【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今日も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。
――たらおー。入稿作業、本日で完了した…。明日朝、大日本印刷に入稿されますよ。
「あら、CDなのに大日本なのねえ。」
――はい。盤面にはリイド社のマークも入ります。
お茶くみ係りのおばさまと、仲良くなっちゃった。仲良くなったというか、すごくやさしくしてくれたよ。
自動でお茶やコーヒーが出る機械で、打ち合わせしている人々に、お茶を配るのが、彼女の仕事なんだけど、「遠慮しないで、好きなものをたのんでね」「私、もう仕事あがっちゃうけど、好きなボタン押して飲んでいいからね」って言われた。「自動で出来ちゃうから、大丈夫」って。ある意味、自分の仕事を全否定してるコメントだよね……。いや、よくしていただきました。
そんで、次の仕事の仕込みしよーっと思って、新宿行ったので、ついでに伊勢丹の大北海道展に行きましたよ。
「あら、いいわね。」
――チラシがオシャレ系だから、ベタなものは売ってないのかしらと心配したんだけど、ちゃんと売ってたよ、イカめしとかも。
――思い切って、海鮮丼買ったー。
ワインバーもあって、鹿肉とかも食べられるみたいだったんだけど、混み混みで断念。初日だから、関係者がいっぱい来てるっぽい雰囲気だったなー、あのゾーンは…。
あとね! ジェラート食べたんだけど、網走市りすの森のミルクジェラートが激ヤバ! ピスタチオ味はそうでもなかったけど! やっぱ乳製品だわ北海道!
「いまごろ、気がついたのね…。」
――隙があったらもう一度、ワインバー行きたいけど、無理だろなあ…。