偏桃体のなすがまま

２月４日は長い一日だった。
帯広空港からJR帯広駅に向かうバスの途中、
真っ白い平野や白樺を眺め、
遮るものなく照り付ける日差しを浴び
自分は何が目的でこの地に降り立ったのか
一瞬わからなくなった。
駅に着き、電車に乗り、スキー場があるような駅を通り過ぎ
鋭い針のような氷柱を横目に見つつ札幌に着いたのは17:15
もし公演が定刻開演だったら少し遅刻して
会場に辿り着いたのだろう。

だが、灯の消えたライブハウスの前に
悲しい知らせを確認する為に足を運ぶ気にはなれず
そのまま、お寿司屋さんで海の幸に舌鼓を打った。
ホテルにチェックインしてからは
ビール片手に友達と今日を振り返った。

朝、待てども始まらない搭乗手続きを待ちつつ会話を交わした
隣り合わせた中学生の女の子の期待に満ちたあの瞳。
グッズの様子を尋ねてきつつ頬を桃色に染めていた。
彼女は今どんな夜を過ごしてるのかな？

今回札幌に向かう事が大冒険だった方は沢山いらっしゃるだろう。
念には念を入れて金曜日の早いうちに現地入りした方も
金曜日夜、土曜朝、羽田空港を出発しつつ
着陸出来ずに羽田空港に引き戻された方も。
何と言えばいいのか適切な言葉が見つからない。

順延。

チケットの持ち主はみんな再度集まれるのだろうか。