Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。
星3生徒確定ガチャでPU中のコタマが当たりました。やったぜ。
皆さんは誰が当たりましたか?

では、本編をどうぞ


21

 レイヴンはぶっちゃけ組織のトップは好きでは無い。

 クソカスカタツムリメガネ(スネイル)のような性格悪いドブカスは言わずもがな、キヴォトスでの組織でのトップも殆どがカスだ。

 つい最近、トリニティの聖園ミカ(ピンクゴリラ)に襲撃をかけられたのは記憶に新しい。

 

 なので、

 

「会わなきゃ、ダメ?」

 

「んー、会ってくれないと私が困るかなぁ」

 

「貴方の感情はよく分かりますよ。あんなドブ川に流れる汚水のような存在と同じ空間にいるだけで虫酸が走りますからね。会わない方が吉ですよ」

 

『リオという人に対してそこまで辛辣なのが気になりますが……レイヴン、一応は顔合わせ程度はしておいた方がいいと思いますよ。

 少なくともそのリオという人物のお陰でACの修復の目処が経ったのですから』

 

「んぃ……」

 

 エアにそう言われると弱ってしまう。

 彼女の言うとおり、リオとヒマリのお陰で殆ど鉄屑だったHALが修復できるのだ。でも、それはそうと苦手なものは苦手なのだ。

 

「いきなり襲撃してくるような奴じゃない?」

 

「流石にそんな野蛮じゃないよリオは」

 

「性格は悪いですがアレはそこまで考え無しではないでしょう。

 ところで、何故そこまで嫌がるのですか?」

 

「……この前トリニティに観光しに行ったらそこの生徒会のやつに襲われたから」

 

「「ええ……」」

 

『嘘みたいですが本当のことですよ。殆ど言いがかりに近いことで襲いかかってきましたから。

 全く、どちらが野蛮なのか理解に苦しみますよあのピンクゴリラは』

 

 レイヴンの報告にウタハとヒマリの2人はドン引きする横で出されたココアに息を吹きかけ、小さな両手でマグカップを包んでチビチビとレイヴンは飲む。

 

 そんなレイヴンの頭にはヒマリの手が乗せられ、よしよしと撫でられていたりする。

 何故そうなったかはシンプルで、ヒマリが用意していたお菓子等で餌付けされ即座にレイヴンがヒマリに懐いたからだ。

 

 その過程でエアが荒ぶったりもしたが些末なことだろう。

 

 そんなひと幕がありつつも工房内をロボットたちが片付け、見苦しくない程度に綺麗になったところで彼女は来た。

 

 

「初めまして……かしら。私は調月リオ、ミレニアムサイエンススクール生徒会セミナー所属の1年生よ。

 貴方のことは色々と調べさせてもらっているわ」

 

 肩下くらいに揃えられた濡れ羽色の黒髪、揺らぐ色の見せない冷たく芯の通った凛とした瞳、横一文字に閉じられた唇。

 身に纏うのは黒を基調としたスーツを思わせる制服とは正反対に白のタートルネックを着た女が立っていた。

 

 調月リオ、若輩の身でありながらセミナーに所属し既に様々な重要な業務を任されながらも様々な功績を打ち立て、次期ミレニアムの生徒会長に内定が確定していると目される逸材……事前に聞かされた内容を思い出し、レイヴンは確かにその通りだと思う。

 

 目の前の女は人の上に立つ素質というものがある。スネイル(クソメガネ)同様に似たような雰囲気があるのだ。流石にアレほどのゲス外道では無いだろうが、目的のために手段を選ばなそうな感じがそっくりだ。

 

 端的に言えばレイヴンは凄く警戒している。具体的にはウタハの背に隠れて片目だけ覗いた目でリオをジッと見つめてる感じで。

 

「……………………………………随分と警戒されてるみたいね」

 

「貴方が変に威圧感を出してるからじゃないですか? 相変わらず気が効きませんねリオ」

 

「…………威圧なんてしていないわ」

 

 大して気にした様子もなくリオは言うが、何処と無く目尻が下がっているように見えるが気のせいだろう。

 

「ごめんねリオ。君が悪いわけじゃなくって単純なワタリの問題だから気にしないでおくれ」

 

「……気にしてないわ」

 

「ほら、ワタリも心配したとおりにはなってないでしょ? 

 まずは挨拶だよ、ほら2人とも」

 

「……宜しく」

 

『よろしくお願いします調月リオ』

 

「ええ、よろしく。つまらないものだけれどこれを」

 

「……? なに、これ」

 

 リオは腕から下げていた紙袋をレイヴン……はウタハの背に隠れてるのでウタハへと渡した。

 渡されたソレはウタハからレイヴンへ受け取り、尋ねてみればリオは簡潔に伝える。

 

「私が懇意にしてるお店のお菓子の詰め合わせよ」

 

「お菓子っ」

 

 単語に反応し、レイヴンの耳がピンッと張り瞳に僅かに光が灯り声が僅かに弾んだ。

 当然、それに対して反応するのがいた。

 

『あぁ! またレイヴンが食べ物に釣られてます!? レイヴン! そうやって直ぐに食べ物につられちゃいけませんよ! 

 知らない人を簡単に信用しちゃいけません!』

 

「そうですよ。こんな濁り切った汚水のような存在じゃなくて私のような清流の澄んだ水のような可憐な美少女の方がいいです。

 考え直した方が賢明ですよ?」

 

「リオ、お菓子くれた。だからいい人」

 

「ありゃ、完全にお菓子に目を奪われちゃってる……」

 

「……気に入ってくれたなら良かったわ」

 

 エアとヒマリが懸命にレイヴンを説得しようとするが、既にレイヴンの中でリオの評価がお菓子くれるいい人となっており、ほとんど効果がないようだ。

 その様子を見てウタハは僅かにあきれ、リオは心做しか雰囲気が和らいだように見える。

 

「さて、じゃあアイスブレイクはこれくらいにして話をしようか」

 

「ええ、そうね。私もこの後の予定が色々と詰まってるから時間を有意義に使いたいもの」

 

「あぁ、そんなにポロポロ零してはいけませんよ。ほら、口を拭いてあげますからこちらに来てください」

 

『レイヴン、私の分も残しておいてくださいね!』

 

「んっ」

 

「…………可愛い

 

「何か言ったかいリオ?」

 

「……なんでもないわ」

 

「そう? まぁいいか。ほら、ワタリ、真面目な話だからお菓子を食べるのは構わないけどこちらに意識を向けておくれ」

 

「んっ」

 

 渡された菓子折りを早速開封し、端からカスが床に落ちるのも構わず頬張るレイヴンとその口元を拭うヒマリという光景を見てリオは何かを呟き、ウタハに指摘されるが首を横に振る。

 ウタハは特に追求はせずにレイヴンに声をかけ、席に座るように言う。

 

 そして、各々はテーブル替わりに手頃な大きさのコンテナを挟んでパイプ椅子に座って向き合った。(レイヴンはお菓子を食べながら)

 

「では、まずはこうなった経緯の説明からかしら。

 経緯としては2ヶ月ほど前、私がセミナーの仕事としてミレニアム内の資材の流れをリスト化してた時にかなりの数の資材や資金が良く観察しなければ見逃してしまう程度には隠蔽されていたのを発見したわ。

 最初は私が解明しようとしたのだけれど、出来なかったからヒマリに頼んだの」

 

「それを聡明で華麗な美少女たる私が第三者が改竄したのを解き明かし、流れを追ったところにここの倉庫群を発見したのです」

 

「そして、この倉庫の所有者を調べたところ巧妙に改竄されてたけれどウタハが使ってることが判明したわ」

 

「そして、突撃されてACを修理しているところを2人に見られちゃった……というわけさ」

 

 肩を竦め、ウタハは言う。

 

『ふむ……私としてはかなり力を入れてデータの改竄をしたのですが甘かったようですね』

 

 データ改竄を担当したエアは話を聞き、呟くがそのデータの改竄した跡を発見できたのはリオにとっては本当に偶然が重なったものとヒマリですら解き明かすのにかなりの時間を費やしたことは知らないのだが、敢えてその事を2人は言うことはなかった。

 

「ん、だいたい分かった」

 

 一通りの話を聞き、レイヴンが呟いた瞬間に懐から『HG-004 DUCKETT(ダックケット)』を2丁引き抜き銃口をリオとヒマリに向けた。

 

「「ッ……」」

 

『抵抗をするのはおすすめ出来ませんよ』

 

 輸送ヘリのカーゴポッドの一部が展開し、内部からグレネードの砲門が覗く中でエアが忠告すれば椅子から僅かに腰を浮かせた2人はゆっくりと下ろす。

 

「私はウタハに予め契約していたんだよね。第三者に知られた場合に口封じを行うと」

 

「……ワタリ」

 

「ウタハは黙ってて。契約不履行をしたのは貴方だよ?」

 

 レイヴンはウタハのことは好ましいと思っている。けれど、それとこれとは別だ。

 先に破ったのはウタハ。ならば、その代償を払わさなければならない。

 

 止めようとしたウタハを視線で制し、レイヴンは続ける。

 

「言っておくけど、ここに来るまでに2重3重の小細工を用意してたみたいだが無駄だ」

 

『レイヴンの言う通り、貴方たちの知人に向けて偽装したメッセージや位置情報を送っています。

 そして、ここに来るまでの間の監視カメラなどの証拠となるような情報全ては改竄済みです』

 

「……いつの間に」

 

「私が気付かぬうちに……?」

 

 2人は自分のスマホを操作すれば、エアの言ったことが事実だと思い知らされた。

 完全な詰み、まさにその通りだ。

 

「まずひとつ、お前たちはACの事を誰かに漏らした?」

 

「……いいえ」

 

「……知られていません」

 

「エア?」

 

『……心拍地、脳波共に異常ありません。本当のようです』

 

「そう。じゃあここにいるのを消せばいいって訳だ」

 

「「「ッ……」」」

 

 何も感じない平坦な声で言えば、3人は僅かに息を飲んだ。

 レイヴンにとってあくまでもACを直す目処が立てば良かっただけだ。既にACを修復するのに必要な機材のデータ等はエアがハッキングし入手してある。

 

 幸運なことにここにいるメンバーだけがACの事をしっているようで、生かしておくメリットは何一つない。

 

 ただ、行方不明者のリスト欄に3つの名前が記されるだけだ。

 キヴォトスでそれは当たり前で、最初の数日間は捜索されるだろうが直ぐに無くなるだろう。

 

「さて、じゃあ話といこうか」

 

 感情の見えない伽藍堂のような深紅の瞳で鴉はゆっくりと口を開いた。




続きません。
ほのぼので終わると思った?残念、閉める時はきちんと閉めるのです。
3人の未来はどうなる!!

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