Pythonの開発環境を用意しよう!(Mac)

この記事では、Progateのサイト上ではなく自分のPCでPythonのコードを実行する方法を紹介します。
一般的に、自分のPCで開発をする環境のことをローカル環境、開発する環境を用意することを環境構築と呼びます。 ローカル環境を構築することで、自分のPCさえあればいつでもどこでもPythonのコードを書き、自分の好きなプログラムを開発することが可能です。
この記事を読みながら実際に手を動かして、Pythonの開発環境を構築していきましょう!
◯ 必要なもの・知識
◯ インストールするバージョン
  • Python 3.10.4
この記事でインストールするバージョンは、Progateの演習で使っているバージョンと異なる場合がありますので、ご了承ください。
この記事はMacの方向けの内容です。Windowsをご利用の方はこちらの記事をご利用ください。

1. 環境構築を始める準備

まずは環境構築を始めるにあたって、必要なツールを用意しましょう。今回は「ターミナル」というツールを使用していきます。ターミナルとはコンピュータを操作するためのツールで、Progateの「Command Line 学習コース Ⅰ」などに取り組んだことがある人などはすでに知っているかと思います。
Macでは初期状態でターミナルがインストールされています。「Finder」を開き、「アプリケーション」の中にある「ユーティリティ」フォルダを開いてください。その中に「ターミナル」という項目がありますので、ダブルクリックで開いてみてください。
アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル
以下のような画面を開くことができましたでしょうか?(人によっては背景色などが異なるかもしれません)
ターミナルを開いたときの画面
ここからはこのターミナルを用いてPythonの環境構築を進めていきましょう。
実はmacOSによっては、標準でPythonがインストールされています。ですが、標準でインストールされているPythonは、ややバージョンが古いという問題があります。
※ バージョンとは
多くのプログラミング言語では「バージョン」と呼ばれる番号で状態を管理・更新しています。例えばProgateのPythonコースでは「3.5.2」というバージョンのPythonを使用しています。一般的に、数字が大きいほど最新のバージョンとなります。
では実際に、今あなたのMacにインストールされているPythonのバージョンを確認してみましょう。
ターミナルに以下のコマンドを入力し、「Enter」キーを押してください。
python --version
何か数字が表示されましたでしょうか?
数字が表示された方
「python --version」の実行結果
以下の画像では「2.7.10」と表示されていますが、多少数字が異なっていても問題ありません。いずれにしても一番最初の数字が「2」から始まっているかと思います。
Pythonのバージョンのうち、バージョンを表す数字が「2」から始まるものを「2系」と呼びます。現在、Pythonではバージョンが「3」から始まる「3系」と呼ばれるものも存在します。
Pythonの場合、「2系」と「3系」は異なっている部分が多く、コードの書き方も違います。Progateで学習した書き方は主に「3系」に対応していますので、特に理由がない場合には「3系」を利用するようにしましょう。
zsh: command not found: pythonと表示された方
Pythonがインストールされていないときの実行結果
ターミナルに zsh: command not found: python と表示された人はまだPythonがインストールされていませんので、これからインストールをしていきましょう。

それでは次の章から、「pyenv」というツールを用いて、「3系」のPythonをインストールする方法を順に学習していきます。
「pyenv」の特徴として、「複数のバージョンのPythonを管理できる」という点があります。これまでに見てきたように、Pythonにはいくつものバージョンがあります。今後Pythonでの開発を進めていく中で、異なるバージョンのPythonを使用したくなったり、複数のバージョンを用いる必要がでてくるでしょう。今後の開発を楽にするためにも、少し時間はかかりますが「pyenv」を用いた環境構築方法を学習していきましょう!

2. Homebrewのインストール

※ ここからの作業はインターネット通信を多く使用しますので、ネット環境の良い状態で進めてください。
これから「pyenv」(パイエンブ)というツールを用いてPythonをインストールする方法を紹介していきます。前の章でも解説したように、pyenvを用いることで複数のバージョンのPythonを簡単に管理することができます。
しかし、その「pyenv」をインストールするためには「Homebrew」(ホームブリュー)というツールを用意する必要があります。Homebrewについて詳しくは 公式サイト をご覧ください。
つまり、これから行うことを整理すると、
  • 「Homebrew」をインストールする
  • 「Homebrew」を用いて「pyenv」をインストールする
  • 「pyenv」を用いてPythonをインストールする
となります。
まずは「Homebrew」のインストールから始めてみましょう。最初に、すでにHomebrewがインストールされているかどうかを確認します。他の言語の環境構築などを行ったことがある場合には、すでにインストールされている可能性もあります。
ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
brew -v
ターミナルに zsh: command not found: brew と表示された人はまだHomebrewがインストールされていませんので、これからインストールをしていきましょう。
一方、zsh: command not found: brew とは表示されず、Homebrew 3.5.2(数字の部分は値が異なる場合があります)のように表示された場合はすでにHomebrewがインストールされています。この章はスキップして、次の「3. pyenvのインストール」に進みましょう。
Homebrewがインストールされていないときの実行結果
Homebrewをインストールするには、以下のコマンドをコピーしてターミナルで実行します。
※ 複数行で表示していますが全部で1行のコマンドですので、全てコピーして実行してください。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
途中でPCにログインする時に使用しているパスワードの入力も求められます。この画面ではキーボードを押しても何も表示されませんが、正常に入力されていますので落ち着いてパスワードを入力し、Enterキーを押してください。
パスワードの入力画面
インストールの途中で「Enterキー」を押すことを求められますので、その際はEnterを押しましょう。
この画面ではEnterキーを押す
しばらく時間がかかりますが、以下のような画面が表示されればインストール終了です。
Homebrewのインストール完了!
これでHomebrewのインストールができました。
M1搭載のMacの場合、さらに以下の2つのコマンドを実行してください。
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
続いて以下のコマンドを実行してください。
brew -v
Homebrew 3.5.2 のような文字が表示されたら、Homebrewは正常にインストールできています!

3. pyenvのインストール

次に、前の章で用意したHomebrewを用いて「pyenv」をインストールしていきましょう。こちらもまずはpyenvがインストールされていないことを確認してみます。以下のコマンドを実行してみてください。
pyenv -v
pyenvがインストールされていないときの実行結果
zsh: command not found: pyenv と表示された人はまだpyenvがインストールされていません。
一方、zsh: command not found: pyenv とは表示されず、pyenv 2.3.1(数字の部分は値が異なる場合があります)のように表示された場合はすでにpyenvがインストールされていますので、次の「4. Pythonのインストール」に進みましょう。
以下のコマンドをターミナルで実行して、pyenvをインストールしましょう。
brew install pyenv
以下のような画面が表示されればインストール完了です。
pyenvのインストール完了!
以下のコマンドを実行して、pyenvがインストールできたことを確認してみましょう。
pyenv -v
pyenvのバージョン確認
pyenv 2.3.1 のような文字が表示されればOKです!

次の章でpyenvを使用してPythonをインストールするのですが、その前にインストールしたpyenvの設定をしておきましょう。
次のコマンドを実行してください。 以下のコマンドを実行すると、pyenvの初期化の設定を.zshrcファイルに書き込むことができます。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.zshrc
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.zshrc
続いて次のコマンドを実行してください。 以下のコマンドを実行すると、.zshrcファイルの設定を反映させることができます。
source ~/.zshrc
これらのコマンドは、実行しても特に何も表示されません。
4つのコマンドを実行しましょう
これでpyenvの設定は完了です!

4. Pythonのインストール

では、インストールしたpyenvを用いてPythonをインストールしてみましょう。
最初にも紹介した通り、pyenvでは複数のバージョンのPythonを使用することができます。ではどのようなバージョンのPythonがインストールできるか確認してみましょう。以下のコマンドをターミナルで実行してみてください。
pyenv install --list
ものすごい量の文字が表示されたかと思います。ターミナルを上にスクロールすると、以下の画像のような、「3.6.5」のような数字から始まる箇所があります。
「pyenv install --list」の表示結果
ここに表示されているのは、現在インストールが可能なPythonのバージョンです。今回は比較的新しい「3.10.4」をインストールしてみましょう。
(もし「3.10.4」が表示されていない場合はインストールすることができません。その際は代わりに「3.10.0」などの表示されているバージョンをインストールしてみましょう。)
まず、以下のコマンドを実行して「3.10.4」のPythonをインストールしましょう。
pyenv install 3.10.4
しばらく時間がかかりますが、以下のような画面が表示されればインストール完了です。
インストール完了!
次に以下のコマンドを実行してみてください。
pyenv versions
このコマンドでは、現在インストールされているPythonを一覧で確認することができます。以下の画像のように、3.10.4 が表示されていれば、ちゃんとインストールできたことが確認できます。
「pyenv versions」の実行結果
ただ、まだこの状態では 3.10.4 を使用できません。Macに標準でインストールされているPythonがある場合、バージョンのPythonを使用してしまいますし、インストールされていない場合もまだ使用することができません。 以下のコマンドを実行することで、今回インストールしたバージョンのPythonを使用するように設定を変更しましょう。
pyenv global 3.10.4
これで 3.10.4 のPythonが使えるようになりました!以下のコマンドを実行して確認してみましょう。
python --version
バージョン確認 正しく設定ができていれば、3.10.4 と表示されたはずです。

これで最初の目的通り、「3系」のPythonを使えるようになりました!次の章では、自分のPCでPythonのコードを実行する方法を学習してみましょう。

5. Pythonのコードを実行する

それではPythonのコードを書いて、実行してみましょう。
デスクトップ上で右クリックをし、「新規フォルダ」を選択して「python_lesson」という名前のフォルダを作成してください。
デスクトップで右クリック
「python_lesson」というフォルダを作成
エディタで先程作成したフォルダ「python_lesson」を開き、その中に「script.py」ファイルを作成してください。
エディタでファイルを作成
作成した「script.py」にPythonのコードを書いていきましょう。今回はこちらでPythonのコードを用意しましたので、以下を貼り付けてください。
print('Hello, world!')
print(1 + 2)
ではこのコードの実行結果を確認してみましょう。Pythonのファイルを実行するにはターミナルを使用します。まず、以下のコマンドで作成したフォルダまで移動します。
cd ~/Desktop/python_lesson/
では、作成した「script.py」を実行してみましょう。Pythonファイルは、ターミナルで
python ファイル名
とすることで実行できます。今回は以下のようにファイル名を「script.py」として実行してみましょう。
python script.py
以下の画像のように、ターミナル上に「Hello, world!」と「3」が表示されましたか?
script.py の実行結果
これで自分のPCでPythonのコードを書き、実行する環境を整えることができました!

6. うまくいかない時のチェックリスト

うまくいかない場合は、以下のような間違いがないかチェックしてみましょう。
  • 記事で指定したコードが貼り付けられていない
  • 入力したファイル名やソースコードなどに誤字脱字がある
  • ファイルが保存されていない
  • 記事で指定している箇所にフォルダが配置されていない
  • コマンドの内容や実行している場所が違う
Pythonの環境構築、最後までお疲れ様でした!
今はまだpyenvで複数のバージョンが管理できるメリットが伝わりきっていないかもしれませんが、今後開発を進める中でその便利さに気づく日が来るはずです。
これから自分のPCでPythonのコードを書き、実行して、いろんなプログラムを作成してみてください!

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