Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─ 作:タロ芋
ブルアカのアニメが来月始まりますねー。楽しみです。
それに加えてAC6のプラモ情報が来ましたね。脳みそがぱちぱちして最高だぜ。
あと私事ですが、評価数が100を超えました。いやー、青から緑に変わるのがある意味目標のひとつだったから感動です。こんな拙作に付き合ってくれる皆様に感謝です。
てなわけでどうぞ
「──スゥ───スゥ───スゥ」
薄暗い空間に規則正しい呼吸が小さく木霊する。
最低限の家具が置かれた寝室の中央にキングサイズのベッドが鎮座し、その大きなマットレスを占領するよう胎児のような姿勢で眠るのはレイヴンその人だった。
『G13、愉快な遠足の始まりだ!! G13、愉快な遠足の始まりだ!! G13、愉快な遠足の始まりだ!! G13、愉快な遠足の始まりだ!!』
微睡みの水底に沈んでいると、唐突に空気をビリビリを震わせ聞くものの腹の奥から響くような男の大声が寝室中に響き渡る。
「ん……んんっ……」
目覚まし、と呼ぶには余りにも騒音に過ぎるハイパーボイスに当然レイヴンは顔を顰めて掛け布団を持ち上げて外界とシャットアウトを試みるがその程度で防げるほどこの音声は生優しく無い。
「やぁぁぁぁあっ…………」
ニョキっと腕だけを外へ出し、騒音を撒き散らす
時間にして数秒、程なくして指先が硬い物体に触れると位置を補足したレイヴンは勢いよく握り拳を断頭台のごとく振り下ろす。
『G13、愉快な遠足の始まりだ!! G13、愉快な遠足の始まりだ!! G13、ゆか──メシャア──はじ、り、ガ────ガガッピー─────!!』
「ふすぅ……すぴぃ……」
破砕音とひしゃげる音の後に内部構造が飛び出た目覚ましは完全に沈黙し、訪れた静寂にレイヴンは寝息を立て始め───
『レイヴン、朝ですよ〜』
部屋に照明が灯ると寝室の扉が開かれ、部屋の外から大量の正方形の箱に小さな足の生えた愛嬌のあるデザインのロボットたちが入って来た。
そのうちの1機の上部に角の生えたリーダー格らしきロボットからエアの声が聞こえてくることから彼女が操作を行っていることが分かる。
「あとごじかんんー……」
『そんなに寝ちゃってたら遅刻しちゃいますよレイヴン!』
「やぁぁあ……」
『抵抗してもだーめーでーす!』
「にゃぁぉあっっ……」
ロボットたちはレイヴンの眠るベッドを取り囲み、何機かか縦に連なってベッドに上がると丁寧にレイヴンのシーツの握る手を離し、器用に毛布で包んでロボットたちが持ち上げてベッドから下ろすと床に並んでいたロボットたちが受け取りレイヴンを運び始めた。
「うぅ……揺れるぅ……」
『我慢してくださいレイヴン。レイヴンが普通に起きてくれればこんなことをしないでいいんですよ?』
「う〜……なんで朝なんてくるのぉ……?」
『随分と哲学的な質問が来ましたね……』
酷い寝心地にレイヴンは呻き声を上げてると長い通路から開けた場所に出る。
いくつもの机と椅子の並べられたそこはどうやら食堂にあたる場所らしい。といっても、広すぎる空間に人っ子一人いないガランとしたところだが。
そんな食堂の一角にレイヴンは運ばれ、器用にロボットたちが椅子に座らせると今度はアームだけのロボットたちが現れる。
ロボットアームたちはしょぼしょぼとした顔のレイヴンが身体にまきつけていた毛布を引っぺがして両手をバンザイさせ、着ていたサイズのあっていないダボダボなシャツを脱がし、別のロボットアームが綺麗に畳まれていた服を着せていった。
服を着せるのと並行して、レイヴンの長い髪の毛を綺麗に纏め、レイヴンの身だしなみを整えていく。
それが終わると机の上に出来たての朝食が置かれるのだが。
「エアぁ……たべさせて……」
朝にとことん弱いレイヴンは自分で食べることが出来ないため、か細い声で頼んだ。
『はいはい。まったく、レイヴンは甘えんぼですね』
「ごめんねぇ……」
『はい、あーん』
「んぃ……」
そんなエアの声はどことなく弾んでいるように聞こえた。
『レイヴン、準備はいいですか?』
「んー……おっけぇ」
朝食を終え、ようやく人並み程度には頭が冴えてきたレイヴンはエアに呼びかけられると呂律が若干怪しいが返事を返す。
帽子を被り、オーバーサイズのパーカーで背中になんだかキモイキャラクターのデザインされたリュックを背負った姿のレイヴンは握っているグリップを何度か回す。
それに合わせて軽快なエンジン音が鳴り響き、問題ないことを確認したレイヴンは地面に着けていた足を離すと一気に加速させて後輪が回転すると、運動エネルギーに従いレイヴンの乗ったスクーターは勢いよく外へと飛び出した。
人気のない廃墟群の中にあるヒビ割れの目立つアスファルトの道路をスクーターが進む。
レイヴンがあの地下で目覚めてから2年以上もの月日が経過した。
短いようで長いもので、キヴォトスでの暮らしは良くも悪くも退屈をすることは無く濃い日常を送っている。
今現在も傭兵としての仕事は行ってはいるが、目覚めた当初よりも活動は控え、ココ最近は別名義で荒事ではなく便利屋まがいの仕事をこなしてたりする。
そして、今向かっている場所もそんな仕事のひとつだ。
本拠地のある廃墟群から1時間ほどの道のりを掛けてキヴォトスにおける首都『
遠くにあるオベリスク状の頂点から逆さまオベリスクのような不可思議な構造物が宙に浮いているという物理法則に喧嘩を打っているような一際巨大なタワー、キヴォトスでの全行政を司り学園都市の運営を一手に担う中央政治組織の連邦生徒会の活動本拠にして実際にキヴォトスの中央にあり文字通り意味でキヴォトスの中枢ともいえる『サンクトゥムタワー』を横目にレイヴンは乗ってきたスクーターを専用の駐車場に停めるととあるビルに入っていった。
凡そ半年前、唐突にレイヴンの元に1つの封筒が送られてた。
差出人不明の封筒の中身には幾つかの書類と小切手、そして簡素なメッセージがあった。
『これから遠くないうちにとある人物がこのキヴォトスに訪れます。
その間、貴方にはとある建物の警護を頼みたいのです。独立傭兵レイヴン。
訳あって正体はあかせませんが、貴方には敵意はありません。
どうか、この依頼を引き受けてください』
はっきりいって怪しすぎる、とその時は起きた直後のレイヴンとエアの2人は思った。
本来誰にも教えていない筈の本拠地の外で、常時監視しているはずのカメラに誰も映らず、ポツンと外に置かれていた封筒……明らかに厄ネタである。
何も見ないでゴミ箱に捨てて二度寝を決め込みたかったのだが、封筒の裏に刻まれた刻印を見て断念せざるを得なかった。
なぜなら封筒の裏には連邦生徒会の刻印が成されていたのだ。
つまりはあれだ、キヴォトスにおける最高政治機関が暗に『お前の本拠は補足してるからな?』と言ってきてるようなものだ。
もし断ったら何されるか分かったもんじゃない。実に、実に嫌だがレイヴンは泣く泣くこの依頼を引き受ける事にした……と相成った。
更衣室で自分に割り振られたロッカーから白を基調として差し色に群青を取り入れ、肩章や金ボタンが付いている制服を取り出すと慣れた動作で着替え、最後に帽子を被るとロッカーの扉を閉じる。
「おはよぉ……」
「あ、おはようございますワタリさん! 今日もよろしくお願いしますね?」
「んぃ。でも、今日もほとんど暇そうだけどね。ソラ」
「それは言っちゃいけませんよ……」
眠たげな様子でレイヴンが挨拶を行い、返してきたのはポロシャツ風のブラウスに黒い短パン、青いエプロンを身に着けて、髪は金髪のストレートロングで、前髪を真ん中分けにして左右の耳の後ろでリボンで留めた、おでこを大きく見せたヘアスタイルの少女だった。
彼女の名前は『ソラ』といい(苗字は知らない)、レイヴンが警護しているこのビルの一階にあるコンビニエンスストア『エンジェル24』という店舗の従業員だ。
ココ最近アルバイトとして彼女はこの店舗にやってきたのだが、立地の関係上に加えてそもそも一般開放されていないこのビルという関係でこのコンビニを利用している客はレイヴンを除いて誰も見た事がない。
レイヴンは幾つかソラと他愛のない会話をしつつ、暇潰しの為の新聞や雑誌をいくつかと缶珈琲の会計を済ましコンビニを後にした。
「よいしょ……っと」
足の届かない椅子に座り、ビル内の状況を映すモニターの前に陣取るとレイヴンは新聞を広げ読み始める。
退社時間まで何も無ければ良し。何かあればそれの対処を行う。
そんな
「ん、それで……貴方がメッセージにあった人?」
"えっと、君は? "
「私? 私は傭兵だよ」
そんな暇な仕事も唐突に終わりを迎えることとなる。
爆音が鳴り響き、銃弾が飛び交う戦場で物語の始まる産声は上がる。
これは、灼けた空を借り物の翼で舞っていた鴉が真の意味で青く透き通った空へと飛び出す
続きません。
本編突入です。
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