Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。
インフルエンザが治ったのはいいんですけど咳が止まらなくて辛い、そんな日々です。
体調管理しっかりとしましょう。



29

 レイヴンが先生の補佐としてシャーレに所属して早数日。

 

「…………可笑しいな、片付けても片付けても書類が減らないよ?」

 

『ひぃん! 私の処理速度でも追いつきませんよぉ!!』

 

「しごとおいしい! しごとおいしい! しごとおいしい! あひゃひゃひゃ!!!」

 

「不味い、先生にナニカ起きちゃったみたいだ」

 

『んもぅ! 肝心な時に役立たない人ですねこの人は!』

 

 目につく限りの書類、書類、書類……現在進行形でレイヴンたちは膨大な量の仕事に忙殺されていた。

 最初はまだある程度の余裕をもって処理できていたが、段々と連邦生徒会から回されてくる仕事の量が増えていき気が付けばかなりの情報処理能力を持つエアですらキャパオーバーしそうなほどの業務が膨れ上がった。クソである。

 

 先生はとっくの昔に戦力外通告となり、ほとんどレイヴンとエアが大部分の処理を行い、本当に先生のサインなどが必要なものだけを先生にぶん投げた。

 けれど、そうしても塵も積もればなんとやら……今は焦点の合わない目で先生が書類にサインする姿はホラーとも言えるだろう。

 

「はぁ、連邦生徒会は学園に呼びかけて手伝いを寄越すっていってたけど。これじゃ、来る前に潰れそうだ」

 

『こんなことなら引き受けなければよかったですね……』

 

「……言わないで」

 

「─────」ビクンビクン

 

 先生を絞め落としてソファへ投げ捨てた後、レイヴンは苦すぎる珈琲を飲んで一息ついて眉間を揉みながら過去の行いに対して後悔していた。

 

 別にデスクワークが苦手という訳では無い。何事も加減が大事なのだ。

 何が悲しくてこんな社畜のようなことをしなければならないのだ? 

 

 おのれ、連邦生徒会長め。失踪するのならきちんと引き継ぎをやってから雲隠れをしろというのだ。

 

 レイヴンはあったことの無い存在へ恨み言を募らせながら、疲れからかウトウトし始めていると。

 

「すいませーん、誰かいますかー?」

 

 どうやら、来客らしい。

 レイヴンはマグカップを机の上に置いてレイヴンは欠伸を噛み殺しながらデスクチェアから降り、対応するため向かう。

 

「んぃ……? 誰ぇ……?」

 

 のそのそと事務室から顔を覗かせ、レイヴンが聞くとエントランスにいた人物は肩を震わせて振り返った。

 

「連邦生徒会のホームページで各学園に先生の業務のサポートを募集してたから、それを見て来ました……って、ワタリちゃん!? なんでここにいるの?」

 

「わーお……」

 

『……寄りにもよってアナタですか』

 

 そこにいたのは平均以上の立派な太ももを持つ早瀬ユウカがいたではないか。

 

 

 

 

 ユウカから何故ここにいるのかという質問をのらりくらりと逸らしつつ、彼女に業務を手伝ってもらいダウンしていた先生が復活。

 なんだかよそよそしい態度の彼女に首を傾げながらも、人手が増えたことにより効率が大幅アップしたためにタスクの処理もサクサク進んで一段落して少し遅めの昼食へとあいなった。

 

 

「ところでユウカとレイ……ンンッ、ワタリって知り合いなのかい? 

 仕事中も結構親しげに見えたけど」

 

 ふと、先生が気になったことを口に出す。

 その質問に対して、ユウカは口元の汚れたレイヴンを拭いてあげながら答えた。

 

「ワタリちゃんは私の学校の生徒会長と個人的な親交があるんです。

 私もセミナーに所属しているので、その過程でこの子と親しくなったんですよ。ね、ワタリちゃん?」

 

「ん、ユウカはお菓子くれるからいい人」

 

「その判定はちょっと緩すぎないかな……?」

 

 ユウカから聞かれ、レイヴンはそれに答えるけれど先生はその内容にツッコムがレイヴンからすれば何がおかしいのかよく分からず首を傾げる。

 

「? 毒も入ってないし薬も盛ってない食べ物を無償でくれるんだよ? 

 安心して食べれるものをくれるって貴重だからね。ん、だからユウカはいい人で好き」

 

 瞬間、何故か空気がお通夜になったがレイヴンは気にせず手元のフウカ特性の重箱いっぱいに詰められたお弁当を食べ進めた。

 

 そのあと妙に先生とユウカが優しかったけれど、レイヴンにはその理由が理解出来ずしきりにエアに聞いてみた。

 けれど、これまた何故か拗ねてしまったエアは答えてくれずレイヴンはちょっと傷ついたし少し泣きたくなる。

 

 そんなこんなで一日を終えるのであった。

 

 

 

 

「……アビドス?」

 

「うん、そこから手書きの手紙が来てね。ちょっと行ってくるよ」

 

 もう、二度と聞くことは無いと思っていた名前を聞いた。

 

 ドキリと心臓が跳ねたような感覚がする。

 

 この時ばかりはあまり表情の出ない顔に感謝した。だって、もし表情が出ていたならばそれは酷い顔だったろうから。

 

「……ワタリ、どうかした?」

 

「ううん、なんでもない。……今日はもう帰る」

 

「あ、うん。気をつけてね」

 

 聡い先生だからたとえ顔に出なくても気がつくと思ったからレイヴンはすぐに踵を返す。

 

『お前なんて、お前なんて来なければよかったんだ……』

 

 最後に彼女に言われた言葉を思い出してグルグルと巡る。

 

 

 自分の犯した罪と対面する時は近い。

 

 




続きません。

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