Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。

話が進みませんね。


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「ん、烏合だね」

 

『所詮は群れることしか出来ない連中ですね』

 

 グッタリとして意識のないヘルメット団の1人を投げ捨て、レイヴンは手に付いた埃を払う。

 レイヴンの周囲には大量の残骸が散らばり、呻き声をあげるヘルメット団と不良たちが倒れていた。

 

 結局、レイヴンにちょっかいを掛けてきたくせにものの数分でメンバーの過半数は倒され、残りの面々も這う這うの体で散り散りとなって逃げていった。

 

 レイヴンは近くに転がっていた不良の腹を蹴り上げた。

 鈍い音を立ててうつ伏せから仰向けに体勢が変わり、今度は顎を蹴る。ヘルメットが音を上げて外れ、隠れていた素顔が顕になった。

 

「ガハッ!?」

 

「お前たちがここにいる理由は?」

 

「イギッ……!?」

 

「ここにいる理由は?」

 

 膝を突くと不良の髪を掴み、レイヴンは目線を合わせながら質問をする。

 

「だ、誰がお前なんか────オゴッ!?」

 

「ん」

 

 口腔に人差し指と親指を突っ込み、奥にあるモノを掴むと引き抜いた。

 

「ギャァァァアッ!!?」

 

「ん、うるさい」

 

「ヒギッ!?」

 

 汚い悲鳴が砂漠に響きわたり、レイヴンは僅かに顔を顰め顔面を砂の地面にたたきつけ黙らせた。

 

 引き抜いた指は唾液にまみれ、テラテラと光っておりその先端に血と肉片がこびり付いた奥歯が摘まれているのが見える

 少し力を込め奥歯を砕くとレイヴンは語気を強めて問いかけた。

 

「ここにいる理由は?」

 

「ヒッ、い、いう!! 言うから!! もうやめて!! お願いだから!!」

 

「さっきから聞いてるよね? 頭悪いの?」

 

 心がへし折られ、顔を真っ青にしながら不良は捲し立てた。

 

 自分たちはとある企業に雇われ、定期的にアビドス高等学校という学園を襲撃していること。

 襲撃を行うためにその企業から支援されていること。

 今日はこれから襲撃をかけようとしていたところ、その道中でレイヴンを見つけついでだから小遣い稼ぎの意味で襲ったこと。

 

 要約すればこんな内容だった。

 

「また、カイザー……ね」

 

『私たちがかなりのダメージを与えたというのに元気なものですね』

 

「『懲りない奴ら』」

 

 どうやら手引きをしているのは何時かにレイヴンとエアがそれなりにダメージを与えてやったカイザーグループらしい。

 それを知った時の二人の心境としては『アイツらホント無駄に勢力広いな』という呆れたようなものだった。

 

 ガタガタと震えてる不良を後目にレイヴンはどうしたもんかと思う。

 何が目的でアビドスの学園を狙うかは分からない。けど、何かがあるというのは確実だ。

 自分の目的と被る場合があるならば。

 

「その時は潰せばいいか」

 

『ですね。とりあえずはどこに向かいますかレイヴン?』

 

「んー……ねぇ」

 

「ヒッ!?」

 

「その反応はいささか傷つくね」

 

『レイヴンが声をかけてるのに失礼ですねこの人』

 

 その原因でもあるのにレイヴンとエアそのことを敢えて無視し、不良と目線を合わせた。

 

「アビドス高等学校ってどこの方角?」

 

「い、言うから、もう痛いこと、しないで……!!」

 

「それはお前の出方次第だね」

 

 言外に虚偽のことを言えばわかるな? と言う意味を込めて目を細めれば不良は恐怖に引き攣った顔で何度も縦に頭を振る。

 

「こ、ここからアッチに確か10キロくらい進めば、比較的砂漠化の進んでない場所に出る。

 それで、中心に行けばそこがアビドス高等学校だ! ほ、ほらこれでいいでしょ!?」

 

「ん、ありがと」

 

 レイヴンは言うと懐から1枚の紙を取りだし、サラサラと何かを描き殴れば不良の目の前に落とす。

 ヒラリと揺れながら落ちてきたソレに一瞬だけ不良はビクりと体を揺らすが、すぐに危険なものでは無いと分かると恐る恐る聞いた。

 

「な、なにこれ……?」

 

「正当な働きには正当な報酬……でしょ?」

 

 レイヴンが不良に与えたのはそれなりの額が記入された小切手で贅沢さえしなければ治療費含めてそれなりに過ごせる額が記入されている。

 

「じゃ、またね」

 

 レイヴンは用が済んだとばかりに踵を返して歩き出す。

 離れた位置にある砂上オートバイに跨り、不良の示した方角へ進む背を見送り見えなくなったところで不良はポツリと呟く。

 

「…………こんな生活、もうやめよ」

 

 こんなバカみたいなこと続けてたら何時またあんなのと遭遇するかと思ったら気が気では無い。

 真面目に勉強して真面目に過ごそう、その方がいいに決まってる。

 ボロボロと涙を流し、心が完全にへし折られ粉々に砕かれた不良少女は誓うのだった。

 

 

 

 

「見えた、アレが言ってた学校かな?」

 

『恐らくそうでしょう。誰かいるといいのですが……』

 

「居なかったら適当に漁ろうか」

 

 不良が言ってた通りの方向に進めばまだ砂漠に呑まれていない市街をみつけ、レイヴンはその中心を進んでると校舎らしき建物が見えた。

 アビドス高等学校という名札のある入口の校門近くに砂上オートバイを止め、大腿部ホルスターから長銃身ハンドガン『HG-004 DUCKETT(ダクケット)』を引き抜きセーフティーを解除。

 腕を伸ばして銃口をやや下に向け、保持。ローレディポジションという姿勢のままレイヴンは敷地内へと踏み出した。

 

 目に映るのは円形のトラックに物置や遊具、朝礼台や体育館に薄汚れた白い校舎という学校と言えばコレという在り来りなデザインが広がる。

 

 その中を素早く索敵をしながら進み、ものの数分ほどで本校舎の正面入口へと侵入。

 誰もいないことを確認し、校舎を探索し始めた。

 

「……誰もいない」

 

『……ですね。人気が全くありません』

 

 けれど、ものの数分でレイヴンとエアは怪訝な声色で呟く。

 殆どの教室が空き部屋となっており人気が全くないのだ。

 大半が砂漠に埋まってたとしても広大な自治区を持つ学園の校舎がこんなにも人気がないものだろうか? 休みだとしても最低限の職員くらいいるだろうに。

 

「……生徒会の部屋なら何かあるかもね」

 

『ですね。最低限の情報くらいは保管してるでしょうから』

 

「ん」

 

 この有様ではマトモなものなどないだろうが、レイヴンはそう思いながら壁にかけられている見取り図から生徒会室のある場所を見つけると廊下を進む。

 その間も誰かに出会うことはなく階段をいくつかのぼり、数分ほどでレイヴンは目的の部屋に辿り着いた。

 

 扉越しに聞き耳を立て、何も聞こえないことを確認。

 少しだけ扉を開け、中をのぞき込む人影はなし。

 

 素早く開け放ち、体を滑り込ませクリアリング。数回ほど繰り返し、レイヴンは誰もいないことを確認すれば僅かに肩の力を抜く。

 

「ザル警備だね」

 

 一応統治を行うための中枢だと言うのにこんな簡単なトラップすらなく侵入出来たことに些か以上に拍子抜けしてしまった。

 けれど、悠長にしてる暇では無いためレイヴンは手早く目当ての情報がないかを漁り始める。

 

「エア、一応サーバーとかのデータの吸い出しお願い」

 

『分かりましたレイヴン。……といっても、あまり良さそうなものはなさそうですがね』

 

「一応、ね」

 

 机の上に散らばったチラシやらポスター。何かの催促状だったり支払詳細。

 棚の中には名簿や地図やファイルを次々と見つけるがどれもどうでもいいものばかりだ。

 

「んー……機械の蛇のことは全然見つからないな」

 

『こちらもです。……殆どが借金返済などの記録ばかりでした。

 そもそも、何故こんなにも借金などしてるのでしょうか?』

 

「さぁ、私たちには関係ないしどうでもいい事だよ」

 

『ですね』

 

「ん、それにしてもここ数十年の記録がほとんどない。

 ウタハの言ってた通り、校舎を移してる間に散逸したのかな?」

 

『その可能性が高いでしょう。どこかに今まで移転した校舎の地図があるはずですが……』

 

 2人で悩んでると。

 

「ですからユメ先輩は緊張感がないんですよ。危うく砂嵐に巻き込まれて生き埋めになるところだったんですよ?」

 

「ご、ごめーんホシノちゃん。まさかあんなことになるなんて思ってなかったんだ〜」

 

「ごめんで済んだらヴァルキューレは必要ないんですよ。

 私より重いのに吹き飛ばされそうになるなんてふざけてます?」

 

「ホシノちゃん、それはつまり暗に私がぽっちゃりしてると言いたいのかな……!?」

 

「フッ……」

 

「こ、この子鼻で笑った!?」

 

「ハイハイ。そんなことよりもきょ、う────は?」

 

「どしたのホシノちゃん? 急に立ち止まっ……てぇ?」

 

「『ん?』」

 

 ガラリと開かれ、邂逅する。

 背丈の低い鋭い目付きとピンクのショートヘアの少女とその少女よりも身長の高い柔らかな雰囲気を持つブルーグリーンの少女の2人がレイヴンの目に映った。

 

「…………お邪魔して、マス?」

 

「「あ、どうも」」

 

 思わずレイヴンは頭を下げると釣られたように2人も頭を下げる。

 

「って、じゃなくて!! 誰ですか貴方は!? 

 なんでここに部外者がいるんですか!! というかその書類は関係者以外見てはいけないんですよ!?」

 

 けれど直ぐにピンク髪の少女のほうはどなってレイヴンに詰め寄るが、それにレイヴンは鬱陶しそうに。けれど、書類を読む手を止めずに答える。

 

「こんなザル警備のところに置いてる書類の機密性なんてたかが知れてる。

 文句があるなら最初から金庫に入れておけば?」

 

「はぁ!? なんでこちらが悪い風に言ってんですか!」

 

「キャンキャン五月蝿いな……カルシウムとれば?」

 

「毎日牛乳飲んでますけど!」

 

「……ああ、そう」

 

「おいこら、ユメ先輩と私のドコをみてナニを思ったんだ?」

 

「……フッ」

 

「ぶっころ!」

 

 ピンク髪は据わった目つきで下げていたショットガンを構えようとした瞬間、両脇から手がニョキリと生えたかと思えば勢いよくピンク髪が持ち上げられた。

 

「はーい、クールダウンだよホシノちゃん!」

 

「離してくださいユメ先輩! 私は全身全霊を掛けて目の前のアイツをボコさなければいけないんです!!」

 

「まぁまぁ、落ち着きなってホシノちゃん。それに私からしたらホシノちゃんの方がいいと思うよ? 

 おっぱいなんて肩がこるだけだし」

 

「当てつけですか!? 張り倒しますよ!」

 

「えぇ……なんでそんなに怒ってるの?」

 

 持たざる者の気持ちは持つ者が永遠にわかることは無いだろう、そんな悲しい一幕がありつつレイヴンが思ったことは『さっさと帰りたい』だった。




続きません
アビドスの切れたナイフ時代のおじさんが出てきましたね。ユメ先輩どうしよう。本編どおり始末するかどうか・・・・

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