ようこそ!マイホームタウン 木根尚登 × 立川

2019年3月1日 09時00分
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今月の街先案内人

今回のゲストはミュージシャンの木根尚登さん。TMネットワーク結成前に盟友・宇都宮隆さんと二人で活動していた立川で、当時のエピソードや今後の展望を語っていただきました。

シンガーソングライターの活躍に憧れた少年時代。

 80年代の邦楽業界に旋風を巻き起こしたTMネットワークのメンバーとして知られる木根尚登さん。ミュージシャンとしての活動のほか、作家としての顔ももち、近年は劇団を立ち上げるなど、ますます意欲的に活動をされている木根さんに、思い出の地、立川でお話を伺います。
そもそも、この業界を目指したきっかけは何だったのでしょうか?
 「僕が中学生のころ、70年代はシンガーソングライターと呼ばれる人たちが活躍し始めたころなんです。ボブ・ディランのように、自分で作った曲を自分で演奏しながら歌う姿にとても憧れていました。姿といっても、実際はラジオから聞こえてくる曲越しに想像しているわけですけど(笑)。中学1年の段階で、“将来の夢”にミュージシャンと書いていたのは鮮明に覚えているんです。そして翌年には、独学でギターやピアノを弾くようになって、作曲も始めていますから、かなり早い段階でなろうとしていたんでしょうね。」

改装されているものの、当時の面影を色濃く残す市民会館を訪ね、様々な思い出が蘇る。

これまでキャリアを重ねてきたなかで、何かターニングポイントとなることはありましたか?
 「それはやっぱり小室くんとの出会いでしょうね。実は15〜22歳までの7年間、それまで幼馴染の宇都宮くんと活動していて、全然売れなかったんです。手を変え品を変え、“ゆず”っぽいことをしたり、“ツイスト”っぽくしてみたり、“ゴダイゴ”っぽくしたり。音楽性だけでなく、衣装も雰囲気も変えたりと、イロイロやり尽くした感がありました。それは小室くんも同じだったようで、それなら一緒にやってみないか?と声をかけてくれたのが始まり。でも、当時の小室くんはELPのようなプログレが好きで、僕は吉田拓郎のようなフォーク、宇都宮くんはロッド・スチュワートでロックが好き。全然音楽性の違う3人で、何がやれるんだろう?という気持ちがあったのも確かです(笑)。
 それでも小室くんの先を見る目というか、考え方なんかに触れているうちに、ヤレる気持ちが高まっていきました。結果として、TMネットワークは成功できたので、彼と出会っていなかったら、今もミュージシャンを続けられていたかわからないですよね。」

立川で盟友・宇都宮隆さんと過ごした濃密な時間は、ミュージシャン木根尚登の根幹を作り出した。

演奏技術に優れたテクニシャンではないので、“曲作り”に全力を注いでいるんです。

普段お仕事をされるなかで、心がけていることなどはありますか?
「僕はギターがすごく上手いとか、ピアノの超絶テクニックを持っているわけでもありません。そんな僕がミュージシャンとしてやってこれたのは、やっぱり曲が作れたから。とはいえ小室くんのようにいろんなジャンルをこなせるわけでなく、自分のルーツであるフォークよりのバラードを得意としています。TM時代によく『極上のバラードを頼むよ』とか言われていましたけど、そんな簡単にできるか!と思いますよね。それでも“できない”といってしまったら、自分の存在価値がなくなってしまうと思ったので、それこそ必死で向き合ってきました。今もバラードだけは誰にも負けたくないという意識はもっていますね。

昔に比べて様変わりした街並みに、寂しさよりも嬉しさが勝つのだとういう。

 実は僕の初舞台は、この立川市市民会館なんです。宇都宮くんと二人で活動していた時期に、ここの小ホールで、全曲オリジナルナンバーのステージ。手続きから集客まで、全て自分たちで行ったので、ものすごく印象に残っています。音楽でお金をいただいたという意味でいうと、プロとしてのスタートラインといえるかもしれません。
  TM時代にもツアーのなかに、立川市市民会館を入れたこともあります。当時のマネージャーが僕と宇都宮くんの同級だったので、小室くんには申し訳ないけど、凱旋公演的な気分でやらせていただきました。
 こうやって書くと、すごく偉そうに聞こえますけど、実はこのホールは客席から観る機会の方が圧倒的に多かったんです(笑)。当時、かぐや姫やガロ、それにARBがアレキサンダー・ラグタイム・バンドと名乗っていたときに、このホールで鑑賞しています。

ビートルズのアビイ・ロード風に一枚パチリ。被写体がミュージシャンだと様になるのです。

今後の展望や目標のようなものがあったら、教えていただけますか?
 「僕は幸いなことに、物書きとしても経験を積ませていただきましたし、役者として舞台に立たせていただいたご縁で劇団を立ち上げたりと、多方面で活動する場を得ました。そのなかで、いつかは原作、脚本、音楽、出演とすべてを自分で行う作品を仕上げてみたいんです。
 映画のように大掛かりなものではなく、小さい小屋でやる舞台で構わないので、自分の集大成としての作品をひとつでも作ることができたら嬉しいですよね。」

変わった街並みをしみじみと眺めながらお散歩中。「昔の立川もいいけど、今の立川も最高だよね」

様々な困難を乗り越えた末に辿り着いた“平和”な街並み。

木根尚登さんにとって、「立川」とはどんな存在なのでしょうか?
「僕が生まれ育った街ですけど、当時の立川はまさに米軍基地の街というイメージが強かったんです。とくに70年代はベトナム戦争への、反戦意識が高まっていた時期です。さらに遡れば、立川飛行場や軍事施設が多くあったため、太平洋戦争時にはひどい空襲も受けています。
 基地の跡地は国営昭和記念公園や、立川広域防災基地へと姿を変えて、防災都市としての道を歩み始めたのが80年代。モノレールが通ったり、駅前が再開発されて街並みもずいぶん様変わりしました。
 今の若い人たちに立川のイメージを尋ねてみると、“キレイな街”とか“子育てしやすそうな街”という答えが返ってくるんですけど、僕はそれが誇らしいというか、嬉しい気持ちになるんです。都心の繁華街のように個性的な街並みではないかもしれませんが、とても平和な風景が広がっていますよね。さまざまな苦労を乗り越えてきて、ようやく辿り着いた平和な街並みですから、そこで育った僕としてはとても感慨深いものがあります。
 ここは、過去を乗り越えた、新しい“これからの未来”を見せてくれる街です。そういう時代背景を踏まえて訪れていただければ、きっとその素晴らしさが伝わると思いますので、ぜひ遊びにきてください。」
写真:ボクダ茂
衣装協力 VOGUISH
【協力店】ルミネエスト新宿店 tel : 03-3354-1308
・デニムフードコート 26,800円+税
・デニムシャツ 16,800円+税
・インディゴヘンリーネックTシャツ 8,800円+税
・ダメージジーンズ 17,800円+税
・デニムハイカットスニーカー 17,800円+税

◇立川図鑑 木根さんオススメスポット

1)イタリアンレストラン トスカーナ
創業50年以上の老舗イタリアン。まだ立川に米軍基地があった頃、基地に勤めていたオーナーが、米軍の方にも喜ばれるようなリーズナブルでボリュームのある料理を作ったのが始まりです。バンド時代の打ち上げは、決まってこのお店。
東京都立川市錦町1-4-7 047-524-1289
■関連リンク https://toscana-tachikawa.owst.jp/
2)たましん RISURUホール(立川市市民会館)
宇都宮くんと初めてコンサートをした所縁のある場所。当時は立川市市民会館という名称でしたが、全面改装の際に新たな愛称がつきました。現在でも数々の著名なアーティストのコンサートを行っています。
東京都立川市錦町3-3-20 042-526-1311 12:00~22:00(日・月・祝日定休)
■関連リンク https://risuru.hall-info.jp/
3)立川まんがぱーく
立川市庁舎の移転後、老朽化していた旧庁舎に耐震工事を施し、大規模な改修工事で、「こども未来センター」として新しく設立されました。漫画やアニメ作品の舞台ともなっており、今では多くの方々に親しまれています。
東京都立川市錦町3-2-26 こども未来センター
■関連リンク https://mangapark.jp/
4)根川緑道
立川市の南端部、立川市柴崎市民体育館近くに根川緑道には、桜並木があり、地元の住民の憩いのスポットとして人気を博します。根川緑道の西に隣接する「残堀川」の河岸にも桜並木があり、併せて散策を楽しむのがオススメです。今年のお花見スポットとしていかがですか?
東京都立川市錦町付近

◇PROFILE
木根尚登(きね なおと) 1957年9月26日生まれ。東京都出身。
1983年に小室哲哉・宇都宮隆とTM NETWORKを結成。
翌年にアルバム「RAINBOW RAINBOW」でEPICソニーよりデビューを果たす。1987年にはシングル「Self Control」「Get Wild」などのヒットで一躍人気バンドとなる。
1989年にファンタジー小説「CAROL」で小説家デビュー。40万部を越すヒット作となる。
現在はミュージシャンとしての活動のみならず、アーチストのプロデュースや、ラジオ出演、劇団を立ち上げ演劇方面での活動と幅広く活躍中。

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