はんだ付けに最適な温度は?
このように質問しますと、ハンダゴテのコテ先温度を答える方が多いです。(※コテ先の温度は、340℃程度で使用するのが望ましい)
「はんだ付けの最適温度」とは、溶融したはんだを何℃にコントロールすれば、最強の合金層が形成できるか?
を意味します。
はんだ付けは、鉛入りの共晶はんだ、鉛フリーはんだ共に、スズ(Sn)と銅(Cu)の合金層を形成することで接合されていることは、何度もお話ししているとおりです。
ということは、はんだ付けの最適温度は、鉛入りの共晶はんだも鉛フリーはんだも同じわけです。
ところが、
鉛入りの共晶はんだの融点=183℃
鉛フリーはんだの融点=217~227℃
と融点(はんだが融ける温度)は、約40℃違います。
実際、鉛フリーはんだは融けにくいですから、ハンダゴテの温度を上げて高温ではんだ付けする方が多いですが、接合原理から考えると良くないわけです。
このグラフは、はんだ付けの接合温度と接合強度の関係を表したものです。
約250℃ではんだ付けした時に最も接合強度が大きくなることがわかります。
鉛入りの共晶はんだ、鉛フリーはんだ共に、約250℃がはんだ付けの最適条件なわけです。(リフロー炉や、DIPはんだ槽の温度が250~260℃に設定されているのもこのためです)
したがって、ハンダゴテの役目は、はんだ接合部を約250℃にコントロールすることにあるわけです。(ちょっと意外に感じるでしょ?)
その役目を果たせるハンダゴテを選定し、コテ先を選び、コテ先の当て方、加熱時間をコントロールしてやるのがはんだ付けの腕前ということが出来ます。
最適な道具を選べることが一番重要なわけですが、そのためには正しいはんだ付けの基礎知識が必要です。
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