【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今日も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。
――たらお、ただいまー。
「たらおをひとりぼっちにしておいて、どこ行ってたのよう。うわああ。」
――あ、ごめん……。
「ブログ休みすぎ! 前は毎日更新してたのに!」
――体調不良でさあ。私しょせん、心の病あがりじゃない!? 立ち上がれない日もあるのよ。
「弱いよなー。」
――これでもずいぶん元気になったのよ。昔はメニュー考えるのも辛くて、スパゲティにマヨネーズと醤油かけたやつばっかり、毎日食べてたし。
「駄目な人だなあ…。今晩のおかずは?」
――おでんと麦飯。あと納豆。
「おでん……いいじゃない。」
――最近、夜は鍋物だねえ。パソコン作業しながら煮るの。
トマト鍋の素っていうのがあるんだけどさあ、あれで、くずしロールキャベツ作っちゃった。けっこうおいしかった。
「どんなの?」
――キャベツの刻んだのと、ひき肉を、鍋で煮るだけ。加熱用トマトを入れてもいいかも。
鍋、開発したいんだよなー。鍋本も買ったんだけど。
私、大人になるまで、鍋に味が付いてるやつ、たべたことなかったのよね。
水炊きとか、ビール鍋とか。
「ビール鍋?」
――酒鍋ですね、素材がやわらなくなるとか何とかで。
んで、鍋自体には味が付いてないの。ポン酢付けて食べるの。
「あら、そうなの。」
――旅館とかの、ミニ鍋とかは、食べたことあったけど…。
うあー料理上手になりたい。
「それはともかく、ブログ更新なさいな。何にもなくても。」
――何にもなくてもかー。
木村カエラのロックカバーアルバム、数曲欲しい。iTMSで売ってたら買おう。