導入から9年になる裁判員制度の現状と問題点
7月29日放送の「行列のできる法律相談所」では、制度が始まって9年となる裁判員制度について取り上げた。果たして弁護士軍団の見解は?
2009年から導入された「裁判員制度」。刑事事件において、一般市民が裁判員に。
これまでに、8万人以上が裁判員に選ばれ、1万人以上の被告人に判決が言い渡された。
この制度は、裁判員候補者、約70人に呼出状が送られ、裁判官との面談の上、抽選で6人が裁判員に決定。
裁判の実審理期間は、平均で10.6日。その間、1日1万円以内で日当や交通費が支給される。
ところが昨年、裁判員手続きへの無断欠席が過去最高の36%!上昇する欠席率が問題に!
さらに2013年、裁判員を務めたある女性が、証拠の遺体写真を見た事で急性ストレス障害を発症。
導入から丸9年、裁判員制度の問題点を解説します!
■北村弁護士の見解
「辞退率の上昇」
この裁判員候補に選ばれて、辞退する人、過去最高66パーセントの人が辞退してますと。これあの、私の個人的な見解ですけど、冤罪を防ぐという意味でも裁判員制度は大変重要な役割を担ってまして、その重要性がまだ、十分告知されてないんじゃないかなと思っています。で、他方でですね、裁判員を経験した人のアンケートでは、実にその約96パーセントの人たちが良い経験だった、非常によい経験だったと答えてます。つまり、やった人はそう思ってるけど、やる前の我々はなんかやだなと言って辞退する人が増えている。そういう状況になってます。
■菊地弁護士の見解
「市民への過剰な負担」
検察官から提出されてくる証拠というのは、例えば殺人事件ですと、例えばご遺体の状況とか、そのご遺体の司法解剖の記録ですとか、生々しい証拠を裁判員の方が目にしなければいけない。それは市民の方にはとても負担じゃないのかと。
例えば血の写真とかですね、それを白黒にしてしまうとかですね、なるべく見た側にソフトに伝わるような色んな工夫っていうのはしてるっていうところですね。
■本村弁護士の見解
「守秘義務」
はい。裁判員には守秘義務があります。例えば、評議においてどの裁判官、どの裁判員がどのような意見を言ったかを、外で喋ってはいけないことになっています。この守秘義務に違反して秘密を漏らすと、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
一方で、裁判員として裁判に参加した感想は自由に喋って構わないんですよ。ところが、裁判が終わった後の記者会見とかインタビューで、裁判員にいろんな質問をするんですが、なかなか喋ってくれないと。今の厳しすぎる守秘義務をもっと緩和する必要があると思います。
