Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。
ACの実写情報でドラマ版のACのデザインが出てきましたけどゲームにも来ませんかね?


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 では、これより作戦概要を説明します。

 目標は誘拐された黒見セリカの奪還、及び彼女の追跡中のレイヴンの救出です。

 

 今からおよそ○○時間前にに敵性組織カタカタヘルメット団に黒見セリカは帰宅途中襲撃され、誘拐されました。

 詳しい経緯は不明ですが、レイヴンはこれを偶発的に目撃ないし遭遇し彼女の救出のため追跡を開始。

 

 現在位置はレイヴンから送られてきた情報からの推測ですが、凡そこの位置でしょう。

 

 恐らくですが、レイヴンは既に黒見セリカ奪還をしているでしょうが、やむを得ず戦闘を開始しているはずです。レイヴンは雑兵程度に遅れはとりませんが、武器を所持していない今は手こずっていることでしょう。

 

 アビドスの皆さんは先生の指揮の下、上空から降下、ヘルメット団を急襲。速やかに敵性存在を排除した後離脱します。

 

 現在この地点は砂嵐が多発している地域です。発生の兆候は見られませんが、いつ来てもおかしくありません。

 これは時間との勝負です、皆さんご武運を。

 

 

 

 

 

 

「生きてる?」

 

「なんとか」

 

 砂漠の上で大の字に転がるレイヴンとセリカ。どちらも疲労困憊といった様子で気だるげな表情をしていた。

 周囲には残骸となったトラックや車両が転がり、ズタボロなヘルメット団たちが転がっている。

 

 ふたりが乗っていたらしきトラックは爆発炎上しており、夜空を明るく照らし酷く目立っていた。

 

 このことからセリカを襲撃した連中とのデッドヒートがどれだけ過酷だったのか想像に難くない。

 

「……まさか荷台に大量のダイナマイトを積んでたなんて」

 

「自爆も厭わずに突っ込んできた時はヘルメット団の執念舐めてたわね。走馬灯が見えたわ」

 

 最終的にヤケになったらしいヘルメット団は爆薬を荷台に満杯に詰んだトラックで2人のトラックへと特攻。

 巻き込まれそうになったところをレイヴンが間一髪セリカの首根っこを掴んで脱出した。

 

 脱出に成功したはいいが、爆風や炎による熱。これまでの戦闘による疲労も合わせて2人はダウン。口を閉ざせば意識を失いかねないため、とにかく口を回し続ける。

 

「久しぶりに死ぬかと思った。ここまでのことは少し前にスケバングループのトップとドンパチやりあった時以来」

 

「アンタが死にかけるってどんな化け物よソレ」

 

「ん、戦車を素手でひっくり返すし建物の柱を鈍器にしてぶん回すヤベーやつ」

 

「どんなゴリラよソレ……」

 

「ん、筋肉モリモリのウーマン。あとなんか〜ですわ口調」

 

「ギャップすごいわね。逆に見てみたいわソイツ」

 

 しみじみとレイヴンが呟き、それにセリカが突っ込む。

 

「……それで」

 

「なに?」

 

「なんで、わざわざ私を助けに来たのよ?」

 

 不意にセリカがレイヴンへと問いかける。その質問にレイヴンはのそりとうつ伏せの状態からあおむけへと移行し、ぬぼーっとした目で空を見つめなが返した。

 

「…………昔、短い間だったけど私はアビドスにいたんだ。

 理由はまぁ、個人的な理由でね」

 

「……」

 

「その時にまぁ、ホシノとユメ……ホシノが1年生の時にいた先輩だけど出会ってね。とにかく、紆余曲折あってユメの提案で一緒に暮らすことになったんだ」

 

 目を閉じ、何処か懐かしむようレイヴンは続ける。

 

「その時は私は今よりも人間味が薄くてね。何かと世話を焼こうとしてくる2人を面倒くさいと思ってたんだよ」

 

 今思えば本当に愚かだった、とレイヴンは己を詰った。

 

「ユメは私を妹が出来たみたいだとお世話をして、そんな私をホシノが怒りながらも引っ張ってくれてね……。

 一日の終わりにはそれをエアが楽しそうにしながら振り返ってくれたんだ」

 

 思い出される過去の記憶。それは今でもキラキラの輝き、宝物であるといえる大切なモノ。

 

「でも、私が自分からそれを壊した」

 

「馬鹿だよね、ホント。彼女たちの為だからってわざと恩を仇で返すようにして金だけを渡すなんて」

 

「……それって、どういう」

 

 レイヴンの内容にセリカが詳しく聞こうとしたが、それを遮るかのごとく飛来音が空気を震わせる。

 

「「ッ!」」

 

 2人は軋む体に鞭を打って起こし、即座に身を投げ出した。

 

 ドォンッ!! 

 

「ッ!」

 

「うわっ!?」

 

 飛来してきた物体が砂漠に着弾すると同時に爆発し、爆風が2人の体を煽って宙を舞う。

 悲鳴をあげ受身も取れずに投げ出された2人は砂の上を転がり、何事かと顔を上げたら貯まらず顔を顰めて呟いた。

 

「アイツらまだあんなにいたの!?」

 

「チッ、本当にウザイ」

 

 遠くには幾つもの砂塵を巻き上げ、こちらに向かってくるヘルメット団たちの車両が見え、先程の爆撃もアイツらがやった事は明らかだろう。

 

 迎え撃とうと2人は体を起こそうとするが、

 

「ぐぅ……! こ、の動きなさいよ!」

 

「いっ……っぅ……」

 

 先の戦闘で身体は限界を迎えており、手足が鉛のように重く感じられセリカは愛銃を取りこぼしかける。

 レイヴンの常人離れした視力が遠くの車両の上でヘルメット団が迫撃砲や無反動砲を構える姿が見え、動こうとするが。

 

「っ……!」

 

 足首から鈍い痛みが走り、堪らず膝を落として呻く。

 このせいで動くのが遅れ、みすみす敵が砲弾を打ち出す様を許してしまった。

 

「やっ……ば……」

 

 せめてダメージは最小限にするために、翼を動かしてセリカを庇おうと盾にする。

 そのコンマ数秒後ち砲弾は打ち出され、白煙を上げてレイヴンたちの元へと突き進んだ。

 

「─────ッ!!」

 

 来るであろう衝撃にレイヴンを耐えるために目を閉じ、歯を食いしばり待つ。

 そして、爆発。閃光。

 

 けれど、レイヴンは違和感に気がつく。本来なら自分に降りかかるであろう衝撃が遥かに弱いからだ。

 

 恐る恐る、目を開けレイヴンは何が起きたのかを確認すると、そこには。

 

「……ホシノ」

 

「…………ふん、随分と無様な姿じゃん」

 

 盾を構え、こちらに背を向けるホシノの姿がそこにはあった。

 不意に彼女がこちらへと視線を向けると、レイヴンの姿を見て吐き捨てるように呟いた後にその背後にいたセリカへを見ると僅かに肩の力を抜く。

 

「せ、先輩」

 

「セリカちゃんは……無事だね。良かった」

 

「う、うん。ワタリが助けてくれたから。殆ど戦ってたのコイツだったし……」

 

「え……?」

 

 セリカから教えられ、ホシノは驚いたように目を見開く。

 確かにセリカには目立った傷はなく、代わりにレイヴンの体には痛々しい生傷が目立ち、スニーカーから見える足首は捻ったのか腫れているのが見えた。

 

「……なんで、そんなになるまで」

 

「……セリカが傷つくと、ホシノが悲しむと思った。……から」

 

「ッ! 本っ当にお前は腹立つ……!」

 

「…………ごめん」

 

「……あとは私たちがやる。2人は休んどいて」

 

 それだけ告げ、ホシノは歩み出したが少しして立ち止まりとレイヴンに聞かせるだけの声量で言い残す。

 

「……色々言いたいけど、セリカちゃんを助けてくれてありがとう」

 

「ッ────うん」

 

 それっきり、ホシノは振り返ることなく前へと進んでいく。

 そのすぐ後に残りの面々がやってきた。

 

「ん、セリカ無事?」

 

「シロコ先輩!」

 

「2人ともボロボロじゃないですか〜、んもー、無茶しちゃダメですよ?」

 

「ノノミ先輩も!」

 

『セリカちゃん、大丈夫!? どこか痛いところない!?』

 

「アヤネちゃんまで……! ど、どうやってここに!?」

 

「ワタリのヘリを使わせてもらったんだよ」

 

「せ、先生……」

 

 セリカの疑問に答えたのはボサボサの髪にパラシュートの紐が絡まった姿の先生だ。

 

「ごめんね、遅れちゃって。それと、ワタリ。これを」

 

「これって……」

 

 先生はレイヴンの近くに来ると、膝を着いて懐からレイヴンの端末を取り出して手渡す。

 端末を受け取ったレイヴンは両手で持って近づけると、

 

『レイヴン! 無事ですか!?』

 

 スピーカーから大音量のエアの声が響き渡る。余りの音量にキーンとしながらもレイヴンは声を絞り出した。

 

「あ、エア。うん、なんとか」

 

『もう、なんで出かける時にひと声掛けてくれないんですか! 

 すっごく凄く心配したんですよ!? それに救援が来るまで待つという選択肢もあったはずです!』

 

「……はい」

 

『貴方がプライベートでは武器を持たないのは尊重しますが、自分から危険なことに首を突っ込むのは話は別です!!』

 

「……はい」

 

『やむを得ずなら仕方ありませんが、明らかに今回は自分から危機的状況に進みましたね!? 

 それに、レイヴンがコーラルを生成した時は著しく交信が不安定になるのはご存知のはずです!』

 

「……はい、その通りです」

 

『端末のひとつを持っていてくれればスグに駆けつけることができたというのに、なんで持っていかなかったんですか!?』

 

「……散歩するだけなら、必要無いと思って」

 

『キヴォトスの治安の悪さをご存知ですよね!?』

 

「……仰る通りです」

 

 エアの心配を多分に含んだ説教が交信により届き、レイヴンは小さな体を更に縮めてか細い声で謝罪する。

 全面的に今回はレイヴンに非があるため、言い訳はせずに甘んじて聞き入れた。

 

『……本当に、心配したんですからね?』

 

「……ごめん、エア」

 

 震えたエアの声にレイヴンは自分がどれだか彼女に心配をかけたか痛感する。

 自分が死ねば、エアは独りになってしまう。自分という彼女にとって、唯一の理解者であり共犯者がいなくなれば、ふたたび孤独になる彼女はどれだけ悲しむか想像ができない。

 

「でも……ホシノが悲しむと思ったんだ」

 

『……もう、それを言われたら何も言えないじゃないですか』

 

「……ごめんね、エア」

 

『レイヴンが誰かのためになると遮二無二に頑張るのは身をもって知っています』

 

「……ん」

 

『……ですが、それはそうと戦闘が終わるまで時間があるのでお説教は続けます』

 

「……先生、私も戦っちゃダメ?」

 

「あはは、大人しく怒られてよっか?」

 

「……ぴえん」

 

 にべもなく先生から告げられ、レイヴンは顔をシワシワにさせて項垂れるのだった。

 

 

 

 

「本当に腹が立つ」

 

 大切な後輩をみすみす危険な目に合わせてしまった。過去、二度と起こさないと誓ったはずだというのに。

 

 学習しない己に怒りが沸き上がり、内側から焼き焦がしてしまいかねないほどの激情が支配する。

 

 裏切ったワタリが傷ついた姿を見た瞬間、暗い悦びが生まれてきたのだ。

 いい気味だと思ってしまった。これが、報いだ……と。

 

 そう思いながらも彼女が何故そこまでして行動した理由を問えば、逆にこちらが頭を殴られたかのような衝撃を受けた。

 

『……ホシノが悲しむと思った、から』

 

 彼女が自分のために行動してくれたことを知って、嬉しいと感じてしまう。

 

「うてうてうて!!」

 

 戦車の砲塔が火を吹き、砲弾が打ち出される。

 

「────ッ!!」

 

 ソレを盾で殴りつければあらぬ方向へと吹き飛び、巨大な砂の飛沫を作り出した。

 

 憎しみが揺らいだ、怒りが萎んでしまった、悲哀が掠れてしまった。

 もう一度、手を握れると思ってしまった。やり直せると思ってしまった。思ってしまったんだ。

 

「知ってるんだよ。あの子が原因じゃないって……」

 

「悪いのは私だって……!」

 

 不良たちは各々の銃器の引き金を引き弾丸を乱射した。

 無数の弾薬はホシノへと直撃するコースだ。けれど、次の瞬間に目撃した現象に不良たちは驚愕の声を漏らす。

 

「なぁ!?」

 

 見えない壁に阻まれるように数センチ手前で弾丸は進むことは出来ず、その場で高速回転するに留まる。

 

「……今からすることはただの八つ当たりだ。手加減できないから覚悟してね」

 

 ゆっくりと膝をまげ、両足に力を込める。ばねのごとく込められた力を解放すれば、ホシノの姿が掻き消え次の瞬間には不良のひとりが中を舞っていた。

 

「……は?」

 

 誰かが零した呆けた声。

 瞬きをした瞬間に先程の位置にはおらず、目と鼻の先の距離にいたホシノ。

 シールドを構えてる姿から恐らくはバッシュをしたのだろうと予想はできるが、人は簡単にあそこまで吹っ飛ぶものだろうか? 

 

 いや、そもそもいた場所からここまで軽く見ても10メートル以上あったはず。それがどうやって瞬きの間に距離を詰めることができるんだ? 

 

 そんな疑問が降っては消えていくのは緩やかに自分に向けられる銃口による現実逃避だろう。

 

 そして、マズルフラッシュとともに不良のひとりの意識は闇へと堕ちる。

 

 そして、蹂躙が開始された。

 

 ホシノが突っ込み、陽動と撹乱を行い。シロコが散発的に射撃とドローンによる爆撃。

 ノノミが弾幕を張ることで敵の足並みが乱れ、そこをホシノが再び突っ込む。アヤネがドローンでダメージを負ったメンバーを回復させる。

 

 練度がお粗末なヘルメット団に比べ、先生の指揮によって戦うアビドスの少女たちは練度と戦意は比べるでもない。

 

 最後の一人をホシノが銃床でかちあげたことでヘルメット団たちの戦意は挫け、散り散りとなって敗走するのだった。

 

 

 

「……沁みる」

 

『1人で先走ったツケです。大人しく受け入れてくださいねレイヴン』

 

「……痛い」

 

 レイヴンの所有する輸送ヘリ、その居住エリアの一角でレイヴンはエアから傷の手当をされていた。

 

 実はレイヴンのこの肉体は素の耐久力が余り高くなく、基本的に戦闘においてボディスーツを着用し防御力をカバーしている。

 けれど、今回は止むを得ず私服で戦闘行為をした為に生傷が大量に出来てしまったのだ。

 

 頭頂部の耳を倒し、しょぼしょぼとした顔のレイヴンにエアの操作するロボットアームが湿布を傷口へ貼っていく。その度に消毒液が傷口を刺激するので小さな悲鳴がレイヴンからあがる。

 

「今度から服は全部カーボン繊維のものにしようかなぁ」

 

 辟易としたレイヴンのぼやきにエアは見逃した傷がないか確認しつつ答えた。

 

『あれば対弾性は悪くありませんが必然的に色合いが真っ黒になってしまうのでダメです。レイヴンはもっとお洒落に気を配るべきです』

 

「…………」

 

『嫌そうな顔をしてもダメですよレイヴン。今度はこの服を着てもらいます!』

 

 そんなセリフと共にレイヴンの視界にはヤケにフリフリとしたレースやファンシーなデザインの所謂ロリータとかいう名前の服の画像が表示され、抗議をしても無駄だと悟っているレイヴンは肩を落とす。

 

 そんなことをしていると、

 

『……ねぇ、いる?』

 

 ノックの音と共に部屋の外からセリカの声が聞こえてきた為、一旦治療の手を止めてレイヴンは口を開いた。

 

「いるけど、なに?」

 

『とりあえず入ってもいい?』

 

「別にいいよ」

 

『そ、じゃあ入るわね』

 

 カシュ、空気の抜ける音と共に扉が横へスライドすると顔に絆創膏を貼ったセリカが部屋へ周囲を見渡しながら入ってくる。

 何故彼女がここにいるかは時間が遅いのに加え、彼女の行動が知られていると為に今夜はレイヴンのヘリに寝泊まりすることとなったのだ。

 

「中は結構広……ちょ! 上! それにした!! 丸見え!!」

 

 少し進んだところで唐突に顔を赤らめ、指をさして叫び出したでは無いか。

 レイヴンは怪訝な顔をして己の体を見下ろした後にセリカに向き直して首を傾げる。

 

「……? 何か変?」

 

「服!」

 

「…………服?」

 

 そう言われ、レイヴンはようやく合点がいったようだ。現在レイヴンは治療のために下着すら身につけておらず、正に目覚めた当初と同じ姿……つまりは全裸のすっぽんぽんなのだ。

 確かに話す場合において全裸というのは駄目だろう、レイヴンは特に恥じることなくセリカの前で無地のシャツと男物のパンツを履くと。彼女に向き直る。

 

「それで、なんか用?」

 

「何事も無かったみたいに話を戻したわね……まぁ、いいわ」

 

 コホン、咳をしてセリカが何かを言おうとしたがすぐに口を閉じてしまう。

 その後も何度もあー、うー、と言葉にならない声を漏らし続けるが、レイヴンはなにも言わずぬぼーっとした目で近くの机の上に置いていた瓶を手に取り傾け始めた。

 

 数分ほど経って、

 

「ごめん! それとありがとう!」

 

「……なにが?」

 

 目を瞬かせ、レイヴンはセリカの言った内容に考えを馳せる。はて、自分は彼女に感謝されるようなことをしただろうか? 

 

「えーと、ほら、貴方や先生に酷いこと言ったし……それに助けてくれたから。そのお礼と謝罪」

 

「……別にいいのに」

 

「アンタが良くても私が良くないのよ!」

 

 顔を赤く染めて言うセリカにレイヴンはそんなものか、と思った。

 

「別に私は君のためじゃないよ。感謝されるほど上等じゃない」

 

「……それって、ホシノ先輩のため?」

 

「……そう、だね。うん、君を助けたらホシノと少しは話しやすくなれるんじゃないかっていう下衆な考えだよ」

 

 レイヴンは言うと膝を抱え、ゆっくりと目を伏せる。

 傷だらけの体も全て打算ありきのもの。こうすれば、話くらい聞いてくれる筈だろう。

 

「……私はアンタとホシノ先輩と過去に何かあったから知らないけどさ。でも、私は少なくとも助けてくれたことには心から感謝してる」

 

「荷台に縛られて転がされた時、すっごく怖かったし寂しかった。

 でも、その時にアンタが現れた時にね……」

 

 セリカはレイヴンへと近づき、膝を下ろして目線を合わせる。真っ直ぐに見据えてセリカは告げた。

 

「実は少しだけ安心したのよ」

 

「……」

 

「アンタがどんな考えがあっても、打算があっても関係ないわ。

 確かにアンタは私を助けてくれた。それでいいんじゃない? 

 それに、あれよ。ほら、えーと……」

 

 もにょもにょとセリカは語彙を探しながらも考えを口に出した。

 

「多分、先輩もアンタと仲直りしたいって思ってるわよ」

 

「……え?」

 

 顔を上げ、レイヴンはセリカの顔を見た。

 

「だって、帰ってきてから先輩ってばアンタのいる方向を心配そうに見てたし」

 

 本当は言ったらダメなんだけど、とセリカは言う。

 

「怖いなら私も手伝ってあげようか?」

 

 レイヴンは目線をそらし、か細い声で呟いた。

 

「……これは私の問題だし、他の人を巻き込む訳には……」

 

「じゃあ、こうしましょ。私はホシノ先輩がいつも通りじゃなくて心配だし変な感じだから一日でも早く元に戻って欲しいからアンタに協力する。これでいいでしょ?」

 

 有無も言わせずセリカの提案にレイヴンは何度か口篭るが、やがて観念したように小さく頷くのだった。




続きません。

ンァー!自分で書いててレイヴンが奥手すぎます!!
話が進まないです!!
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