東大合格は8000万円、早慶上智は600万で売っている…中国"学歴ブローカー"を野放しにできない理由
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■“チェック機能”が働いていなかった また、彼は日本勤務中に本国への頻繁な出張を行っており、その際の行動日程などが報告義務として定められていなかった、あるいは実質的にチェック機能が働いていなかったという点も、企業や研究機関における管理体制の不備として指摘されます。 もちろん、経歴詐称が行われていた場合、その人物の本来の背景を事前に見抜くのは困難ではあります。 しかし、中国国内の大学に関しては、卒業証書を取り寄せることが制度上は可能ですし、それらの証書が本物かどうかをチェックする手段も存在します。したがって、応募段階で学歴を提出させ、特に軍事関連の経歴を持つ人物に関しては厳密な審査を行うべきなのです。 さらに、採用後のアクセス権限についても段階的に設定し、重要な研究情報へのアクセスは一定期間の観察後に限定的に付与するなどの体制作りが必要です。これは中国人に限らず、すべての外国人、そして日本人社員に対しても公平に適用されるべきルールであり、差別ではなく、「リスク管理」としての必要条件です。 この点、アメリカではすでに厳しい対策が講じられています。諜報活動に関与した経歴があると見なされる大学の卒業生に対しては採用を見送り、採用した場合でも物理的・システム的にアクセス制限を設ける体制を構築しています。 ■“善意”だけでは通用しない社会になっている アメリカだけでなく、ヨーロッパでも同様の動きが加速しており、特に中国人の採用枠を縮小し、リスクを最小化する方向で進んでいます。 また、発覚した事例をもとに、特定の大学からの留学生については推薦枠の廃止や採用凍結などの措置を講じることもあります。これは日本の大学入試における推薦制度と同様の考え方で、ひとたび不祥事が起これば、その推薦枠自体が消滅するという、組織的な防衛措置の一環です。 日本も今後、こうした事例を踏まえて、採用段階・勤務段階の両方でスパイ活動への対策を強化していく必要があります。「善意を前提とする社会」では通用しない時代に突入していることを、強く認識すべきでしょう。 日本にはかつて14の大学に「孔子学院」が設置されていました。現在では減りましたが、いくつかの私立大学で中国語教育や文化紹介の名目で運営されてきた歴史があります。表向きには語学と文化の普及という形ですが、実際には中国政府のプロパガンダ機関と位置づけられており、欧米を中心とした主要先進国では、その危険性が明らかになったとして、次々に閉鎖されています。 特に北欧諸国では完全に設置禁止となっており、アメリカやカナダでも、孔子学院は学問の自由を脅(おびや)かすリスクや、情報工作の拠点になり得るとの理由から閉鎖されています。
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