恥を忍んで告白したい。イギリスを研究してかれこれ20年以上になるが、今日初めて英国旗が左右対称でないことに気がついた。これ、意外と難しくない?みないで描けといわれても多分描けないな。
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔
1,963 posts
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔
@MGULaw
Specialized in IR/Comparative European Politics. 都内の私大で国際関係論・比較政治を担当。主著は『EU政治論』(有斐閣ストゥディア,2020年)。
yuhikaku.co.jp/books/detail/9
researchmap.jp/daisuke_ikemotoJoined August 2021
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔’s posts
2週間キーウの大統領府に滞在した『タイム』誌の記者による、ゼレンスキー大統領のインタビュー。必読です。侵略開始直後、ロシアの空挺部隊は2度にわたって大統領とその家族のいる大統領府に迫り、際どい状況だったよう。建物の外で有名な動画を撮ったのはその後らしい。
国際政治学の授業の教材としてそのまま使えそうな演説。国際社会における「中立」の意味について教えられます。
(1)国際政治学を大学で教える中で薄々感じてはいたが、今回の戦争で「(欧)米こそ国際社会の問題の根源」という考え方が日本の一部に根強くあることを再認識した。「露によるウ侵略が国際法違反」という指摘をすると、「アメリカも〇〇では~」という反応がすぐに返って来るのはそのためだろう。
学会での「とんでも発表」についての議論がタイムラインで盛り上がっている。イギリス留学中に、日本人研究者が内容的にパッとせず、英語もよく分からない発表をしているのを聞いて、このあとどうなるかハラハラしたことがある。案の定、司会が「みなさんご質問は」と聞いても、何も質問はでない。
第二次世界大戦でイギリスを戦勝に導いたチャーチル首相に、ウクライナのゼレンスキー大統領を擬える声が結構あるよう。イギリス政治研究者として言わせてもらうと、今でこそ大政治家というイメージが定着しているが、チャーチルが首相になる前は色々とやらかしているのである(1/5)。
自国が攻撃された場合にどうするかは究極の選択であり、守るために武器をとるか、逃げるか、降伏するか、絶対の正解はないし各自の良心に委ねられるべきだと思う。私に理解できないのは、犠牲を減らすためと称して侵略された側にあれこれ指図する人。なんで侵略者に侵略を止めるよう言わないのか?
(1) 悪いのは侵略戦争であり、それに対する自衛や、国際社会による制裁(集団安全保障)は国際秩序を維持するために必要だと考える「正戦論」の立場と、あらゆる戦争を否定する「絶対的平和主義」との違いって、学部生向けの国際政治学で扱う基本的トピックなのだが。
英語圏の報道だと、ウクライナ人の多くが「自由」のために戦うと言っているように見受けられるのだが、日本の報道だとウクライナ人の「生活」や「日常」が脅かされているという表現が多いのが気になる。「生活」や「日常」はロシアの傀儡政権のもとでもあるだろうが、「自由」はないのでは。
Replying to
しかも司会の先生の専門は選挙研究、報告はナショナリズムについてで、完全に専門外だったはず。事前にペーパーを読んだ時点でこれは絶対に質問は出ないと予想して、十分に準備して臨んだんでしょうね。司会とはかくあるべきだと感銘を受けました。
いま友人が書いた本の原稿を読んでいて始めて知ったのだが、ヒトラーが1933年にドイツの首相に任命された時、英の『タイムズ』紙は一面で報道しなかったらしい。その時起きている出来事の重要性をわたしたちが即座に認識できるとは限らない、ということを改めて心に刻み込んでおこう。
第一次大戦後の平和が長続きしなかったのは、戦勝国が敗戦したドイツに厳しい内容のヴェルサイユ条約を押しつけたからで、それに対して第二次大戦後の平和が続いたのは敗戦国の扱いが寛大だったからという議論も聞くけど、これもよく考えてみると色々疑問が(1/5)。
岩間先生のメディアに関するツイートへの反応をみて思ったこと。この20年位で世界の先進国では急速な知識経済化が進んでいて、大学院に行く人の比率も高くなり、国全体の稼ぎ頭になっているんだけど、そのことに対する認識が日本では弱いんだなと。
Replying to
しかし凄かったのはここから。司会の先生が「それでは私から」と言って、「あなたの仰っしゃりたかったのは要はこういうことですね」と綺麗に発表を整理。その上で非常に答えやすい質問をしたので、みんな「そういうことか」という感じになり、そこそこ質問も出て、無事に終了した。
テレビでニュースを観ていると、知り合いがわんさか出てくるのだが、政治学者や国際政治学者が忙しい時代というのはとんでもない時代だということが、この5・6年で身にしみて分かった。危機だからこそ初めてわかることもあるが、もうそれも十分なので、暇で退屈な平和が早く戻って来て欲しい。
朝日新聞の国末さん、ロシア軍が撤退した地域に入った後、英語圏のメディアでもなかなかみかけない質の記事を続々と書かれています。狙撃を恐れたロシア軍が片っ端から高い建物を壊そうとしてマンションを砲撃し、多数の住民が生き埋めになったとのこと。
Quote
国末憲人 Kunisue Norito
@KunisueNorito
ロシア軍に指摘される数々の戦争犯罪行為の中でも、これほど残酷で物議を醸す例は少ないでしょう。キーウ北西ボロジャンカでマンションを砲撃し、多数の住民を生き埋めにした事件。なぜ起きたのか。ロシア軍は何をしていたのか。現地で探った拙稿ルポです。asahi.com/articles/ASQ4C #ウクライナ情勢
EU研究者として、今回のロシアによるウクライナ侵略とEUとの関わりについて、ポイントを書き留めておきたい。
(1) 露が軍事行動に踏み切る前は、仏独のような個々の加盟国による仲裁の試みはあっても、EUの共通外交政策での対応はあまりみられなかった。
(1)遅ればせながら、一部で話題になっている某映画監督の祝辞を読んだ。重要な論点を含んでいると思うので、以下コメントしたい。
各国のコロナ対策を振り返ってみると、中国は「戦闘に勝って戦争に負けた(Win the battle but lose the war)」という言葉がぴったり。個々の場面での封じ込めにはそこそこ成功したが、長期的な観点では失敗した。初期の成功神話に囚われて持続不可能な戦術にこだわったのは、権威主義体制の限界か。
アメリカが冷戦終結に際して旧ソ連とNATOを拡大しないと約束したのに、それを反古にしてNATOが東方拡大したことに、今回の事態の責任があるという見方がある。不拡大約束の有無について詳しく検討した本としては吉留公太『ドイツ統一とアメリカ外交』があり、NATO拡大の是非も色々議論されてきた。
キャメロン外相によると、イギリスはパレスチナの国家承認を検討しているとのこと。
Quote
BBC News (World)
@BBCWorld
UK considers recognising Palestine state, Lord Cameron says bbc.in/49eIlLQ
ポピュリズムの本で有名なモンク先生、オーストリアのテレビ番組に出演したら、他の出演者がウクライナは武器を置くべきと主張する平和主義者と、プーチンを挑発したウのネオナチが悪いと主張する元東独秘密警察の情報提供者だった、とショックを受けている様子。どこかで聞いたような話だ…。
Quote
Yascha Mounk
@Yascha_Mounk
Just debated Ukraine on a big German-language TV show. Other guests included:
* A "peace activist" who says Ukraine should have laid down arms, prompting Russia to do the same
* A former Stasi informant who blamed Ukrainian neo-Nazis for "provoking" Putin so badly he had to act
Replying to
第二次大戦が起きて首相になっていなかったら、チャーチルの政治家としての評価はとんでもなく低かったはず。まあ、ゼレンスキー大統領もロシアの侵略前はウクライナ国内で様々な評価があったようなので、それも込みでチャーチルと似ているのかもしれないが(5/5)。
FP誌でハーバード大学のウォルト教授が、ウクライナ危機を国際関係理論の観点から解説。ロシアの行為は野蛮で非合法だとしつつ、東欧諸国が自国の安全のためにとった行動(NATO加盟)が、ロシアにとっては脅威と映ったという「安全保障のディレンマ」によって説明可とのこと。
今回のG7首脳会合を仕切った人は相当な切れ者だと思う。ロシアの核使用に反対するメッセージを送る上で、広島以上にふさわしい場所はないし、慰霊碑への献花に誰も異論は挟めないだろう。さらにゼレンスキーも訪日するらしいし。
これは興味深い研究。イギリスの話ですが、エリート大学で悪い成績をとった学生よりも、普通の大学で良い成績をとった学生の方が高収入だとのこと。好成績が大きな収入増につながるのは、エリート大学の男子学生というどこかで聞いたような話も。
イギリスの次期首相を決める保守党党首選挙、日本でもインド系男性と白人女性の対決と報道されています。ただし、スナクもトラスも実はオックスフォード大PPE(哲学・政治学・経済学)卒業で、カレッジもリンカーンとマートンとなかなかの名門。そこで現地では、
Replying to
(5)最後に、「米こそ問題の根源」という議論は、国際秩序が米主導で形成されると考える点では覇権安定論と通底しており、「米がこうすれば問題解決」となりがち。そのため、問題の原因がアメリカの相対的なパワーの低下や国際的関与への意思の喪失にあることが見逃されてしまう。
Replying to
(3)まず、国家(同盟)間の対立という図式と、国際法上の議論とは、きちんと区別して考えないといけない。どちらの陣営の行為でも違法行為は違法行為としないと、国際社会は法のない、全くの無秩序状態になってしまう。
安保理でロシア非難の決議が採択されなかったからといって、国連が無意味なわけではない。国連は外交の「場」であって、各国から独立した世界「政府」じゃない。露と関係の深い中国もインドも棄権どまりで、露の孤立を示したことに大きな意味がある。そもそも露に対する軍事制裁はありえないわけで。
Replying to
ヴェルサイユ条約はドイツ人の民族自決を認めていなかった点では確かに厳しかったが、最近の研究ではドイツに課された賠償金が過大だったという説は否定されている。ケインズ『講和条約の経済的帰結』は流石にもう古い(2/5)。
Replying to
(2)その背後には「(欧)米対ロシア」とか「民主主義対権威主義」という図式がある。ロシアの行為を非難する人の間にもこの図式で物を考えていると思しき人は結構いる。しかし、国際関係はこのような単純な図式では捉えられない。
Replying to
(5)確かに戦争は常にエスカレートする危険があり、恐ろしいもの。しかし戦争に関与しないことが関与することより道徳的に「常に」優れていると考えるのは誤りではないだろうか。自らが行った悪に対して作為の責任を負うのは当然だが、他者の悪を止めない不作為の責任にも目配りが必要では。
Replying to
一次大戦をドイツとの停戦(armistice)という形で終わらせ、二次大戦の時のように無条件降伏を強いなかったことで、ドイツは戦場にならず、ドイツの右派に「われわれは戦場では負けなかった(が左派やユダヤ人の背後の一突きのせいで負けた)」と主張する余地を与えたという指摘もある(3/5)。
Replying to
ポーランドはそれによって新たに自国領になった地域に住んでいたドイツ系住民を追放し、最大で二百万人が亡くなったと言われる。ポにとっては自国領にドイツ系住民を残したことがヴェルサイユ体制の失敗だった。ドイツが東西に分断されたことも考えれば、とても寛大だったとは言えないのでは(5/5)。
Replying to
第一次世界大戦の時は海軍大臣を務めていたが、オスマン帝国がドイツ側で参戦してしまい、黒海経由でのロシアとの連絡路が途絶したので、ボスフォラス・ダーダネルス海峡一帯を占拠する上陸作戦を立案。しかしこれはオスマン帝国を軽く見た無謀な軍事作戦で、連合軍はガリポリの戦いで大敗(2/5)。
Replying to
(4)さらにこの図式では、米露両国が紛争をエスカレートさせないことに共通の利益を有している点が見逃されてしまう。利害の相違は、NATOの軍事介入を望むウクライナと、お互いが正面きって軍事衝突することを望まない米露両国との間にもある。小国と大国の対立と言ってもよい。
Replying to
チャーチルはしばらく雌伏の時を過ごすのだが、戦間期にボールドウィン内閣の蔵相になり、またまたやらかす。イギリスを1925年に戦前の金価格で国際金本位制に復帰させたため、国際競争力が低下し、翌年にはイギリス史上に名高いゼネストが起きて、結局31年には金本位制を離脱(4/5)。
Replying to
オーストラリア・ニュージーランド出身兵が多く亡くなったことで、二つの自治領のイギリス本国に対する不満を高めることになった。ちなみにこの時イギリスの作戦指揮に極めて批判的な報告を書き、名を馳せたオーストラリア人ジャーナリストがメディア王ルーパート・マードックの父ケイス(3/5)。
Replying to
(2) 「その国(ロシア)の正義がウクライナの正義とぶつかり合っている」「それを止めるためにどうすればよいのか」→露とウのそれぞれに正義があるとしても、異なる正義/価値観・利害を持つ当事者の共存を可能にするのが法であり、国際法に照らして露とウのどちらに非があるかはあきらか。
Replying to
(4) 変な言い方になるが、EUにここまでさせたプーチンは凄い。これだけ欧州統合を進めるのに貢献したのはジャック・ドロール以来ではないだろうか。
Replying to
(4)「悪を存在させることで安心していないか」「自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性がある」→自らが侵略者にならないよう気をつけるべき、というのは重要だが、それが侵略を受けた国を助けようとしない理由になるのか。
イギリスの次の首相を決める保守党党首選、上位4人に絞られました。性別は男1人に女性3人、エスニシティは白人2人、アジア系1人、アフリカ系1人で、白人男性が1人もいないことに時代の変化を感じます。
Replying to
(6)事実認識の問題として、今回の戦争への関与の程度にはグラデーションがあり、白か黒ではない。ウに軍事援助を与える国はあっても、参戦する国はない。どの国もルール違反を放置するコストと自国の様々な利害とを天秤にかけて悩んでいる。日本も含め、露を悪だとして安心している国などないのでは。
Replying to
二次大戦の方は、確かに米英両国の占領政策は比較的ドイツに対して寛大だったかもしれない。しかしフランスの戦後初期の政策は怪しいし、ソ連は現物賠償をとった上にドイツ東部国境を数百キロも西に移動させ、ドイツ領は縮小した(4/5)。
Replying to
(3)国際社会は無政府状態であり、法や秩序は希少だから、みんながコストを負担して守らなければ法も秩序もなくなってしまうというのが、現在の国際社会が立脚する集団安全保障の考え方。法や秩序の問題点を指摘するのは容易だが、それが存在しなければどのような世界になるのかも考えるべき。
Replying to
⑤今回の事態を民主主義国家と権威主義(専制)国家の対決とみるのは間違い。国際社会には様々な国があるが、その平和的共存のために最低限守らなければならないルールがあり、今回のロシアの行動はそれを踏みにじるもの。だから民主主義以外の国からも非難されている。
Replying to
(3) 他国の努力にただのりすることは許されないと考えるから。そうでないと結局誰も平和を維持するためのコストを負担せず、平和が維持できない。満州事変や、イタリアのエチオピア侵略に対して多くの国が制裁に消極的だったことが、国際連盟の権威を失墜させ、第二次世界大戦につながった。
Replying to
(2) しかしEUが対露制裁を決定する段階になると、積極的だったのは、(欧州経済共同体の設立など一部例外はあるが)これまで欧州統合を主導してきた仏独両国ではなく、中東欧や北欧の小国。内容的にも米英の制裁より厳しいほど。
Replying to
(2) それでもこんなに揉めるのは、やはり両者が似て非なるものだからなのだろう。第一次世界大戦以降の戦争違法化の流れの中で、国際社会の構成原理として採用されたのは正戦論の方。正戦論が侵略に対し国際社会が一致団結して制裁することを重視するのは、平和を維持する責任はあらゆる国にあって、
Replying to
(4) この立場からすると、絶対的平和主義は意図はともかく、平和のためのコストの負担を拒否する結果、逆に戦争につながりかねない。だから正戦論の支持者は絶対的平和主義を受け入れられない。
スコットランド女王メアリー1世が幽閉中に各国の要人に送った、暗号化された手紙が解読されたとのこと。解読チーム3人のうち1人は日本人のようです。
Replying to
(5) 次の注目点はウクライナの加盟申請をどう扱うか。リスボン条約に相互支援条項が盛り込まれた結果、(色々留保はついているが)今のEUは軍事同盟でもある。加盟はウがEU諸国の同盟国になることを意味する。
Replying to
「わが国は非常に多様なので、リンカーンPPEとマートンPPEの対決を多様性に富んでいるという」といった、皮肉っぽい意見もあるようです。
Replying to
(3) 危機こそが統合を進めるという議論はこれまでもあったが、EUがウクライナに対する軍事支援(その中に戦闘機も含まれる)を、しかもこれだけ迅速に決定できた、というのは凄い。
Replying to
軍の作戦については基本的に大統領は関与していないとか、開戦直後に逃げたスタッフが結構いたとか(多くは家族を逃したあと戻ってきたそう)、色々と興味深い情報が含まれています。
イートン校の批判なんて珍しくもないけど、と思いつつ読み進んだら、最後に投稿者の経歴をみてビックリ。イートン校の元校長が「私はボリス・ジョンソンのような生徒たちに、特権意識をもたせないようにするのに失敗した」と。