第9回オルツ元副社長「称賛への渇望が強かった弟」専門家が見る不正の構造
上場から約10カ月で倒産したAI開発のオルツ。元副社長の米倉豪志氏(49)は朝日新聞のインタビューで、不正は知らなかったとした上で、弟で当時社長の米倉千貴氏(48)の言動にパワハラの恐れがあるとして社内で一時問題化していたと明らかにした。専門家は、不正会計の背景として実態を知る意義があると指摘する。
――豪志さんが在職中に不正を知る機会はなかったですか。
「僕自身は(不正会計があった)議事録作成サービスには関わっていない。取締役会にはZoomで出ていたが、第三者委員会の調査報告書でもわかるように、取締役会の報告では不正は知り得なかった」
――第三者委の調査報告書では、不正の実行メンバーに豪志さんは含まれないものの、千貴さんが2021年10月に「兄も不正を知っている」という趣旨をSlackで実行メンバーに伝えたくだりがあります。
「僕が不正を知ったら止めたと思うし、21年春を最後に弟とは言葉を交わしていない。だからこそ調査報告書には注釈をつけて、僕が『(不正を)把握していたと認定したものではない』とあえて書いてくれたのだと思う」
「説明責任が自分にある」
――不正の兆候もなかったですか。
「辞める間際の22年8月の…