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FuzzFaceの解釈相違

Arbiter Electronics | Fuzz Face (1966-67)

最も古い既知のユニットには、1966年9月と10月の日付が刻まれたポテンショメーターが使われています。
通常、これだけでは1966年に既に存在したことの証明にはなりませんが、この場合は違います。Jimi Hendrix が1966年11月に Fuzz Face を使って演奏している写真が残っていました。

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1966年11月9日の Experience ミュンヘン公演。
(Image credit: Brumepourpre)

Hendrix がロンドンに到着したのは1966年9月24日で、Experience はそのわずか2週間後に結成されました。デビューは10月13日、場所はフランス・エヴルーです。
レコーディングは10月下旬から開始されており、この慌ただしい時期のどこかで、Hendrix は Fuzz Face に出会っています。

Arbiter Fuzz Face の基本部品構成

Fuzz Face はわずか11個のコンポーネント (トランジスタ 2個、抵抗器 4個、キャパシタ 3個、ポット 2個) で構成される、極端にミニマルな回路です。
フットスイッチとジャックを含めても14個に過ぎません。シンプルすぎて、美しさすら覚えます。

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66-67 Arbiter Fuzz Face。フットスイッチなど、いくつかの補修がされている。
(Image credit: Pre Rocked Pedals)

The NKT 275

Fuzz Face において、Arbiter が使用した唯一のトランジスタは Newmarket社の NKT 275 です。
Newmarket社は低コスト部品の専門メーカーであり、この何かの廉価コピーが偶然にもカルト的ペダルの起源となりました。
NKT 275 はポジティブグラウンド (PNP) のオーディオ用トランジスタで、公称 hFE (ベータ) 範囲は 30〜90 です。この hFE値は典型的なシリコン・トランジスタと比べて低く、また後世の PNP ゲルマニウムトランジスタと比較してもやや低めです。

以下は、オリジナル Fuzz Face に使用されていたトランジスタの測定結果で、D*A*M のフォーラムで見つけたものです。(確か、David Main 本人や ‘fuzzface6669’ が測定値やコメントを提供してくれたはず)

  • NKT 275 を使った Fuzz Face の hFE は常に低めで、70 を超えるトランジスタはほとんど無い。

  • ペアとなるトランジスタの hFE はかなり近い値でマッチングされている。

  • 良好な音とされるあるユニットでは、ペアのトランジスタがそれぞれ正確に 56 hFE。

  • 別の良好とされるオリジナルユニットでは、Q1 が 50〜50 台前半、Q2 が約 69 hFE。これらのトランジスタでは、リーク電流が特別に低いわけではなかった。

おそらく参考になるのが、下の画像です。
これは NKT 271 オーディオ周波数トランジスタのペアで、Newmarket がトランジスタをマッチドペアとして販売していたことを示しています。
Arbiter は自社で測定・マッチングする必要がなかった可能性があります。

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1968年以降も数回のバージョンチェンジを経て、Fuzz Face のイギリスでの製造は1976年に終了しました。
その後の半世紀にわたって、この回路は無数のコピーや派生を生み続け、個人製作を含めればいったいどれほどの Fuzz Face が存在するのか想像するだけでも圧倒されます。オリジナルの設計がこれほど長く、多くの手によって解釈され、変化し続けた例は、ペダルの歴史の中でも稀有です。

本稿では、1966年のオリジナルを原典としながら、1990年代以降に登場した代表的な (?) 5モデルを取り上げ、各ビルダーがどのように独自の「解釈」を加えたのかを探ってみます。
また、使用環境や個人の主観に左右されないよう、できる限り構成部品の値をもとに分析を試みました。

以下、ここで使用する部品番号と機能です。スタンダードな命名規則に則ってます。

  • R1 (ベースバイアス): Q1のベースに定電圧を与え、初期バイアスを設定する

  • R2 (ベースバイアス兼フィードバック): Q2のベースへのバイアスと、Q2→Q1間の軽い負帰還を提供

  • R3 (エミッタ抵抗): Q1エミッタの電流制御 → ゲイン安定化・発振抑制・レスポンス制御

  • R4 (コレクタ抵抗): Q2コレクタの負荷 → 出力振幅・ゲイン・倍音バランスに影響

  • C1 (入力カップリング): ギター信号を回路に渡す際の直流カット → 低域通過の調整

  • C2 (フィードバック/ハイカット): 高域の調整 → フィードバック経路でハイをカット/音色の丸み

  • C3 (出力カップリング): 回路出力の直流カット → 次段へのロー通過量に影響、音の厚みやタイトさ

  • Q1 (入力段): 入力信号を増幅し次段に渡す。入力のピッキング応答や初段クリッピング特性を決定。

  • Q2 (出力段): Q1の信号をさらに増幅して出力に送る。コレクタ抵抗 R4 と組み合わせて音量と倍音構造に影響。

  • VR1 (Fuzz): Q1/Q2 の増幅率に間接的に影響 → 出力の歪みの深さをコントロール

  • VR2 (Volume): 回路全体の信号レベルを制御 → アンプ入力に送る信号の大きさを決定

  • Trim Pot (バイアス調整トリム): 各トランジスタの ベースとグランド間 または ベースと電源間 (回路設計による) に接続され、Q1 と Q2 の動作点 (ベース電圧) を微調整する

※ Trim Potが無い場合は、R1/R2 などの固定抵抗がバイアスを決定しています。


Wells Amp NYC | 5:00 Shadow

Released from the late 1990s through the early 2000s, made by MONSTER MAGNET's amp tech Matt Wells. Discontinued.

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シリアル #080

石畳の残るマンハッタン、クロスビー・ストリートの地下作業場で、ひっそりと生み出されていたペダルです。
2000年頃には aNaLoG.MaN でも紹介されていたため、ご存じの方も多いかも知れません。
現在のクロスビー・ストリートは、ブティックやギャラリー、デザインホテル、ハイエンドな飲食店が並ぶ "洗練された" 通りになっていますが、当時はまだ、安価でクリエイティブな地下作業場や小さな工房が混在していました。雰囲気としては、今の清澄白河や蔵前に近いイメージです。

5 o’clock shadow と名づけられたこのペダルは、その名前の印象通り「完璧すぎない、けれど魅力的」なサウンドです。

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トランジスタのパッケージはTO-5 (Transistor Outline 5)。
型番は削り落とされており詳細は不明ですが、米国製の2Nタイプのトランジスタのように見えます。Cesar Diaz が使っていたNTE102のようなものかも?
また、よっぽど厳選したトランジスタを使っているのか、バイアス調整のトリムも設けられていません。

定数としては、Arbiter Fuzz Face よりも R1 をやや低めに設定し、R3 をより大きな値に変更しています。
これによりトランジスタの動作点はやや安定方向へシフトし、ゲインの暴れを抑えながら入力信号の輪郭を明確化。
C1 は十分に低域を通しますが、R3 の値が大きいためローエンドは「伸びる」よりも「引き締まる」方向に作用します。全体としてはタイトで整理されたトーンキャラクターです。
特に、低域が過剰になりやすいハムバッカー使用時に音像を適度に整理する効果があり、ファズの荒々しさを保ちつつも実用性を高める狙いが感じられます。


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#007。この初期個体はタレットボードに point-to-point で配策されている。
(Image credit: Stef and foxie's merchandise)

Wallace Amplification | Fuzz Ace

Initially released in 1991–92 as a limited edition, reissued in 2012, and made by Brian Wallace (Wallace AMP). Discontinued.

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シリアル 0003JP。2012年9月の製作。

Marshall のモディファイ等でも有名な、Brian Wallace (Wallace AMP) が製作していたペダルです。

もともとは1991~92におよそ300個が生産され、そのほとんどが日本市場 (Human Gear 取扱) で販売されました。
Wallace AMPは当時、アメリカ市場ではマニア層向けに一定の認知度を持っていたものの、日本ではほぼ無名であったため、ついペダルブランドだと思ってしまいそうな状況でした。

およそ10年を経て、2012年に突如 Fuzz Ace が復活します。 再生産にあたってはスイッチなどの部品や基板が変更され、バイアス調整トリムも追加されました。
外観デザインはオリジナルと同一ですが、よく見るとプリントの枠ラインが太くなり、コーナー部分は丸みをおびてます。

この個体は2012年製となりますが、オリジナルと同じ回路基板 (MUSA-F1) が使用され、トランジスタも残り物 (left overs) が使われています。

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トランジスタパッケージはTO-1。型番は削り落とされてます。で、他の2012年製リイシューと違って、バイアス調整トリムがありません。

基板を見る限り、R1/R2 の値は Arbiter Fuzz Face と大きく異なり、トランジスタの動作点がズレている可能性がありますが、トランジスタの素性が分からないので何とも断言できないです。
仮に NKT に似た特性を持つトランジスタだった場合、バイアスを下げて導通を早め、より「ファットで密なゲイン」を狙っているのかも。
C1/C3 もやや小さめに見え、ローが削られることで結果的にハイが強調される構成になっています。

Marshall 系のアンプと相性がよさそうです。

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また、この個体はDCジャック増設のMODが施されていて、アダプターでも駆動します。


Cornell Amplification | The 1st Fuzz NOS Transistor Edition

Released in March 2009 and retired in March 2010, made under the brand led by Denis Cornell. Discontinued.
Note that in 2013, a limited reissue of the NOS NKT275 version was released.

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シリアル #0114。certificate date: 16 Oct. 2009

「Dallas Arbiter のために、たくさんの Fuzz Face を作ったよ。ちょうど5年の見習いを終えたところで、彼らは誰かに Fuzz Face をテストしてほしかったんだ。トランジスタのゲインがバラつくから、どれも音が微妙に違ったし、問題の多くはギターを弾いてみないと分からなかったんだよ。実際、私がその仕事に就けたのも、ギターを弾けたからなんだ。」

Tone makers - Denis Cornell | MusicRadar

Cornell は、1960年代に Dallas Arbiter 社でオリジナル Fuzz Face の開発にも関わっていた、Denis Cornell が主宰するアンプメーカーです。

基本的にこのペダルは、2006~2007年に200台限定で生産された Cornell Fuzz Face を、1st Fuzz の筐体に再収納したものです。デザインはオリジナルを踏襲しており、いかにも「顔っぽい」外観になっています。こういうの好き。

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NOS NKT275。印字フォントが太字に見えてならない。

トランジスタには NOS NKT 275 が奢られています。
ただし、Arbiter Fuzz Face に使用された NKT 275 には赤いポイント (dot) が付いていたのに対し、Cornell のは白いドットです。
70年代製とも言われる白ドットの NKT 275 については諸説あり、これは「軍用規格に基づいてテストされ、他のものよりリーク電流がはるかに低い」ことを示しているのではないか、と推測されています。

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Denis Cornell のバックグラウンドから、原典どおりの回路が出てくるかと思いきや、定数は割と変更されています。
R1 を下げてドライブ感を強めたり、R3 はオリジナルの約3倍とかなり大きく、音圧の高さが期待できます。
C2 の値もかなり大きいため、全体としてロー寄りのサウンドにシフトしそうです。

こうした「荒削りで自己主張の強いファズ」が、Denis Cornell が当時体験した Fuzz Face の感触なのかもしれません。
時代の空気までをそのまま再現したサウンドと捉えると、とても英国人らしいアプローチだと言えます。


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2006年製 Cornell Fuzz Face。(Image credit: The Bass Gallery)

Jext Telez Pedals | Jext Face (normal gain ver.)

Released around 2018? Jext Telez was founded in 2013 and is run by Bob Ebeling and Colin Simon. Discontinued.

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シリアル #53

どこか都会と郊外の境目のような場所―ミシガン州スターリングハイツで Jext Telez は誕生しました。創設者のひとり Bob Ebeling はコレクターとしても知られ、ちょいちょい「ひゃーっ」と声が出そうなほどレアなアイテムを放出してます。

このブランドをメジャーにしたのは、Elka Dizzy Tone のクローンや White Pedal ですかね。どちらも素晴らしいペダルです。

ここで取りあげる Jext Face は、1966年の Arbiter Fuzz Face を徹底的に研究しまくった成果といえるペダル。リリースこそ2018年になりますが、着手はずっと前。数台のプロトタイプは既に2015年には完成しています。

「このペダルを仕上げるのに、ホント山ほど時間を費やしたんだ。嫁とは離婚寸前、彼女には速攻で見捨てられたよ (笑)」

Jext Telez Pedals
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トランジスタ、キャパシタ、抵抗の組み合わせにとどまらず、コンポーネントのレイアウト、ワイヤーの種類や長さ、さらには静電容量の影響まで試行錯誤。その積み重ねの結果として、こんなにデカい筐体に落ち着いたわけです。うーむ。

ちなみに、ゲイン別に2パターンが用意されており、赤く塗装された ハイゲイン ver. と青い ノーマルゲイン ver. があります。

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RCA 2N404。TO-5 パッケージのトランジスタです。Q1/Q2 それぞれにトリムポットが設けられています。
R3 を大幅に増加させ、R4 を中程度に設定することで、ローの膨らみを抑えつつ、歪みの明瞭さと抜けの良いブライト感を両立。音が埋もれることはありません。
さらに、トグルスイッチで2つのバイアスポイントを切り替え可能。立ち上がり速度 (レスポンス) や歪みの発生タイミングを好みに合わせて選べます。2N404の高速特性も相まって、鬼のようなレスポンスを実現しています。


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NOS Tungsram AC125 を採用したプロトタイプ。2015年。

Fulltone | the '69 Fuzz

Released in 1994 and later discontinued. The mk2 version was a smaller model and was produced until the company closed. The Slight Return was a limited run around 2010–2011? It uses the same enclosure as V1.

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シリアル #326。1996年10月の製作。

JHS Pedals の Josh Scott が「紙メディアの衰退とともに、ブティックペダルのひとつの時代が終わった」と語るほど、Fulltone は象徴的な存在でした。確かに僕自身も、いまやジャンプは紙ではなくデジタルで読んでいます。

そんな Fulltone を代表するモデルのひとつが ’69 Fuzz。Hendrix マニアでもあった Michael Fuller が、オリジナル Fuzz Face と膨大な Hendrix の音源を研究し尽くして開発したペダルです。
「いい感じのペダル」って評判が口コミで広がり、1996年半ばごろから本格的な量産がスタート。ここで紹介している個体も、ちょうどその時期に作られたペダルです。

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C1/C3がコンシールされた基板。

やはり R3/R4 の定数は、クラシックな Fuzz Face から大きく外れています。
ただし ’69 Fuzz には Bias / Contour という追加ポットが搭載されており、この存在を抜きに語ることはできません。

Bias ポット
Q1/Q2 のベース電圧を微調整し、各トランジスタの動作点 (DC バイアス) をコントロールします。
入力信号に対するクリッピング開始点や歪み量に直接関わるため、Bias を上げると Q1 が早めに導通し、低域がやや引き締まります。これにより、ハムバッカーの強い低域成分でも歪みが埋もれにくくなります。
また、歪みカーブの形状やギターボリューム操作への追従性、アタック感やレスポンス速度にも影響を与えます。
リスクとしては、高すぎる設定では Wah のロー域で発振が起こることもあります。

Contour ポット
回路全体の中低域の量感と倍音構造に影響するポットです。Bias と混同されがちですが、微妙に異なる役割を担います。
中低域をわずかに削ったり強調することで音の厚みや抜けを調整し、クリッピングの入り方を微調整してゲイン感を補正することも可能です。さらに、ピッキングニュアンスの反映されるタイミングを変えるなど、レスポンス面の調整も行えます。

なお ’69 Fuzz の4ノブ構成は、Analog.man Sun Face の内部トリムを含めた 4 ポット構成とほぼ同じ考え方といえます。

ともかく。
Bias / Contour ポットは R3 (エミッタ抵抗) と密接に作用します。R3 が高めに設定されているため Q1 のゲインが抑えられ、その分 Bias / Contour の調整幅が広がります。
これによって、従来の Fuzz Face 系に見られる「音作りの一択感」を克服し、広い調整幅と扱いやすさを実現しています。

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一部を塗りつぶされたTO-1 トランジスタ。時期によって搭載トランジスタは異なる。

また Michael Fuller は、Q1 と Q2 の hFE 値をあえてミスマッチさせる手法を採用しています。推奨値としては「Q1=70、Q2=120」あたりがよく知られていますが、資料によっては「Q1=85〜95、Q2=100以上」といった記述もあります。
この ’69 Fuzz では、トランジスタに "98" と "113" がメモされてました。

前述の公称 hFE や、D*A*M フォーラムで報告されている値と乖離がありますが、hFE は測定条件によって大きく変わってくるため、さほど気にしていません。
低電流域 (Ic = 100µA〜1mA) でのチェックであればこの値は普通にありますし、いわば Fulltone 独自基準での相対的な hFE 表示でしょう。

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"Wave"マーク。なぜこんな場所に。


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1994年製。手書きロゴ時代の the '69。
この頃のペダルには Michael Fuller 秘蔵の NKT 275 (Red dot) が載っていた。
(Image credit: Gear Garage)

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6モデルの位置づけ

今回取り上げた5モデルに Arbiter Fuzz Face を加え、計6モデルを6つの評価軸で整理しました。
ただし、これは「ペダル単体を机上に置き、電気的挙動だけを観察した場合」のシミュレーションです。
ギターやアンプ、奏者といった本来不可欠な要素を切り離し、あくまで回路が持つ「素のキャラクター」を抽出したものと捉えてください。

実際の音楽的な結果 (心地よさ、抜け、弾きやすさ) と必ずしも一致するわけではありませんが、設計思想や部品構成の違いを理解する手掛かりにはなります。
言い換えれば、ファズ体験の一部を切り取った、理科室的なスナップショットです。

もしこれが先入観を与えてしまうとしたら、その点は謝ります。ごめんなさい。

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グラフ1. ポテンシャル最大値

まず、正直に言うと僕自身がこの結果にショックを受けてます。5:00 Shadow が一番好きなのに…。

グラフは各モデルが持つポテンシャルの最大値を示しているため、設定次第で下げることが可能です。

下限値では、このような結果になります。

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グラフ2. ポテンシャル最小値

もちろん「調整で下げられる」とはいえ、そのモデル固有のキャラクターはしっかり残ります。

に、しても。'69 Fuzz がヤバいです。これだけ残してあとは売ってしまってもいいのでは?


追記: トランジスタについて

古典的でシンプルな Fuzz Face 回路において、トランジスタが音色に寄与する割合はおおむね 50〜60% といえます。
特に Q2 はファズ感 (歪み、サスティン、倍音の出方) を作る役割を担うため、シビアな選定が必要です。Q1 はリークが少なめであれば広めの範囲で使用可能ですが、Q2 は hFE とリークのバランスが狭い範囲に収まらないと良い音になりません。

気の利いたパーツショップでは商品に hFE を記載してますが、実務的には hFE はあくまで目安に留め、リーク電流 (I_CBO, I_CE0) を重要視します。ゲルマニウムトランジスタは温度依存性が強く、リーク電流が大きくなりやすいためです。リークが大きいとバイアスがずれて音が暴れたり、ゲートが閉まらないような挙動が出るため、hFE とリークをセットで管理するのが必須になります。

また、回路の動作原理から見ればパッケージの違いは問題になりません。Q1/Q2 の役割に沿った条件さえ満たしていれば、パッケージの混在もアリです。実際、1970年代の修理個体でも「Q1 = AC128 (TO-1)、Q2 = 2N404 (TO-5)」といった組み合わせは普通に見られました。
とはいえ、同じ種類で揃える方が雰囲気もあるし温度挙動が揃いやすく、管理しやすいメリットはあります。

今回取り上げた5つのペダルも、型番を明記しているのは 1st Fuzz だけで、他はパッケージこそ同種ですが、型番はあえて隠されています。

では最後に、TO-1 (Transistor Outline 1) トランジスタをいくつか紹介します。

The original TO-1 case

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左から右へ : Red point AC128、NKT275、ASY70およびAC151 (Siemens のオリジナルケース)

基準となるTO1ケースは、円筒形で短く、つや消しの金属製。リード線は狭い開口部を通って外に出ます。
1964年前後の Mullard-Philips ACxxxシリーズが、事実上のスタンダードを確立しました。

本文でもちょこっと触れた赤いマークは、AC125やAC128などのPNPモデルに付けられ、NPNモデル (AC127やAC176など) には青いマーク (Blue dot) が付けられていました。どちらも共通して、コレクタにマークされます。

Siemens のは光沢のある金属製で、ケース下端のリムが特徴です。バー付きの "S" ロゴがあれば、間違い無く Siemens 製です。
私感では Siemens 製トランジスタは品質が高くて、ゲインが大きくリーク電流が少ないように思われ、競合品よりも高域が豊かに増幅されるイメージがあります。

The long TO1 case (リム付き)

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左から右へ : AC128 (汎用)、Tungsram製 AC128およびAC125、東欧製 SFT308とGT2307、GC301C (GDR製)

この長くて細いケースは輸出向けに使われることが多く、しばしばブランド表示が無かったこともあって、どちらかと言えば低い評価をされてます。
でも、このファミリーには AC125、AC128、AC188、オリジナルSFTなどのバージョンも存在し、そうは侮れないトランジスタです。

東欧諸国でもライセンス生産されており、それらにはケースに特定ブランドの印字がありません。

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