テラリア転生者が次はグラブルに転移した話RE   作:なかえもん

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この2週間で仕事と古戦場と冠位戴冠戦と小説の両立をしようとしましたが無理でした。

ちなみに今回の話は1週間近く投稿するかどうかすごい迷いました。
今でも投稿してもいいのかな…と思っています。


言語喪失と幻覚作用付き栄養剤

sideケイン

 

ある日の深夜、普段から寝なくても別に問題ない俺は今日もファスティバさんのとこにお世話になりに行こうかな、と思ってグランサイファーの廊下を歩いていた。

ファスティバさんはグランサイファーの副料理室で夜に夜食をくれたり話し相手になってくれる包容力があるドラフの漢女の方である。

 

 

そんな深夜の暗い廊下を歩いていくと……物音がした、廊下の奥にナニカがいる。

 

なんだ?まず、シェルフォンが反応してない以上敵ではない。

こんな夜中に廊下にいそうなのは…フェリちゃんの動物たちとか?

この世界の幽霊達は変にアグレッシブなので夜でもドッタンバッタン大騒ぎなんて全然ある話である。

 

廊下の奥にいたナニカを見に行くと…思わず絶句してしまった。

 

そこに居たのは…人間としての基本である二足歩行を忘れ、四足歩行のまま笑顔になっているルナールだった。

 

「うほほ〜〜!」

 

「………」

 

マジで何があったんだこれ…。

テラリアの世界でも幽霊だの悪霊だのポルターガイストだのと対峙してきたが、そいつらよりもある意味怖いのが俺の目の前にいる。

比較的ルナールとはかなり良好な関係を築けていて、タメ口で話せるほどの仲だがこういう時どう声をかければいいんだ?

 

「うほ?……はっ!?なんでこんなとこにゴリラが!?」

 

「そんな……まさか幻覚症状?」

 

ルナールは俺を見ながら変なことを抜かす。

すぐにグランに相談して近くの島の医者に見せた方がいいのかもしれない。

そんなことを思っているとルナールの後ろから十二神将の一人、マキラちゃんが現れた。どうやらルナールを探していたらしく。ルナールを見つけると駆け寄ってきた。

 

「うほ〜うほほ〜うほ!うほほほほ!」

 

「そんなマキラちゃんまで…。」

 

もっとも、ゴリラ語しか話せない体になっていたが…。

 

マキラちゃんが俺になにかを語りかけているがごめんね、ゴリラ語は分からないんだ、俺。

 

「まあいいわ来て!今はゴリラの手も借りたいの!」

 

「それって結構頼りにしてない?大丈夫?俺なんかの手で。」

 

俺の手はゴリラの手じゃなくて猫の手だぞ。実際の猫の手という意味ではなく役に立たない手って意味ね。

 

「お願い手伝って!このままじゃ見本市に間に合わないの!もう入稿まであと3日しかないのよ!!次の島に着いたらすぐに印刷所に行かないとヤバイの!!」

 

「わ、わかった、わかったから俺の足にしがみつくの辞めようか?」

 

気迫だけで言ったら血涙を流してそうなくらい必死に頼み込んできた。思わず了承してしまったが俺って耽美絵…もとい同人誌なんて作ったことないけど大丈夫か?

 

ルナールについて行き、部屋に入るとそこにはメリッサベルさんとミラオルさん、普段から噛まないように注意してるザーリリャオーさんがいた。

なお、全員ハーヴィンの女性である。一気にこの空間に居ずらくなったな…。

 

「ルナール、脱走したけど戻ってきたわね。」

 

「あら、ゴリラが1匹…手伝いに来てくれたのね。」

 

「少し大きめなゴリラですね!増援ですか!?もしそうなら助かります!」

 

「そんな…集団幻覚?危ない薬とかやったのか…?」

 

普段から真面目なミラオルさんまで俺の事をゴリラとしか認識してない…。

 

「安心して、私はゴリラに見えてないから。」

 

「メリッサベルさん…!!」

 

よかった、まともな人がいた…。

何故か普段のロングヘアーが某全てを投げ出した12歳のハンターみたいにまっすぐ逆立っているが、幻覚を見ている周りに比べれば誤差………うん、誤差みたいなものである。

 

「で、その……なんでこんなことに?」

 

「愛用の栄養剤のお陰、これ。」

 

そう言って見せてくれたのはハンサム・ゴリラと書かれた栄養剤だった。

 

「…合法ですか?」

 

「シェロも愛用の1品、もちろん合法。これで24時間戦える。副作用として体が慣れるまでゴリラ語しか話せなくなるのと人が全員ゴリラに見えるようになる。」

 

「副作用致命的すぎません?それはそうとして1本余ってます?」

 

材料がとても気になる栄養剤だが、抗いがたい魅力に襲われたので余った1本を貰う。

後でこっそり飲んでみよっと。

 

「それで…ルナールに泣きつかれたから来たんですけど何すればいいんですか?」

 

ドラミングまでし始めたルナールを見ながら唯一マトモなメリッサベルさんに聞く。

 

「そしたらルナールの原稿のセリフの読み上げしてもらってもいい?あとは作業に集中できるようにいくつかお願い事もするかも。」

 

「わかりました。どこまで原稿は出来上がってるんですか?」

 

「ちょっと今のペースだと間に合わないくらいにはギリギリ。」

 

「うほっ!?」

 

「ほら、ルナールもいい加減悲しみのドラミングはやめよ?」

 

悲しみのドラミング……ドラミングで感情表現を伝えるって話を聞いたことあるけど、さっきまでのはもしかして悲しみを表現してたのか?

 

「うう…だってぇ…もうダメよわだじはダメ人間よ…もう筆がうごがないの〜。」

 

22歳ガチ泣きである。

 

ここまで追い詰められてるなら俺も女性ばっかで気まずいとか言ってる場合じゃないな。

 

すぐにこの前カリオストロにやったようにパパっと紅茶を入れるとルナールの原稿を取る。

とりあえずザーリリャオーさんと一緒に原稿を読み上げてみる。普段ならザーリリャオーさんとオラクルさんが読み上げているらしいが、今回はオラクルさんは原稿の染料を塗るのに集中してもらっている。

 

さて、登場人物でもあり今回の主役でもあるポポルとマキリ、それぞれザーリリャオーさんがポポル、俺がマキリのセリフを言う。

 

『僕の名前はポポル。気ままに世界をさすらう旅人さ。』

 

『へぇ。俺はマキリ。面白い身なりだな。あんた、どこの島出身だ?』

 

「グッがはぁ!?」

 

『…愛とはなんなのだろう。』

 

『愛なんて、詩人が勝手に名付けた幻さ。』

 

「あぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「OK1回やめようか!?」

 

ルナールが血反吐を吐いたりのたうち回っているのでストップをかける。

恥ずかしい気持ちはわかるけど俺も結構このセリフ読むの恥ずいんだぞー。

 

その後もページをめくりながら二人でセリフを読み上げるが、最後の5ページだけ真っ白なページだった。

 

「…俺あんまりこういうの詳しくないけどさ、5ページを3日って出来るのか?」

 

「出来る出来ないじゃないの、やるのよ!」

 

一昔前のパワハラ上司みたいなことを言い始めたルナール。

 

「問題はここの告白シーンよ。ここをどうするかまだ決めれてないの!」

 

「よりによっていちばん大切なシーンなのよね…。」

 

「そうね。こればっかりはゴリラになっても出来ない問題だわ。」

 

メリッサベルさんとミラオルさんがそう呟くが逆に他の作業はゴリラになっても出来るんだ、と思わずにはいられなかった。

 

「うぐぐ…同じ男性としてなにかこう…ロマンチックな告白したりとかないの?」

 

「俺の経験談を聞きたいなら答えるけどそういうことをしたことは無い。」

 

「役に立たないわね!」

 

「ははは、ところでルナール。ここに俺の故郷の不思議な時計があってな。使うと次の日の朝と夜になるまで時間を加速させる時計でな、上手く使えば2日は丸々スキップ出来るぞ。」

 

「ごめんなさい!!」

 

"魔法の日時計"と"魔法の月時計"、それぞれ次の朝と次の夜になるまで急速に時間を加速させる時計だ。

納期が3日?もっと短くすることも出来るぞ。

出来る出来ないじゃなくてやるんだろ?ほな納期1日で頑張ってもろて…。

 

土下座するルナールを横目に本気で告白シーンをどうするか考える。

 

「…ちなみに、女性陣はこう、ロマンチックな告白の経験とかないのか?」

 

「告白自体はされたことあるわよ。私の髪を見ながらされたから断ったけど。」

 

「「「「………」」」」

 

メリッサベルさんは告白されたことあると言っているが髪を見ながら言ってる時点でなぁ…。

メリッサベルさんの髪はこの世のあるとあらゆる幸福を手に入れることが出来る力が宿っている、と言われており。

そのほぼ噂でしかない話を聞きつけて多くの人から髪を狙われたらしい。

寝込みを襲われる、ハニトラ紛いのことをされる、挙句の果てには目隠しをされ手足を縛られた上でハサミで無理矢理切られそうになったらしい。

 

これ以上闇が出る前に話を終わらせる。

というかこの団の人達って、重い過去の人多すぎない?もはや全員闇属性だろ…。

 

「うぐぐ、こうなったらインスピレーションを頼りにするしかないわ!」

 

「それ頼りにするものじゃないわよ!?」

 

「あくまでひらめきであってひらめきだけで同人誌は作れないような…。」

 

なんかやけくそになってない?と思いつつもあくまで話を考えるのはルナールである。

 

「うぐぐ…ケイン!あなた誰か1人ちょっとイケメンな男性の人を連れてきて!」

 

「え、」

 

「こうなったら実際に男同士のやり取りをみながら書くしかないわ!」

 

「うほほー!」

 

それだ!とでも言いたげにマキラちゃんもゴリラ語で話してくるが…どうしよう。

こういう困った時は頼めば大体のことはやってくれるお人好しことグランに頼むんだが、ここ最近またなにか騒動に巻き込まれてるみたいで頼みにくいんだよな…。

ぐっ、誰かいるか。イケメンでなおかつ耽美絵のためにセリフを読み上げてくれそうな人は…。

 

……1人だけ、もしかしたら物で釣れるかも知れない。

本人はこういうの嫌がるかもしれないけど、なんとか説得しよう。

 

「明日、連れてくるから待ってて。」

 

「頼むわよ…これで書けるはず!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

「ということで、ユーステスさんを連れてきたよ。」

 

「短い間だがよろしく頼む。」

 

「ケインちょっとこっち来なさい。」

 

ルナールに呼ばれたので部屋の隅までついて行くと脛を思いっきり蹴られた後、痛みでしゃがんだ俺の首元を掴んで揺らし始めた。

 

「ちょっとーーー!?なんで耽美絵に微塵も興味無さそうな上に怖そうな人を呼んでくるのよー!?」

 

小声で怒鳴るって器用なことするなこいつ。

 

「そうは言っても…イケメンでなおかつ手伝ってくれるアテがあった人だし…。」

 

俺が呼んだユーステスさんは組織の一員の褐色肌の銀髪イケメンエルーンである。

ちなみにエルーンの例に漏れず背中が丸見えの服を着ている。

平穏と静寂が好きなこの人でも背中を出さずにはいられないらしい。

 

「だ、大丈夫よね?変なセリフ言わせようとした瞬間撃たれたりしないわよね?」

 

「……大丈夫でしょ。」

 

「なんでそこで言い淀むのよー!!!!」

 

「大丈夫大丈夫。いざとなったら即死は回避できるように盾を持っとくから。」

 

「撃たれたくないの!そもそも!!」

 

一応撃たれそうになったらすぐ庇うから…そうルナールに言い聞かせてさっそくユーステスさんに原稿を渡す。

 

「……なんだ。これは。」

 

「とりあえず、これを朗読しながらルナールのインスピレーションが来るのを待ちます。」

 

「ああ、同人誌と言うやつか。何度か目にしたことはあるが…。」

 

「え!?ユーステスさんも同人誌を読むんですか!?」

 

ルナールが思わず驚愕しながらそうユーステスさんに尋ねる。

というかルナールだけじゃなくてここに居る全員がえ!?って驚きながらユーステスさんを見てるけど。

正直こういうのにあんまり興味無いと思ってたから…。

 

「いや、読んだことはないが。組織の指令で何度か書物見本市で書物を買ったことがある。俺もなぜその書物が必要なのか考えたことがなかったが…。組織のことだ、きっとなにか深い意味があるのだろう。」

 

((((絶対そんなことないと思う…))))

 

普通に同人誌が欲しかっただけなんじゃないかな……ま、まあいいや。期間もギリギリだしさっそく朗読していかなきゃ。

今回は俺がポポル、ユーステスさんがマキリのセリフを言う。

 

「『マキリ…君と言う奴は。いつも僕を振り回す…。』」

 

「『けど、お前は付いてきてくれるだろ?俺のことが大好きなんだからよ。』」

 

「『…まったく。たまには僕のことも労わって欲しいものだよ。』」

 

「『わかってるさ。……で、どうして欲しいんだ?俺に。』」

 

「キタキタキタ!!!インスピレーションドバドバよ!!」

 

ボーナスタイムに入ったルナールがシュパパと下書きを書いていく。

 

「おーい、顔を似せるのだけはやめてくれよ?ユーステスさんが仕事で困るだろうし。」

 

一応秘密組織に所属している人である。あんまり顔が広まるのも嫌だろうしそこだけは注意してもらわなきゃ。

 

「……やはり、こういうのは俺に合わない。」

 

「まあユーステスさんが苦手なことを頼んでるのはわかってるんですけど…これあげるんでもう少しだけ付き合って貰ってもいいですか?」

 

「ぐっ、まあいいだろう。だがこれっきりだ。」

 

「うん。分かってます。」

 

ちなみにユーステスさんは普通に頼んでも断られそうだから、今回は物で釣った。

"犬笛"と言うペット召喚アイテム。呼び出す生き物は子犬だ。

 

ユーステスさんは大の犬好きだが、悲しいことに本人はあまり犬に好かれないという欠点がある。

だからこそ、このアイテムならきっとユーステスさんも欲しがるかなーと思った。

そもそもユーステスさんが懐かれない理由は仏頂面のせいで怖い雰囲気があるからなのだが、この子犬はそれくらいじゃビビらない。

というかテラリアの全生物見てもビビらないしどれだけ変な格好をしてても着いてきてくれる。

 

ということでこの犬笛をあげる代わりにユーステスさんに手伝ってもらっているが…

 

「うぐぐ…なんというか…マキリのセリフが私の中で納得いかない…。」

 

「ちょっとルナール!?まさか今からセリフ全て書き直す気!?」

 

「うっ…けど、このままだとこの前書いたやつと対して変わらない気がするの。」

 

「ルナール……私はルナールがやりたいことを応援するし、手伝う。」

 

「メリッサ……」

 

「うほ!うほほほ!うほ〜!!」

 

「マキラ……」

 

「ケイン、なんでルナールとマキラは会話が成立しているんだ?」

 

「俺もわからないです。」

 

「あーもう!わかったわよ。こうなったらヤケよ!」

 

「私も最後まで付き合います!必ず仕上げましょう!みんなで!」

 

「ミラさん…リャオさん…」

 

「みんなで一致団結してるとこ悪いけど…今時刻はお昼時、あと1日と数時間しか時間ないぞ。」

 

「行くわよみんなー!」

 

そうして必死にみんなで原稿を作成する。

どうにか夜までに大まかに完成したのだが…。

 

「ダメ…やっぱり告白のシーンだけ思いつかない…!!」

 

「よりによって1番力になれないところだ…」

 

うーん、なにかいい案は……そうやって考えながら偶然、犬笛を渡したことで見事なアルカイックスマイルを顔に浮かべながら子犬を撫でているユーステスさんを見ていた。

 

「ふふ…可愛いやつだ。お前は…。」

 

ユーステスさん普段寡黙なのに犬にはめちゃくちゃ話しかけるタイプなんだ…。

それを見たルナールが閃いた!とでも言いたげに提案してきた。

 

「そうよ!ユーステスさん、ポポル…改めてケインを子犬だと思って話しかければいいセリフが仕上がるわ!」

 

「断固として拒否する。犬と人間は違う。」

 

鉄壁の意思で断るユーステスさん…本当ならここで諦めるべきなんだろうけど、締切まで時間が無いのでこの案を無理矢理通す。

丁度夜になってくれてよかった、今なら変身できる。

 

"ムーンチャーム"の効果、普段は見た目を切っているが、今回だけは切るのをやめる。

すると俺の顔から茶色の毛が生えてくる、爪も鋭く長くなっていき、牙が生えながら顔が狼になっていく。

普段の黒い目は赤くなり、犬耳まで生えた。

 

ムーンチャームの効果は夜の間にワーウルフに変身すると言うものだ。

ちなみにウェアウルフが本来読み方としては正しいらしいけど、この世界だとワーウルフで通っているのでワーウルフと俺も呼ぶことにしてる。

 

「え!?わ、ワーウルフ!?」

 

「人間からワーウルフになるなんて聞いたことないわ…」

 

「まあこの団にもウーフさんしかいないもんね、ワーウルフ。」

 

ふと、ユーステスさんを見ると絶句している。

やっぱり、急に人がワーウルフになっているのを見てビックリしたのかな、しかもワーウルフってあんまりいい印象を持たれてないみたいなんだよなぁ…。

 

「犬人間…?」

 

「え?」

 

「ここにも犬人間がいたのか…っ!!」

 

「あのユーステスさん?一応ワーウルフだから狼ですよ?」

 

「狼はイヌ科だから犬だ。」

 

「その理論だとゴリラは人じゃねーか。」

 

「え?ゴリラも人もほぼ同じじゃない?」

 

「しまった…ここにはハンサム・ゴリラ(幻覚剤)キメてる人がいるんだった…」

 

俺に味方が居ないのに絶望していると、ユーステスさんはワーウルフになった俺の頭を撫で始めた、

 

「ちょっとユーステスさん?見た目はワーウルフとは言え中身は人間なんですけど?」

 

「俺を怖がらない犬…やはりいいな。犬は。」

 

「ダメだ。この人もう俺のことを犬としか思ってない…。」

 

「ケインそのままでお願い!閃めいたわ!」

 

絶対このタイミングで閃いたってろくな予感しないんだけど…。

 

「よしこれなら…ああだめ!時間が足りないわ!」

 

「こうなったらルナール、ハンサム・ゴリラTAを使うしかないわ!」

 

「ダメ!TAでも足りないわ!こうなったらこの前親切なデザイナーの黒づくめのお兄さんがくれたハンサム・ゴリラ・タッスルを使うしかないわ!」

 

「は、ハンサム・ゴリラ・タッスル?」

 

「ええ、売りは1ターンにTAを2度出来る(再行動)程の元気を、って書いてある正真正銘私の切り札!」

 

なんかそれ怪しくない?大丈夫?

 

「みんな!ここからは入稿までノンストップよ!」

 

ハーヴィンの女性方達はみんなでハンサム・ゴリラ・タッスルを飲む。

 

「「「「うほ〜、うほほほほほ〜〜〜」」」」

 

恍惚とした、ちょっと人前に見せられない顔をみんなし始めた。

メリッサベルさんに至ってはサイヤ人の王子みたいな髪型になってる……

後でルナールに黒づくめのデザイナーのお兄さんについて聞いてみるか。なんてもの渡してんだその人。

だが、効果自体はあるらしくちょっと俺の目にも見えないくらい早い速度で手を動かして作業を進めていく。

 

「ふむ、俺の仕事はここまでのようだな。」

 

「そうですね。多分後は書く作業だけなので大丈夫かと、ところでいつまで頭撫でるんです?」

 

「何か問題があるか?」

 

「中身は人間なのでやめて欲しいんですけど…」

 

これ女の子だったら一発でユーステスさんに惚れそうやな…。

ちなみに今の俺はワーウルフだから普段の人間体より強くなって危険なんだぞ。

聞いて驚け、なんと移動速度は3%アップ!さらに近接攻撃のダメージも5%もアップしている!

 

……ダメだ、数字出すと弱そうだな。

 

ちなみにハーヴィンの皆に試しに食事を出してみたら一応食べてくれた。

 

そうして出来上がるまで俺に出来ることを手伝いながら待つ、そう思っていたが上手くいかなかった。

 

 

_________________________

 

うほ!うほほーー!!(もう無理ぃ!ごめんなさいー!)

 

「またルナールの奴脱走しやがった!逃げるな!原稿から逃げるなぁァァァ!!」

 

うほー!うほほー!!(追わないで!もう逃げさせてぇ!)

 

ハンサムゴリラの影響か普段よりも身体能力があがっているルナールが壁ジャンしながら部屋のドアに向かっていくので急いで追いかけて捕まえる。こいつこれで3度目である。

最初こそハンサム・ゴリラ・達する……間違えた。タッスルのお陰で順調だったが、ある程度時間が経つと徐々に正気に戻ったのかルナールが泣き言を言い始め、最終的に泣きながら脱走しようとするので何度かこうやって捕まえる羽目になった。

 

うほ!うほほ!(ケイン!メリッサの髪が!)

 

「またか…!!」

 

次はメリッサベルさんの髪がハンサム・ゴリラ・タッスルの影響か勝手に動く挙句暴れるので急いで鎮圧に行く。

鎮圧と言っても、メリッサベルさんの髪を切る訳にもいかないので、とうもろこしを渡して何とか落ち着かせる。

メリッサベルさんの大好物のとうもろこしをあげるとしばらくは落ち着いてくれるため、さっき団の冷蔵庫からこっそり取ってきた。

 

「コケ…コケ…」

 

「ついにゴリラ語をこえてニワトリ語が……ってマキラちゃんストップ!?ペンとか紙とか浮き始めてるから!?」

 

話には聞いてたけど、これがマキラちゃんの飛力か。

物体を宙に浮かせる力、魔法とは違うらしく原理は謎だけどこんな大変な時じゃなくてもっとゆっくりみたかったな…。

 

うほほ…うほー、うほー!(こうなったら…ハーヴィン戦車で!)

 

「創作に置いては役に立ちませんよそれ!?」

 

ハーヴィン戦車、ハーヴィンの2人がコンビネーションの果てに生み出した合体技。

ミラオルさんの敵の攻撃を的確に避けるほどのスピードをザーリリャオーさんが乗ることで殺しつつ、ザーリリャオーさんの正確無比なクロスボウによる射撃をミラオルさんが上に乗っているザーリリャオーさんの重さにより移動がガタガタな上に揺れて狙いが定まらないようになっている。

 

戦闘でも役に立たないのに創作活動になんてもっと役に立たないよな…。

 

「まずいわ…ハンサムゴリラの効果が切れてきた…!!」

 

「え……?あ、ほんとだ。」

 

さっきまでゴリラ語だったルナールがいつの間にか人の言葉を喋るようになってる。

周りがゴリラ語を喋る人しかいなくなったので必死になってゴリラ語を覚えて会話できるようになったのはいいが、そのせいでごっちゃになってた…。

 

「ね、眠いわ…、もう限界ぃぃぃ…。」

 

「あとちょっとだから頑張れルナール!このページで終わりだろ!?」

 

必死にウトウトしているルナールに声掛けをする。

ここまでみんなで頑張ってたんだ、俺だって完成して欲しいからな。

 

寝そうになっているみんなを起こしながら作業を続けてもらいつつ、時間を確認する。

たしか次の島に着くのが8時頃だから…ってもう1時間もない!?

 

「ルナール!あと1ページ死ぬ気で仕上げないと間に合わないぞ!」

 

「いっそ、いっぞごろじでぇぇぇぇ〜」

 

泣きながら死に救済を求めるルナールだが、あくまで俺の体験談だが別に死んでも楽にならないぞ。

死んでもあるのは終わりかろくでもない続き…って今はそんなこと考えてる場合じゃない。

 

「仕方ない……ルナール、俺も書くよ。」

 

「あなた、絵とか書けるの?」

 

「微妙だけど…多少の手先の器用さには自信がある。」

 

一応大体のテラリアのアイテムは俺の自作なんだよね。

あ、けどソウル系のアイテムはどうやって使うの?って聞いてきても無駄だぞ、あれは俺もよくわかってないから。

ルナールの特徴的な絵柄を真似るのはかなり苦労したが、多少不格好でもコツコツとルナールの絵に書き足すような形で完成させていく。

 

「やった、ついに完成…ってやばい!時間がぁぁぁ!?もうこれじゃ走っても間に合わないわ…」

 

「印刷所はどこ?」

 

ルナールにそう聞きながら俺は"ホバーボード"を足元に置き、

 

「ま、街の北側の奥の方にでかでかと印刷所って書いてある大きめの施設があるはず…」

 

「行ってくる。」

 

「コッコドゥドゥルドゥ♪コッコドゥドゥルドゥ♪…ってケイン君なんかすごい私の夢の参考になりそうな機械が出てきたんですけど分解してもいいですか?いいですよね?10分でとりあえず我慢するのでひとまずその機械を私に貸していただけませんか?大丈夫ですちゃんと元に戻しますから。」

 

なんとなくマキラちゃんが怖いのと時間がなかったのですぐに飛んで行った。

全速力で飛んだだけあって、なんとか印刷所に時間内に間に合った。

 

そして…次の日から見本市だ。

 

なんとなくマキラちゃんに顔を合わせるのが少し怖いなと思いながら、俺は船に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





"魔法の日時計"と"魔法の月時計"

日時計はAM4:00、月時計はPM7:30まで時間を早送りにする時計。
基本1週間に1回しか使えないが、ブラッドムーンや日食時はすぐに使えるようになる。
ブラッドムーンや日食などをスキップするのに便利な時計であり、またベットで少し待つのも面倒ならこれを使って朝や夜までスキップしよう。
テラリアでは夜にしか出ないレアな生き物や月の満ち欠けによって出現する敵などもいるので、意外とスキップは使ったりする。

"犬笛"

クリスマス期間に敵がドロップするプレゼントから低確率で入手できるペット召喚アイテム。
犬が好きなら頑張ってこれをゲットして使うのもいいかもしれない。

"ムーンチャーム"

満月の夜にのみ出現するウェアウルフ⋅⋅が落とすアクセサリー。
付けると夜の間にウェアウルフに変身し、ステータスが上がる。
最強アクセサリーの素材のひとつでもあるので是非入手しよう。

"ホバーボード"

シュルームインゴットで作成可能な翼アクセサリー。
これを除くと次に手に入る水平移動可能な翼はルナイベントの翼かベッツィを討伐する必要があり、かなり難易度が高いため出来ればホバーボードは作成を推奨。
とはいえセレスティアルスターボードに比べたら完全な下位互換である。

"ハンサムゴリラ"

主成分は密林の奥地の諸々。
使うとゴリラ語を話すようになり、幻覚作用がある。
さすがに製造中止になったらしいがまだ出回っているとの噂も…。
ちなみにSSRルナールがバフアビリティとしてハンサムゴリラをチームの皆に飲ませるが、意外と強いバフである。
ゴリラ語と幻覚作用に目を瞑れば、かなり有用な栄養剤と言えるだろう。


グラブルとテラリアは知っている?

  • 両方とも知っている。
  • グラブルだけ知っている。
  • テラリアだけ知っている。
  • 両方とも知らない。
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