ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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ベアおばがホモ君と出会った時の内情です。
データ1回消えたので今回は少なめです。
アリウス生徒視点は多めに書くので許してクレメンス。


ベアトリーチェ

アリウス自治区。

そのバシリカの神々しい祭壇に2人の男女が向かい合っていた。

と言っても、2人を人間と呼ぶには常人離れした見た目をしていた。

 

男の方はスーツを着こなし、杖を握っているがその姿は骸骨。生きていると定義していいのかさえ不明な存在。

 

女の方は純白のドレスに身を包んだ淑女だが、その赤い肌と頭部にある複数の眼は人間離れしている。

そしてその視線は件の骸骨男に向けられていた。

 

(何処の馬の骨かと思いましたが、黒服が推薦するわけです。)

 

黒服の推薦により新たに加入したゲマトリア。

最初興味の無かった彼女は議会に参加しなかった。

そんな事よりも自身の計画の為に準備する方が何倍も有益だと思っていたからだ。

しかし男は侵入困難な領地を自力で突破した。

領地に無断で足を踏み入れた事に怒りはあるものの、その事実は彼女に興味を抱かせるのには十分だった。

そしてどう利用してやろうかと。

 

仮にも仲間に向けるものではないが彼女は男を組み込むことを前提に計画を練っていた。

 

それは対面したと同時に崩壊したが。

 

(黒服は何処でこんな化け物を……)

 

男に生物としての気配はなく、『死』の色濃い気配だけを漂わせていた。

コイツは本当に生きているのか?と疑問に思うほどの。

この存在は間違いなく己の計画を破滅させる。

そう確信めいた直感。少なくともそれ程まで警戒する必要が出てきた。

 

(こんな事なら会議に参加しておくべきでした。

加入を保留させればやりようはあったというのに。)

 

ゲマトリアに既に加入しているため手出しは出来ない。

手を出せるとすれば、計画が成就した時だがそれでは遅すぎる。

完全に御しきれない、しかし邪魔だと切り捨てもできない。

根本的に小心者の彼女はとる手を完全に見失った。

そんな彼女に男の提案した取引は転機を与えた。

 

彼は『崇高』を目指していない。

『崇高』を観測するのがあくまで目的だと。

これは彼女にとって朗報であった。

少なくとも直接彼が妨害してくる危険は減ったのだから。

 

そして『神秘の強化』。

これが1番彼女にとっての朗報であった。

 

計画の為に兵力を整えているとは言え、生徒を信じていない彼女の保険となりえた。

計画にはユスティナ信徒を顕現させるつもりなのだから。

それ程までに『神秘の強化』に関しては多少のコストを支払ってでも受けたい程に魅力的だった。

そして取引内容も此方に有利なものだ。

男が配慮したのか、彼女には興味はないが悪くない取引だ。

 

(悪くない取引です。しかし……)

 

ここで彼女の悪い点である『傲慢』が顔を覗かせた。

 

「失敗した時どう償うか考えているのですか?」と。

 

入ったばかりの新人に言う台詞ではないが、

反応次第では制御しやすくなると思って言い放った。

すると男は予想外にもこう返答した。

 

「考えてるともベアトリーチェ。もし何かの不手際があれば……この命をもって償おう。」と。

 

(今この男、何と……)

 

馬鹿げている。狂っている。理解を拒む。

自身の目的のために、あらゆる犠牲を払ってでも進む。

それが『ゲマトリア』だ。

 

自分が本心で生徒を心配してるとは思っていないはず。

男の考えは読めなかったが彼女にこの手に乗らない手は無かった。

期間は3ヶ月、はした金とはいえ資金も入る。

 

(いいでしょう。精々利用させてもらうだけです。)

 

少なくとも此方が被害を被ることはないだろう。

こうして取引は結ばれたのであった。

 

そして期限の半分で男は研究の成果を見せてきた。

彼女は純粋に貸し出した生徒がどれ程の成長を遂げたか興味があった。

 

(わざわざ戦闘力の1番低いチームⅤを当てたのです、折角なのでチームⅠと模擬戦してもらいましょうか。)

 

余興も兼ねてアリウス自治区の大人も集めつつ模擬戦を行った。

取引通り強くなっていれば良し、成果が無いとしても奴に強く条件をつけることが出来る。

そういった思惑で模擬戦は開催された。

結果はチームⅤが勝利した。それも圧勝という形で。

 

(……まさかここまでとは。)

 

「マダム、少しよろしいですか?」

「何です一体。」

「これをオー……取引先から結果が出たら渡すようにと。」

 

内容はこうだ。

 

・これから取引として彼女らを私の護衛として半永久的に派遣すること。

(貴重な研究の被検体である為。)

・見返りとして神名のカケラの提供を行う。

・使用方法は後ほど説明する。

 

悪いどころか破格の内容。

チームⅤに関しては惜しい気もするが計画時に招集すれば良いだけの話。

結果的に男との取引を継続することになった。

 

「つくづく忌々しい男……ですが利用価値がある内は使ってあげましょう。」

 

相変わらずいけ好かない奴だが能力は認める。

格下ではなく1人の協力者として接すると、ベアトリーチェは考えを改めた。

 

「そう、全ては私が『崇高』へ到達する為に。それが私の……大人の義務に繋がるのですから。」

 




ベアおばのホモ君へのスタンスは、油断のならない協力者という位置に落ち着きました。
先生よりマシですね。
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