東京在住の女性Ａ様から「お会いしたい」とご連絡をいただいた。開口一番Ａ様は泣いた。我慢をしたくない。会社員をしているが、みんな死んだような顔をしている。私も死んでいる。常に頭が働いていて、ハートの声を聞くことができない。自動思考が止まらない。「どうすればいいの」と「正解なんてないよね」って二つの思考がせめぎ合って、何処にも行けない。なんにもやれない。

なんでこんなに可愛い人が泣かなければならないのか。日本はいったいどうなってしまったのか。親なのか。やっぱり親なのか。家庭環境の影響は絶大なのか。私たちは環境の奴隷なのか。環境の影響は絶大だが、環境に負けるなんて癪じゃないのか。環境に負けないためにはどうすればいいのか。なぜ、私だけ元気なのか。私の元気の秘訣は何なのか。答えは簡単。死んでもいいと思っているから。死にたいとは違う。誰よりも生きたい。生きるために嫌なことをやりたくないと思っているだけで、生きたい。生きまくりたい。嫌なことをやっている暇なんてないくらいに、生きたい。

Ａ様は言った。失恋をして、自分に自信がない。やりたくてやっていたことが相手の負担になっていた。私なんかといさせてごめんなさいと思う。なんでこんなに可愛い人が「私なんか」と卑屈にならなければならないのか。日本はいったいどうなってしまったのか。頭なのか。やっぱり頭なのか。頭がいっぱいになっているから、心がからっぽになっているのか。頭を黙らせるにはどうすればいいのか。答えは簡単。どすこい相撲である。相撲をとるほど安心する。どすこいが足りない。頭で安心を生み出すのは難しい。頭よりも、体。体を安心させるためには、本を読むより、勉強するより、具体的などすこいが一番有効だと思う。

健気な女子よ。男を狩れ。男を食え。男に金を出させろ。男から金を取れ。私なんかと一緒にいてもつまらないよなと思うな。その考え方が一番つまらない。私だよ？私と一緒にいられるんだよ？あなたは世界一の幸せ者だと言え。そんな風には思えなくてもはったりをかませ。胃が痛くなりながらも、震える体をこらえて「あたいを誰だと思っているんだい？」と言え。つまらない人間の相手をするな。自分の面白さを見抜けない連中とは距離を置け。自己評価の高さがはったりならば、自己評価の低さもはったりである。自分を否定しても誰も幸せにならない。健気になるな。健気になることは美徳ではない。健気になっても誰も幸せにならない。世界はそれを卑屈と呼ぶんだぜ。

元気が出ないのは、呪いがかかっているから。一番の呪いは物語。人を操るには物語が一番有効。物語が必要なのではなく、物語から自由になることが必要。物語を打ち砕き、魂を解き放つことが必要。ストーリーと言うよりは、強烈なピリオドが必要。資本主義。貞操観念。被害者意識。すべて物語である。何もかもを失った時に得るものが自由。自由を恐れる時、正義を立てるために物語が必要になる。主人公は自分だと、物語を生きることを強制させられる。自由とは物語からの自由である。本当の物語は、物語から自由になることを教える。筋道も要らない。言い訳も要らない。弁解も弁明も要らない。正義が被害者意識を作り出す。共同幻想を打ち砕き、魂を解放する。自由とは、強烈なピリオドである。失うことを恐れるほど失う。何もかも失うこと。それが、自由だ。