Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─ 作:タロ芋
ミルクトゥースの発売日が来ましたねー。加えてハウンズの武器再現ができるオプションパーツセットも。最高かな最高だわ。
話は変わりますけど、ニケの2周年イベをやってますがとあるキャラにひたすら「このやろうっっ!!」と叫んでます。久しぶりにここまで怒りと恐怖を感じたことはないですよ。気になる人はやりましょう勝利の女神:NIKKE
「せ、先生! セリカちゃんと連絡がつきません! 家にもいなくって!」
そんな声とともにアヤネが宿直室へと転がり込んでくる。
突然の出来事に目を白黒させながらも先生はアヤネに落ち着くように声をかけた。
「とりあえず、落ち着いて息を整えてアヤネ。とりあえず水でも飲んで」
「あ、ありがとうございます先生……」
ここまで走ってきたのだろう。私服姿に加えて息も絶え絶えといった有様のアヤネは先生から出された水の注がれたコップを受け取り、勢いよく嚥下する。
そして、何があったかを話し始めた。
アヤネはセリカがいつもバイトが終わるくらいの時間に連絡をしたが、待てども返信は来ず怪しいと思った彼女はセリカの家を訪ねる。
インターホンを押しても出てこず、ますます怪しいと思った彼女は合鍵を使って中へはいると帰ってきた痕跡はない。
アヤネは逸る気持ちを抑えながらもバイト先の柴関ラーメンへ連絡するも、柴大将は既にセリカはバイトから上がったことを伝えられる。
今度こそ疑惑は確信へと変わり、アヤネはセリカがなにかトラブルと遭遇したと結論づけた。
「……うん、事情はだいたい把握したよ。他のみんなには?」
「既に連絡をしていて、学校に来るそうです。……セリカちゃんは大丈夫でしょうか」
アヤネは不安を隠せずに親友の身を案じ、先生はそんな彼女に安心させるように微笑みかける。
「大丈夫さ。セリカはきっと無事だよ」
程なくしてアビドスの面々が集まるが、ホシノがとある人物が居ないことに気が付き声を上げた。
「あれ、1人いないけど……いや、この時間なら寝てるか? 」
「本当だ……ちょっと待ってくれるから私が連絡してみるよ」
先生は懐からスマホを取り出して連絡先に登録している
数回のコール音の後、回線が繋がるがその声は別の人物のものだった。
『はい、こちらエアです。レイヴンは就寝中なので御用は私に』
「あ、エア? 実はね───」
先生は簡潔に事情を説明を行う。
『……なるほど事情は把握しました。直ぐにレイヴンを呼びま……す?』
エアは寝室で寝ているであろうレイヴンを呼ぼうとしたが沈黙してしまう。先生は訝しげに眉根を寄せながら声をかけた。
「エア? どうかしたの? おーい?」
『……い』
「うん?」
『……ない』
「えっと……?」
『レイヴンが、居ません……』
「えっ……」
『レイヴンが! 居ないんです! 寝室にも! キッチンにも! 格納庫にも!! ヘリのどこにも!!!
私のレイヴンがどこにもいないんですよ! ……まさか、攫われた!?
一体誰ですかそんな不埒なことをしたのは!? ぶっ殺してやる!!』
スピーカーにしていないというのに聞こえるほどの大声が響き渡る。
エアの声は焦燥に染まっており、明らかに平常心とはいえない。
このままでは単独で手当たり次第に探し回りそうだと思ったところだったが、不意に空気を壊すように誰かのスマホの通知音が鳴り響く。
「ッ、セリカちゃんからです!」
アヤネがスマホを見ると、その発信先は件のセリカからのものだった。
直ぐにメッセージアプリを開くが、その顔は困惑のものへと変わる。
皆がなんだと思い、その中を覗くと。
「これは……」
「数字とアルファベット……?」
なにかの数字とアルファベットの混ざった羅列だけがそこにはあった。どういう意味かと思ったが、直ぐにソレがなんなのか理解したものが声を上げる。
『これはレイヴンと私が使っている暗号文ですね。これをこうすると……成程、現在レイヴンは単独で黒見セリカの追跡を行っているようですね』
アヤネのスマホの地図アプリが勝手に起動され、表示されるのはアビドスの辺境の一角。加えて矢印などでどこに向かっているかの注釈もあった。
「……よし、なんでワタリがセリカを追っているかは気になるけど何をするべきかは固まったね。
皆、準備を済ませて救出に向かおう!」
『了解!』
『……本来ならやりたくはありませんでしたが。はぁ、仕方ありませんか』
「うん、どうかしたのかいエア?」
『はい、先生。このままノロノロと地面を走っても時間の無駄ですので別の移動手段……私たちの輸送ヘリで皆さんを移送します』
「ん、セリカもう少し右に寄せて」
「はいはい!」
勢いよくハンドルを切る事でトラックがかなりの速度を出しながら右方向へと寄っていく。レイヴンは窓から身を乗り出し、運転席の屋根部分へと登ると勢いよく跳び跳ねる。
一気に空中へと踊りだし、レイヴンは腰の翼を可動させ体勢を整えた。
「狙え! 狙え! 撃ち落とせ!!」
それに気づいたヘルメット団たちが上空へと銃を構え、発砲。
無数の弾丸がレイヴンへと殺到する。
「弾道予測、開始」
エアのサポートが無く、通常時よりも精度は遥かに落ちるがレイヴンも単独で弾道予測は可能だ。故に視界内に紅いラインが浮かび上がり、レイヴンはそれを基に翼を小刻みに動かしながら位置を変えてかわしていく。
けれど、かわしきれずに体のあちこちに掠り直撃する。
その度に痛みが脊髄から脳へと走るが、無視をして突き進んだ。
「シッ!」
弾幕をくぐり抜け、レイヴンは車両のひとつの屋根へと着弾。
そのまま目に付いたヘルメット団へと拳を振り下ろす。
「ガァッ!?」
天井が陥没するほどの威力でめり込み、意識を手放したソレを放り投げフロントガラスへと移動。
「んなぁ!?」
ガラス越しに運転手と目があったが構わず貫手で窓を突き破り、ハンドルを勢いよく切る。
凄まじい速度で隣の車へと激突した。
「このっ、はなせっての!!」
レイヴンが握る手を離すために拳銃の引き金を引こうとしと団員の手をレイヴンはもう片方の手でガラスを突き破って団員の手を銃ごと握り……力を込める。
パキャッ……!
乾いた何かの碎ける音と悲鳴が轟くが、レイヴンは構わずハンドルをさらに切る。軸が限界を超えて回転し破壊され、コントロールを失った車体から飛び移った。
レイヴンが先程までいた車は砂丘に乗り上げ横転するとそのままガソリンが引火したのか爆発炎上し、夜の砂漠を明るくする。キヴォトスの住人は頑丈だ。まぁ、命はあるだろう。
屋根にしがみつくレイヴンは姿勢を安定させると、再び貫手を放つ。
なんの抵抗もなくレイヴンの手は肘部分まで貫通し、指先に触れた物体を掴んだ。
「───、────!!?」
ソレは何かを叫んで拘束から逃れようとするが、小さな手からは想像できないほどの力で締め付けられ逃げることは叶わない。
指を食い込ませ、レイヴンは掴んだそれを引き上げると穴を広げてでてきたのは団員の上半身だった。
「あ、がっ……」
「邪魔」
ヘルメットが握力に耐えきれず遂にはひび割れ素顔をさらした団員を投げ捨て、レイヴンは広がった穴の縁へと触れると一気に広げる。
「ヒィッ!?」
風通しの良くなった車内に残っていたのが上を見上げてレイヴンと視線が合うと引き攣った悲鳴を漏らし、振り落とすために出鱈目にハンドルを切った。
「うわっ……」
掴もうとした手が空振り、横殴りのGにより天井から転げ落ち危うく地面に激突と言ったところでサイドミラーを間一髪掴むことで防ぐ。
「くたばれ!!」
「────」
いつの間にか接近していたバイクに乗る団員がレイヴンに向けてSMGの引き金を引く。
軽快な音と共に弾丸がレイヴンへと殺到……する直前にサイドミラーから手を離すことで回避。
当然、レイヴンの体は砂地へと着地するのだが。
「ッッ!!」
足裏が砂に触れた瞬間に力を込め、砂を踏みつける。
砂が爆発し、レイヴンの体が凄まじい速度でバイクへと突っ込んだ。
バイクを運転する団員にぶつかる少し前に空中で回転することでドロップキックの体勢となり、勢いそのまま不良へとぶちかます。
「へぶぉ!?」
モロにドロップキックをかまされ受け身も取れずに不良がバイクのハンドルから手を離して離席。そのまま運転をレイヴンが引き継ぎ、一気にアクセルをひねる。
エンジンが甲高い嘶きをあげ、後輪の回転が跳ね上がり速度メーターが容易く100キロを超えた。
「囲め囲め!」
「良くもやってくれたなテメェ!」
「スッゾコラァー!」
バイクに乗るレイヴンを後方から追ってくる3台のバイク。ヘルメットの奥の瞳を怒りの感情が覗き、レイヴンを仕留めるという意思が伝わってくる。
逃げ道を塞ぐように周囲を囲まれ、レイヴンは素早く目配せを行う。
「らぁ!」
「しゃあ!」
「スッゴコラァー!」
左右の不良が片手に持っていたパイプを振りかぶり、後方の不良は援護するように銃弾を放つ。
それをシートに伏せることで交わし、レイヴンはお返しとばかりに右のバイクの車体へと蹴りを放つ。
「うぉぉぉおっ!?」
蹴られたバイクは体勢を崩し、距離を離したところに砂に隠れていた岩に前輪がぶつかり盛大にクラッシュ。それを見ることなく今度は左側へとハンドルを切った。
「何すんだテメェ!」
車体同士が接触しレイヴンは左手で団員のバイクのブレーキレバーを引き絞る。急ブレーキにより前輪がロックされ不良のバイクが宙を舞う。
「ァァァアッッ!!?」
「スッゾコラァー!」
「お前それしか言えないの?」
「スッゾコラァー!!?」
語彙がやけに乏しい不良にそんなことを言いながら不良がレイヴンは不良から奪っていた鉄パイプを前輪へと差し込んだ。
ドップラー効果を伴いながら視界の端へと消えていく不良を見ることなく、次の目標へと意識を向けようとした瞬間にクラクションの音が響く。
視線を向けるとセリカの運転するトラックには何人もの不良が組み付いているではないか。
「チッ、時間をかけすぎた」
救援はまだ、来ない。
続きません
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話が進みません(小声)