Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。
風邪をひいて死んでました。いやー、ガチの風邪ひくなんて何年ぶりなのか驚きましたね。
頭痛いし体痛いし気持ち悪いしで2日くらいダウンしてしまいました。どうか皆様もご自愛くださいね。
それはそうと、前話での感想では殆どが何やってんだミカァ!コールばかりで笑ってしまいましたよ。
ああ、それにブルアカでは新イベ始まりましたね。みんな可愛い。好き。マフラーの中に手を突っ込みたい。突っ込みたくない?

と、まぁ前書きはこれくらいにしてどうぞ。


19

 ──廃墟群地下施設 居住区画 大ホール──

 

「……」

 

『キャー! レイヴン、レイヴン!! キスです! キスですよ!!』

 

 ぬぼーっとした目でサイズのあっていない無地のシャツに男物のパンツという格好のレイヴンがエア1押しの恋愛映画を巨大なモニターに写してみている昼下がり。

 主人公とヒロインが燃え盛る炎と迫り来るゾンビとゾンビ化したサメ(生物兵器)の共食いをバックに濃厚なキスシーンを机の上にだらしなく足を乗っけてエアは狂喜乱舞(無感情)で鑑賞していると。

 

 prrr……

 

 机の上に置かれていたプライベート用の携帯か鳴いた。

 携帯を器用に足の指で摘んで運ぶと、手に持ち上げて耳へと運ぶ。

 

「ん」

 

『やぁやぁ、君の良きメカニック、マイスターの────

 

『えぇ!? そ、そうなっちゃうんですか!? な、なんというどんでん返し!!』

 

『────あ〜……お邪魔だったかい?』

 

「ん、気にしないでウタハ。エアが映画見て楽しんでるだけだから」

 

 通話を寄越してきた相手はウタハだった。

 ソファに立てかけている騒いでいたエアの端末とモニターの音量を下げ、レイヴンはウタハとの通話を優先する。

 

「それで、どうしたの?」

 

 机から足をおろし、話を聞く体勢となったレイヴンは端末越しに彼女に続きを促す。

 

『うん、実は君に良い知らせと悪い知らせがあるんだよ』

 

「? いい知らせと悪い知らせ?」

 

『そう。どっちが聞きたい?』

 

「ん〜……?」

 

 ウタハに聞かれレイヴンは首を傾げる。良い知らせと悪い知らせとはどういうことだろうか? 

 良い知らせとは文字通りの意味だろう。ならば悪い知らせは? こうして普通に話していることだからそんな直接的な害があるようなものでは無いだろう。

 

 数瞬迷った後、レイヴンは口を開いた。

 

「……良い知らせから」

 

『OK、じゃあ言うね。君に頼まれていたACの修復と改修なんだけれど伸びに伸びていた工期をかなり短縮できる目処が着いたよ』

 

「ん、それは良かった」

 

『うんうん。流石に殆どがブラックボックスとなってる物体を解析しながらサポートしてくれるとはいえ1人でやるなんて言うブラック企業もビックリのデスマーチだからね。お陰で冷蔵庫がエナドリでいっぱいだよ』

 

「……それは、その、ごめん」

 

 頼んだレイヴンからして流石に無理があったかな? とエアと共に思っていたが、実際にウタハにはかなり無理をさせていたらしい。

 それを知り、レイヴンは謝罪するが朗らかに笑いながらウタハは気にしてないと言う。

 

『別にいいさ、君が私を頼ってくれて嬉しかったからね。力になりたいと思ったんだよ』

 

「そう、なの……?」

 

『そうだとも。こほん。さて、悪い知らせだったね……』

 

 ウタハは言葉を区切ると、なにやら気まずそうにあー、や、うー、と唸り出す。

 レイヴンは何も言わず、じっと待っていると。

 

『もう、ウタハ。それでは話が進みませんよ。私にスマホを貸してくださいな』

 

 そんな声が聞こえ、ブレる音の後に別の可憐な女性の声が聞こえてきた。

 

『あ、ちょヒマ──』

 

『コホン、初めましてワタリさん……いえ、独立傭兵レイヴン』

 

「……お前、誰?」

 

 偽名ではない(そもそも本名でもない)名を言われ、僅かに言葉に検が感じられる。

 けれども、通話越しの相手は然程も気にした様子もなく、すぐにウンザリするような長い台詞がレイヴンの鼓膜にたたきつけられるのだった。

 

『フフッ、確かに先に名乗るのが筋というものでしたね。失礼しました。

 私は学園都市が誇るサイエンスアカデミアでも優秀な者達が集まる学園、ミレニアムサイエンススクールでも更に殊更才媛たる者が名乗れる『全知』の学位を授かることを確定しており、引いてはどんなに美しい芸術作品に勝る可憐さ美しさを併せ持つ神すら嫉妬に咽び泣く──以下数分にも及ぶ長い自画自賛の数々──ミレニアムに君臨する超天才病弱清楚系SuperHacker(凄くネイティブな発音)……『明星ヒマリ』とは私のことです。

 ああ、皆まで言わないでください! 私とこうしてスマホ越しとはいえ話せるという幸運に噛み締めてしまうということは仕方ないのですから!! 

 フフッ、私の才能されあればあの大きなロボットですら容易く解析すらしてしまう……自分の才能が怖いですね。これは最早全知すら超えて全能と言えるでしょう』

 

「………………What did you say(何言ってんだこいつ)???」

 

 瞼を瞬かせ、レイヴンは思わず吐き捨てたのは悪くない。

 おかしいな。自分は名前を聞いただけなのに気がつけば頭の中にゴミみたいな情報を流し込まれたぞ? レイヴンの背後に宇宙が広がったかのような感覚に陥った。

 今まで色んな存在には出会ってきたが、なんというかあのブルートゥ(気色悪いやつ)ノーザーク(カス野郎)とはまた違ったが似たような常人は違う人種だとレイヴンは理解する。

 

『あー、ほら彼女が混乱してるじゃないかヒマリ。私が説明するからスマホ返してくれる?』

 

『んもう、まだまだ語り足りないというのに……仕方ないですね』

 

 レイヴンがどうにか情報の処理をしようとフリーズしてると、ウタハがヒマリと名乗った女から自分のスマホを取り返したようだ。

 

『……まぁ、と、いうことで彼女と今は席を外してるけどもう1人にACを直していたことがバレてしまってね……。

 そのお陰で工期の圧倒的短縮を成したとはいえ、君の出した条件を破ってしまったのが悪い知らせ……というわけなんだよ』

 

「……あ、うん。わかった」

 

『……随分と軽い反応だね』

 

「……あの、なんか急に変なの差し込まれたせいだと、思う」

 

『それは、まぁ、うん。本当にごめん……彼女は悪い子じゃないんだよ。いつもあんな感じだけど』

 

「えと、その、ウタハが気にする、ことじゃないと思うけど……いつもあんな感じって本当?」

 

『うん。いつも』

 

「エブリデイ?」

 

『エブリデイ』

 

「……大変そうだね」

 

『……ハハハ。こほん、まぁ積もる話はあるから出来るならミレニアムの私の工房に来て欲しいんだけど。出来るかな?』

 

「ん、わかった。すぐに向かう」

 

『じゃあ、またね』

 

「ん」

 

 レイヴンは端末の通話を切り、ソファから立ち上がる。

 

「エア、ミレニアム行くよ」

 

『あぁ、いい所なのに!! レイヴン、あともう少しですから!!』

 

「ん、道中で見ればいいでしょ」

 

『それはそうですけど〜!』

 

「はいはい」

 

『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙〜〜!!』

 

 名残惜しそうに叫ぶエアを無視し、無慈悲に輸送ヘリのある格納庫へと歩みを進めるレイヴン。

 そんなレイヴンの背後のモニターにはチェーンガンを乱射して迫り来るロボットゾンビとロボットシャークを次々射殺していくという何がどうなったらそうなるのか意味のわからないシーンの後にエンドロールが流れているのだった。




続きません。

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時計じかけの花のパヴァーヌ編 の 難易度 が 上がります


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