Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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つづきました。
祝、UA5万突破。やりましたね〜。
前話の感想で黒服があぼんする感じになってるのには笑いますねー。
黒服の命運はどうなるんでしょうねー。


10

「見つけた。アイツの言ってたドローンだ」

 

『見事に破壊されてますね……ログが回収できるか試してみましょう』

 

 廃墟を探索すること数十分。その過程でいくつかビーコンを設置しつつ、レイヴンは辛うじてドローンと判別ができる残骸を発見する。

 周囲をレーダーで索敵し、敵影を確認出来なかったためログを回収するために近づいた。

 

「エア、お願い」

 

『わかりました』

 

 レイヴンはエアにドローンのログの回収を頼めば、終えるまでに軽く周囲を探索し始めた。

 

「アイツが言うにはドローンを撃墜した兵器があるって言ってたっけ……」

 

 思い出すのはキヴォトスの外から来たと言っていた怪しさ全開の存在からのブリーフィング内容。

 

「ここの廃墟の朽ちようから見てかなりの時間が経ってるのに加えて最近まで水に沈んでたっぽいのに稼動状態を維持してる兵器か……」

 

 ルビコンでも半世紀以上も稼動状態を維持していた兵器はあった。

 それに、自分やエアがキヴォトスに流れ着いた以上は他にも流れ着いていても不自然では無い。

 

「……歩兵武器で対抗出来るとは思えないな」

 

 二脚MT程度ならば何とかできるだろうが、4脚MTやACサイズの兵器を生身で相手をするのは流石に勘弁願いたい。

 そんなことを思っていれば。

 

『レイヴン、ログの回収を終えましたよ』

 

「ん。どんな内容だった?」

 

『大したものではありませんでした。周囲の地形のスキャン記録が幾つかと最後に撃墜されるまでの映像くらいですね』

 

「スキャン記録はどうでもいいや。映像だけ見してくれる?」

 

『わかりました』

 

 後頭部のバイザーが下り、目元を覆えば回収した映像データが流れ始める。

 記録された映像はそこまで長いものでもなく、ビル群の間をドローンが飛んでいれば突如振動が走り、爆発。そのまま回転しながら墜落したというものだった。

 

「兵器のシルエットくらいあると思ったけどそんなこと無かったか」

 

『一応攻撃された時の感じからしてミサイルなどの爆発物を使われたというのは推測できますが……』

 

「仕方ない。次のドローンのログを回収しよう。

 座標にマークしてくれる?」

 

『わかりました。それと、いつドローンを破壊した兵器と遭遇するか分かりません。気をつけて進みましょう』

 

「ん」

 

 バイザーが上がり、視界に表示されたマーキングに向けてレイヴンは駆け出す。

 その過程で巡回らしき武装ドローンや無人兵器を難なく処理を行っていれば。

 

『レイヴン、ビーコンを設置可能な地点を見つけました。丁度そこにもドローンがあるみたいです』

 

「じゃあ回収ついでに設置しておこうか」

 

 もうひとつの仕事を思い出し、レイヴンは肩から下げたケースの重さを確かめる。

 ドローンでは目立って撃退されたためか、こうして設置型のタイプに変更したのかもしれない。

 

 そんなことを思いつつ、レイヴンは目的のドローンにたどり着く。

 そこはビルの屋上で、それなりの高さのおかげか周囲を見渡すことが出来た。

 

「よいしょ」

 

 エアがログの回収を行ってる横でレイヴンはケースを開き、中からポール状のビーコンを取り出した。

 かなりの重さのそれをレイヴンは持ち上げ、掲げると尖っている部分を下に向けて振り下ろす。

 

 ガスッ、コンクリートの地面を貫き黒塗りのポールが直立すると端末を取りだしてビーコンを起動キーを操作。

 ビーコンが延伸し、センサーが露出すると明滅し始め完全に起動したことを知らせてくれた。それと同時に。

 

『レイヴン、興味深いログを見つけましたよ』

 

 エアが言ってくると、端末から顔を上げレイヴンは尋ねた。

 

「どんなの?」

 

『今表示します』

 

 エアが言うと、視界にひとつの画像が表示される。

 どうやら周囲一帯をソナーでスキャンしたもののようだ。

 地上などはなんの問題もないが、下部分……地下にあたる大部分にはノイズが走っていた。

 

『この部分。地下にとても巨大な空間が広がっているようです』

 

「ん、本当だ。これが目的の研究施設?」

 

『それで間違いないかと』

 

「じゃあ、ほかのドローンのログも回収していけばすぐに入口まで行けるかもね」

 

『ですね。けれど、気になることがひとつあります』

 

「防衛兵器のこと?」

 

『ええ。あの存在が言っていたようにドローンは何かによって撃墜されていました。

 ですが、今の所遭遇はしていません。つまりはこれから向かう先にその兵器が待ち構えてる可能性があることです』

 

「無警戒で進んでズドンも有り得るね。警戒しながらログを回収しよう。

 兵器のほうは無理して破壊する必要も無いし」

 

 いつかのウォッチポイントでの戦闘を思い出しつつ、レイヴンは助走をつけて走り出す。

 

「よっ」

 

 屋上の縁で跳躍し、別のビルに飛び移る。

 それを数回繰り返し、ビルとビルの間にいたときにソレは来た。

 

『ッ! レイヴン、遠方より高熱源反応!!』

 

「ッッ!」

 

 身を捩り、腰の翼を可動させ急降下。

 さっきまで自分がいた位置に青い閃光が迸った

 

「チッ!」

 

 舌を打ち、ビルに向けて右手を向けて手首に嵌めている機械からワイヤーが射出。アンカーが突き刺さると同時に一気に引き寄せた。

 

 再び青い閃光が迸り、空気を焼いてレイヴンのすぐ後ろを通り過ぎ進路上にあったビルへと着弾。そして爆発。

 

『攻撃種別判明、レーザーによる狙撃です!!』

 

「キヴォトスの科学力だとレーザー兵器の実用化はまだじゃなかった?」

 

 今度はミサイルが飛来し、レイヴンは即座にビーコンの入っていたボックスを投棄。バーストライフル『MA-J-200 RANSETSU-RF』を構えて発砲した。

 

 撃鉄が弾丸の尻を叩き、銃身を通って弾頭が発射される。

 空気を引き裂き、音速へと達した弾丸はミサイルへと着弾。爆発。

 いくつかのミサイルも伴って空中に爆炎が上がり、風圧がレイヴンの身体を包んだ。

 

「っ……」

 

 翼をはためかせ体勢を整え、危うげなく地面へと着地したレイヴンは即座に走り出す。

 

「エア、狙撃位置の特定出来てる?」

 

『問題ありません。敵機機影、最大望遠で表示します。

 恐らく、この兵器がブリーフィングにあった防衛兵器でしょう』

 

 視界に表示されたソレと似たようなものを出すならBAWS製の4脚MTだった。

 純白の装甲に、踏みしめる4本の足。上部には自分を狙撃したものらしき巨大な砲門が一門。両側面には腕部ではなく一門ずつガトリングが取り付けられ、ミサイルは恐らく後部にあるのだろう。

 そして何よりも目を引くのが。

 

「輪っかがある……?」

 

 自分の頭部にもあるヘイロー(ソレ)がその兵器にあったのだ。

 キヴォトスでは一部の人間の頭部にある不可思議な物体。触れることは出来ないが、確かにソコに有る。

 けれど、機械にあるなんて聞いたことも見た事もない。

 

「考えてる暇なんてないか……」

 

 戦闘に関係ないことは後で考えればいい。今わかってることは一つだけ。アレは自分を脅かす存在だ、ということだ。

 

「エア、アイツへの最短ルートを表示して」

 

『はい。ルート検索……検索完了。表示します! 

 レイヴン、ご武運を』

 

「ん!」

 

 ──システム 戦闘モード 起動──

 

 後頭部のバイザーが下り、目元を覆えば視界全体にUIが表示される。

 敵機の現在地は依然変わりなく狙撃体勢を維持しており、レイヴンは戦意を静かに滾らせながらエアのナビゲートに従い最速最短で走る。

 

 ACならばすぐたどり着ける距離をチマチマと走って縮める。そもそも生身でACサイズの敵と戦うこと自体がおかしなことだが、ないものねだりをしても仕方ない。

 

『敵機、ロックオン来ます!』

 

 ロックオンアラートが響き、エアの声が張り上がる。

 遠方から構えられた砲門に凶悪な青い光が見え、普通なら歩みを緩めて障害物かなにかに身を潜めるだろうがレイヴンは構わず突き進んだ。

 

『1、2、3……今!!』

 

「ッ!」

 

 発射されると同時にレイヴンは腰のベルトから円筒状の物体を取りだし、前方へ投げる。

 それは進行方向の空中で破裂。鈍銀色の煙幕が広がるとそのまま突入。そしてレーザーがレイヴンのいる煙幕へと直撃した。

 だが、レーザーは煙幕を突破することはできず煙幕の表面を這うように拡散。飛び散ったレーザーが周囲のビルやアスファルトを焼くだけに留める。

 

「レーザーはルビコンで嫌という程知ってる。使い方も、その対処法も」

 

 先程投げたのは円筒型の物体はロックオンの阻害を行うチャフグレネードで、レーザー兵器の性質を知っていたレイヴンは咄嗟の機転で防御手段として用いたのだ。

 

「おまけに、それだけの威力のレーザーだってそんなに連発もできないだろう」

 

 着実に距離を縮め、レイヴンはついに兵器を肉眼で把握出来る距離にまで近づけた。

 

「チッ、雑魚で足止めしてるのか」

 

『大量にいますね……足を止めれば即狙撃が飛んでくるでしょう。

 大雑把ですが実に効果的です』

 

 唯一、防衛兵器の元へと向かうことの出来る巨大な川にかかった橋を塞ぐように大量のアンドロドタイプやドローンタイプの無人兵器の数々。

 その先の終点で件の防衛兵器が待ち構えている姿が見えた。

 

「最速で突っきる」

 

 ランセツRFのマガジンを交換し、レイヴンは一気に突貫する。

 当然無人兵器たちは照準をレイヴンに合わせ、視界内に大量の弾道予測線が表示され真っ赤に染まった。

 

「エア、ダメージレベルが低いものを除外。危険度の高いものだけ表示して」

 

『了解しました。加えて包囲の網が薄い箇所もハイライトし、ガイドを表示します!』

 

「さすがエア」

 

 幾らか密度の薄くなった予測線とガイドに従い、レイヴンは突っ走る。

 最小限の動きで攻撃を交わしつつ打ち捨てられていた廃車を踏み台にして一気に跳躍。

 

 空中で翼を広げてバランスをとれば体勢を安定させ、両手に持ったランセツRFの照準を合わせて一気にマガジン内の弾丸全てを吐き出した。

 

 兵器たちに弾丸が当たり、何体か地面へ沈んで少しだけ弾幕が薄くなると、レイヴンは空中で回転して足裏を兵器に向けて突っ込んだ。

 

 丁度落下地点にいたアンドロイドの頭部に足が突き刺さり、頭部が宙を舞う。

 着地したレイヴンは転がっていた頭部を蹴りつけ、別の兵器へぶつけて強制停止(スタッガー状態)にさせ、もう一度蹴りつける。

 

 ほかの兵器たちを巻き込んで吹き飛び、一気に弾幕が薄くなればバズーカを持っていた大柄のアンドロイドへマガジンの尽きたランセツRFを投擲。

 かなりの速度を乗せて投げられたランセツRFはそのアンドロイドにぶち当たった瞬間、ダメージに耐えきれずに粉砕。周囲にパーツが飛び散り、アンドロイドは体勢を崩す。

 

 一気に踏み込み、懐に飛び込んだレイヴンは既にリロードをしていたもう一丁のランセツRFを首の可動部に差し込み零距離射撃を行う。

 アンドロイドの内部をズタズタにし動かなくなると残弾のないランセツRFを放棄して、アンドロイドが持っていたバズーカを掴み取り跳躍。

 逆さまの視点で敵の密集している場所に向けて装填されていたロケット弾を纏めて発射。

 

 弾頭が加速し、着弾。空気を押しのけ一気に爆発する。

 大きな爆炎と衝撃が橋を揺らし、レイヴンは回転してその爆風の勢いを翼を広げることで受け止めることで利用し飛距離を稼いだ。

 

『敵目標、残り500m!!』

 

「んっ!」

 

 弾幕はより濃密に、より苛烈になっていくけれど被弾を抑えるか兵器をワイヤーでひっかけ、即席の盾として防ぐ。

 ミサイルが飛んでくればワイヤーで捉えた兵器をぶん投げて的とする。

 それらを繰り返せば、ついに防衛兵器を、有効射程へ捉えた時に突如として視界を埋める爆発が発生した。

 

「なっ!?」

 

『橋を爆破させた!?』

 

 橋の前後が爆発し、橋が大きな音を立てて川へと落下を始める。

 レイヴンは直ぐに飛び移ろうとするが。

 

「チッ!! 邪魔ッ!!」

 

 命のない無人兵器たちは構わずレイヴンへと攻撃を行い、向かうのを阻もうとすることに舌を打つ。

 

『レイヴン、急いでください! このままでは間に合いません!』

 

「わかってる!」

 

 アンドロイドの足を払って頭部に右手のバーストマシンガン『MA-E-210 ETSUJIN(エツジン)』の弾丸を叩き込み、左手からワイヤーを射出し上空のドローンを捕まえて振り回してほかのドローンを巻き込んで墜落させた。

 瓦礫を踏み台にして飛び跳ね、右手からワイヤーを射出し何とかワイヤーが伸びるギリギリの距離でアンカーが橋へ突き刺されば一気に巻き上げを始める。

 

「後、少しッ……!」

 

 もう少しで辿り着くと思った瞬間、青い光が瞬き引き寄せられていた感覚が突如として消失した。

 

「『ッ!?』」

 

 レイヴンの視線を自動で拡大したバイザーが何が起きたを知らせる。

 アンカーの突き刺さった箇所を中心に融解しており、ソレが防衛兵器のレーザーによるものだと理解できた。

 

『レイヴン! ミサイルが来ます!!』

 

「ん!」

 

 思考を切りかえ、飛んでくるミサイルをレイヴンは迎撃を開始する。

 

「数が……多いっ!」

 

 けれど、弾幕は多く誘爆を狙ったとしても対応が追いつかずついにレイヴンへと直撃した。

 

「ガッ!!?」

 

『レイヴンッッ!!』

 

 エアの悲痛な叫びが響く。

 そして、残りのミサイルも全てレイヴンへと殺到し爆発を起こした。

 巨大な黒煙が発生し、それを引き裂いて黒い影が川へと落ちれば水飛沫がつくられる。

 

 そして、騒がしかった廃墟は静かとなり残ったのは戦闘の余波である煙が空高く上がるだけだ。




続きません。
レイヴンくんちゃん、初めての敗北。果たしてどうなる!

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