「醬油は何色?」と問われた小学生の回答は? 考えてみよう「無意識の思い込み」
東京都千代田区の私立白百合学園小学校の教諭、浜屋陽子さんは国語などの授業で、アンコンシャスバイアスにまつわる理解を深める教育を実践している。
小学4年生の授業では、「同調バイアス」をテーマに、児童に事例を書き出すように求めた。ある児童は「クラスの皆が授業中に回答しようと手を挙げていたら、答えが分からなくても挙手してしまう」などと記した。小学5年生の授業では、「アンコンシャスバイアスに気付かないとどんな問題が起きるか」と質問。児童はそれぞれノートに「いじめが起きそう」「傷つく人がいるかも」などと記した。一方で「気付くとどうなるか」と質問すると「友達が増える」「差別を防げる」など、前向きな答えが相次いだ。授業後、児童からは「思いやりの心を持ちたいと感じた」「友達との関係が良好になった」などの声が寄せられた。
冒頭のイベントで、浜屋さんは教員向けの講座に登壇。「どう思いますか?」と何度も問いかけ、自ら考え、気付くことを促した。
アンコンシャスバイアス研究所の守屋さんは、「質問を重ねることは、自分自身にとっても、アンコンシャスバイアスに気付き、モノの見方が変わるきっかけにつながる」と説明する。思いも寄らない回答は、気付きを促すきっかけとなる。立場や考えが異なる人どうしが意見や考え方に興味を持ち合うことは、思い込みの打破に結びつくかもしれない。(竹中文)