「ねえねえ、ゆきよさん。」
――なによ。
「でんぱ組って、どうよ。」
――……たらおまで、そういうこと、言う!?
「えっ……。」
――そう訊かれることが数回あったんですよ、今年前半。話題なのねえ。
「……で? どう思ってるの?」
――最上もが、っていう金髪ショートカットの子は、超カワイイ!
「あー、スタイルいいよね。」
――本当にカワイイ! 女の人が好きな女の子のルックス! 正直、モデル系! なんだけど、LIVE動画見たら、全然歌が歌えてなくて、びっくりした! 声がへな~っとしてる。脱力~っというか。でんぱ組って歌上手い人もいるから、バランスがすごく悪い。
「天は二物を与えないのねえ…。」
――なので、もがちゃんのルックスのファンです。
ヤングアニマル 2013年 3/8号 [雑誌]/白泉社
「グループ自体は…?」
――プロデューサーの「もふくちゃん」さんの作品だと思って見てますよ。大きい意味での現代アートだと。
「げ、げんだいあーと…?」
――思うんだけど、現代アートの人って、一般人が何かやって「アートです」って言うと「わかってない!」ってスグ腹立てるくせに、自分が異業種に参入することには、躊躇ないよね。
音楽やったり、映画やったり、さ。それ、全然別のリングなのにね。
「アートの人、嫌いなの…?」
――好きな人も、嫌いな人もいます、普通です。友人もいますが、もれなくみんな、面倒くさいです。
「ゆきよさんも、めんどうくさいじゃない…。」
――でんぱ組、いい作曲家陣をむかえたり、挑発的な曲書いてきたり、「わー勝負かけてるなあ」と思うけど、いいポップソングだと感じられないんだよね…。どこかに暗さがある。
「暗いかなあ?」
――今年、「マイナスからのスタート、舐めんな!」をキャッチコピーにしたじゃない。メンバーはみんなそうなんです、っていうのが売りなんだけど、これ、誰にも当てはまる言葉なんだよね。生まれた時から美形で金持ちでいい家族持ってる人、でもない限り。
若くて可愛くてアイドルやってる女の子に、こんなこと言われても、説得力ないよね。私のほうが不幸だもんなー絶対。でも結構感動してる人が多くて、びっくりしたよ。
……私が、楽曲派だからかなあ。楽曲派でもないな、作詞作曲者も重んじないから。音源しか信用してないから、音源派だな。
音源派としては、いいポップソングを出してくれるまで、何も興味がない。
それとめぐり合うのは運だし、いい曲であっても売れるとは限らないけど。
「ハードル高いよ。」
――あんなにあんなに、青春切り売りをして、死ぬほど働いてるももクロだって、去年リリースした曲の中で、ラブ・マシーン的な曲とは出会えなかった。作曲陣、良かったのに。
「だから、運でしょ?」
――でも、音楽好きな人にしか、その幸運は舞い降りて来ないと思うのよね。
ももクロも、でんぱ組も、音楽じゃない「何か」がメインでしょ。
「そうなのかな。」
――ケレン味って必要だと思うんだけど、ケレン味のみの表現って、やっぱりキビシイよ。
私の一番私の好みは、ケレン味+良質なポップス。
ガールポップはそういう作品が多いので、ガールポップが好きなんだよう…。
「つまり、でんぱ組は…。」
――ん? いい曲さえ降りてくれば、ファンになれるよ。
私はアイドルブームには全く乗れてないけど、基本的には、曲さえ好みだったら買うし、応援するよ。ライブも行ってみたいな、と思う。ごく普通ですよ。
でもユニゾンで歌う部分のバランスが、アニメ声寄りなのがなあ…。生理的にダメな人が多いのよね。
私の友人が、おしゃれカフェのイベントで、でんぱ組の小沢健二カヴァー『強い気持ち・強い愛』をかけたら、ざざざーっと空気が引いたからね。30代のおしゃれなお客さんたちが。あれ、普通の女性ボーカルのカヴァーだったら、あんな拒否反応はなかったと思うのよね。
まあ、そのCDをDJに貸したの、私なんだけどね。
「でんぱ組、買ってるやん!!」
――フリッパーズ・ギターファンとしては、押さえで買っておくでしょ! もうこれは仕方ないの! ノーカウント!
でんぱ組のメンバー、夢眠ねむさんのシングルの、ドリアンさんMIX。原曲はそうでもないんですが、これはカッコイイ。というか、この人は、もしグループやめても、サブカルミューズとして、たくましく生きていくんだろうな…。