【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今日も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。
――SMAPの中居くんがさー、ブルーハーツのチェインギャングが好きらしいのよ。
「ほう。」
――そんで、コンサートとかで歌ってる動画があるというので見たんだけど…。
「すごいハマッてる! SMAPのどの曲よりも真面目に歌ってる!」
――胸にせまるものがあるわね。歌詞も『仮面をつけて生きるのは息苦しくてしょうがない、どこでもいつも誰とでも、笑顔でなんかいられない』だもんなあ。あの中居くんが歌うとすごいなあ。
多分、マーシーの歌唱法をトレースしてるとは思うんだけど…。
原曲。マーシー、イケメンだよなあ!
――そんで、マーシーといえば「アンダルシアに憧れて」の作者じゃない?
原曲。マーシー、やっぱりイケメンだなあ!
――中居くんも、マーシー風のアンダルシアだったら歌えるのかな~とか想像したんだけど。
「アンダルシアってアレでしょ、ジャニーズでも二枚目路線の子しか歌えない、選ばれし者しか歌えない曲なんでしょ。」
――2006年にマッチのトリビュートアルバムが出てるんだけど、そこに「アンダルシアユニット」というのが参加してて…。ジャニーズ選抜チームなの。選抜チームでアンダルシア歌ってるの。
少年隊の東山紀之、KinKi Kidsの堂本光一、タッキー&翼の今井翼、元光GENJIの赤坂晃。
「あ、なんかわかった。中居くんはその中には入れないね。」
――そうなのよ。
うわ、アンダルシアユニットの動画あった! なんかものすごい! 長瀬とかも混ざってるけど。
「これは……なんかこう、原曲とは別の世界だね。」
――なんか、独自に進化した美意識よね。もともとは、パンクロッカーがざらっと歌ってる曲だものなあ。
なんでこんなに、この曲が、ジャニーズにハマッたのかなあ…。
まあ、そんな、どうでもいいことを考えながら、一日を過ごしておりましたよ…。
「あなたいつも、どうでもいいことしか考えてないじゃない…。」