは、とてもではないが果汁には見えない赤黒い液体が流れている。

 それは、まぎれもなく血だった。

 

 「あうっ……ス、スイカじゃなかったのかあっ」

 「お、おーい出してくれ~」

 

 急いで前へ回り込む。前から見てもスイカにしか見えなかったが、注意してよく見れば目と鼻と口と耳がある。

 小ぶりなスイカだとは思っていたが、まさかスイカ柄に塗られた人の頭だとは思わなかった。

 兄妹とギャラリー達は、急いでその人物を掘り起こす。

 

 「大丈夫ですか!?」

 「おお、イテテ……何とか大丈夫だ」

 

 のそりと穴からはい出てきた、額に傷のある禿頭(とくとう)の男。

 アキラの印象は、“大きい”であった。身体もそうだが、何よりも存在感があったのだ。

 

 「兄ちゃん、中々いいスイングだったぜ。おかげで目が覚めたよ」

 「め、目が覚めたって……」

 

 砂にまみれた手で頭の怪我をさすったせいで顔をしかめているものの、それほど血は噴き出ていない。

 それどころか、細身とはいえ成人男性であるアキラの有刺鉄線バットを受けたにしてはあまりにも軽い怪我だった。

 

 「ちと意識を失ってたみたいでな。いい気つけになった。ありがとよ!」

 「それは良かった……じゃなくて! どうして埋まってたんですか……?」

 

 男はバツが悪そうに語りだした。

 

 「あー、実はな。ヤクザだのホロウレイダーだのと揉めちまってよ、ここに埋められてたんだ。ご丁寧スイカの特殊メイクをされて、薬で意識まで奪われてな」

 「そ、そうだったんですか」

 「ここ波が近いだろ? 波が満ちてくるとちょうど俺の顔に海水が入ってそのままお陀仏……ってわけさ」

 

 確かに、男の埋まっていた所はすでに波に侵蝕されていた。

 もし意識が戻らなかったら、彼の溺死していたかもしれない。あまりにもリアルなスイカの特殊メイクで、誰も気づかなかったため、アキラが殴らなかったら死の危険性があったという。

 

 「何か礼をさせてくれよ。飯でも奢って……あ、金ないんだった」

 

 アハハと豪快に笑う男。

 服は着ているが身ぐるみをはがされているようで、無一文とのこと。

 

 「そうだ、命の恩人に自己紹介がまだだったな」

 

 男はサムズアップしながら言った。

 

 「俺は“あかつきプロレス団”の社長兼エースファイターサムソン高木だ。サムスンじゃないよサムソンね、タカギじゃないよタカキだからね」

 

 男は、サムソン高木と名乗った。

 

 「アキラです。こっちは妹の……」

 「リンだよ!」

 「そうか、アキラ君にリンちゃんか! なあ、何かお礼をさせてくれ。つっても、金はないが……」

 「お礼か……ん? サムソンさんはプロレスラーなんだよね?」

 「ああ」

 

 アキラは、何かをひらめいたようだった。

 

 「そういえば、ここの倉庫に古いリングがあったはずだ。それでプロレスをしてみたらどうかな」

 「お、俺がリゾートでプロレスを!?」

 

 アキラの提案で、サムソンはプロレスをする運びとなった。

 面白がったオーナーや怪啖屋の面々も手伝い、あれよあれよと砂浜にリングが設置された。

 

 「このファンタジィ・リゾートにもプロレスの波がやってきた! 暑い真夏を更に暑くする! 照りつけるあかつきの名は伊達じゃない! サムソン高木選手の入場です!」

 「おおおおサムソーン!」

 「やっちまえーっ!」

 「おっさんの癖にすげー身体……」

 

 サムソンを知る者は大いに盛り上がり、そうでない者も年齢の割に筋骨隆々の肉体に驚嘆する。

 そして何より、見る者が目を離せない、不思議なカリスマ性を持っていた。

 だが、対する選手も負けてはいない。

 

 「暑苦しさなら負けてはいない! しかし心は常に冷静! 敵対者を無慈悲に倒す生粋の戦闘マシーン……エドガード・C・ガルシア選手の入場だーっ!」

 「ガルシア頑張ってー!」

 「負けちゃダメなのだわ!」

 

 惚れ惚れするほど完成された肉体。

 だがその佇まいは『プロレスをしに来ました』ではなく『あなたをブッ殺しに来ました』にしか見えない。

 若き超人にプロレスはできるのだろうか。

 

 「うはっ、君すっごい身体してんねぇ。でもハゲ対ハゲだけど」

 「ボケーッサムソンっガルシアの坊主はお前より数段イケてるだろうが」

 「ビジュアルが違うって言ってんだよーっ」

 「うるせーっ、同じハゲだろうが」

 

 野次を飛ばす観客と、反論するサムソン。

 もちろん本気ではなく、純粋にやり取りを楽しんでいるようだ。

 

 「というわけだ。胸を貸すぜ」

 「……」

 

 ガルシアも、プロレスのことは良く知っている。マネモブがビデオで見ていたからだ。

 しかし、マネモブの話では、強さは認めつつもショーであると達観しているような部分もあった。

 ガチなのか、ショーなのか。サムソンとは出会ったばかりだが、拳を交えれば自ずと分かる。

 

 「さあ、ゴングを鳴らせっ戦闘開始だっ」

 

 カァン! と勢いよくゴングが鳴る。

 快晴の空のもと、肉体同士がぶつかり合う。その度に歓声が鳴り響き、技が直撃する度に盛り上がった。

 ――勝敗はともかく、興行の結果は言うまでもないだろう。

 




はっきり言ってロックアップはめちゃくちゃ名作
これまで少年漫画を始めとしたバトル漫画くらいしか読まなかった俺でも引き込まれたーよ

皆も毒狼買えよ
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