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銚子ちょうしに乗ってすみません

 令和7年(2025年)9月の旅より。千葉県東端、ワンちゃんの耳のように海へと突き出した銚子市を訪れ、経営崖っぷちで知られる銚子電気鉄道(株)犬吠いぬぼう崖っぷちラインに乗ってきました。

最終修正:令和7年10月11日 (1)

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 金沢からの夜行バスをバスターミナル東京八重洲やえすで降りました。こちらの紀行文の続きになります。


 
 バスターミナル東京八重洲へ初めて来たのですが、非常にオシャレで高級感のあるターミナルですね。のりばは地下2階。カウンターは地下1階です。

 地下2階ののりばには、オリオン、リモンバス、ウィラーエクスプレス……さまざまな夜行バスがひっきりなしに着いては出ていきます。「MEX」とロゴの目新しい岩手県北バス、高知駅前観光、行き先に「さいたま」とだけ書かれたさくら高速バス。ミルキーウェイのさくら観光。山一サービスの「アミー号」……。


 
 そんななか、千葉県へ向かう京成バスの短距離高速路線の姿が……。犬吠埼いぬぼうざき太陽の里ゆき、東京銚子線です。これに乗りたいと思います。

 この路線には何種類か経路があるようで、これから乗る6時55分発は“旭ルート”と呼ばれる系統でした。JR総武本線の旭駅近くを通るということでしょうか。


 
 全車自由席の短距離高速バスですので、能登特急のようなスタイルなのかなと思いきや、意外にも後部トイレ付き。ただ、充電設備はありませんでした。

 宝町ランプより首都高に乗り、川の上を走り、隅田川を渡って……。


 
 船橋競馬場が見えました。

 走るのは東関東自動車道。右に見えていた架線はJR京葉線でしょうか。なんと「120」との最高速度標識が出ており、バスもかなりテンポ良く走ります。


 
 成田空港へのジャンクションを尻目にさらに走って……、下道へ降りて最初の停留所、大栄だいえいで1名下車。一般路線バスでは「桜田坂上」という停留所でした。ここは成田市域にあたるようですね。

 香取市に入り、つぎの栗源くりもとでも1人が降りていきました。たしかJRバスの路線図で見かけた地名ですが、車窓にはそれらしきバス停は見当たらず……。

 車窓は農場が続き、しかし田んぼがほとんどなく、芋などの畠ばかりが目立ちます。


 
 山田、干潟ひかた、旭ニュータウンと降車なし。

 運賃表示器がネズミのキャラクターでデコレーションされています。なにせオリエンタルランドは京成グループですものね。


 
 近くにイオンタウンの見える旭中央病院東で4人も下車。代わって1名が新しく乗ってきました。

 ここからは通院に対応してオープンドアになっているようで、高速バスとローカルバスが同居した雰囲気に。

 “高速○○”というバス停が続くので、てっきり再び高速に乗るのかなと思ったのですが、これは高速道路のバス停という意味ではなく、高速バスのバス停ですよという意味みたいですね。あくまでのどかな道が続きました。


 
 イオンモール銚子へ乗り入れました。このあたりがいまの銚子市の台所なのでしょうね。周辺には、さまざまなロードサイド店が集まっていました。


 
 銚子駅で下車しました。運賃は2,700円。さすがに醤油の名産地で、駅前からすでに醤油の香りが漂っています。


 
 JR銚子駅です。


 
 南国ふうの雰囲気でした。


 
 銚子まで、いまも特急列車が乗り入れているのですね。どことなく七尾っぽい。


 
 “崖っぷち”で有名な銚子電鉄に乗ります。JR銚子駅ホームの東の端っこを間借りして専用のりばがありました。なんとなく第三セクター鉄道のようなスタイルですね。


 
 ネーミングライツで凄い駅名になっています。


 
 10時00分発、外川とがわゆきです。南海の中古ですね。


 
 ワンマンカーなのだろうと思っていたら、女性の車掌さんが乗っており、巡回しながらキップを販売していきます。「孤廻手形こまわりてがた」なる1日券がつぎつぎと売れていきました。夢グループの石田社長と保科有里さんもPRされていたチケットですね。片道か往復かを聞き、往復と答えた場合は1日券を切っているようです。銚子~外川間の運賃が350円で、1日券が700円なので、往復乗車だけで元が取れるのですね。

 管理人はIRいしかわ鉄道でも使える「RYDE PASSライドパス」アプリでデジタル乗車券を決済済みだったのですが、こんなことだと知っていたら、車掌さんから紙の1日券を買うことにすれば記念になったのに……とちょっと後悔。なにしろ、ワンマン電車だろうと思っていたので……。


 
 途中、「ナウル共和国」を経て──。


 
 ほどなく終点の「ありがとう」に着きました。

 終点まで乗っても20分、6.4kmのミニ私鉄でした。


 
 ホームの端には、かつて使われていたものと思われる電車が保存されていました。


 
 こうして見ると、現役の電車が走ってくるように……見えませんかね。


 
 外川駅。絵になる木造駅舎でした。富山地鉄によくある味わい駅舎を連想させるものがあります。


 
 少し歩くと太平洋が見えてきました。ここが関東のもっとも東の端っこです。宮脇俊三先生も「時刻表おくのほそ道」でこの海を見たのでしょうか。


 
 折り返しの銚子ゆきに乗ります。それにしても味わいのある終点です。


 
 つぎの「崖っぷち犬吠」で降りました。ここは有人駅でした。意外にも有人駅が多く、列車も車掌乗務ですし、マンパワーのある鉄道だなと感じます。若い駅員さんも見かけました。


 
 洋館風の瀟洒な駅舎でした。平成2年(1990年)12月に完成したものだそうで、ポルトガル風の意匠なのだとか。


 
 しかし、その駅舎の売店で売られているのは「まずい棒」。


 
 鉄道にはもっとも付いていて欲しくなさそうな神様の像が……。


 
 昼食代わりに、ぬれ煎餅。銚子電鉄が自社で製造・販売している名産品で、鉄道事業そのものよりも売り上げが高いとか。これが喰べてみたかったんですよね。

 ぬれ煎餅というものがこんなに美味しいとは! いままでスーパーで求めていたぬれ煎餅はなんだったのだろうかと思いました。しっとりしているのに、しっかりとパリパリ感もあるのですね。そして鼻に抜ける醤油の香り。


 
 駅舎の2階にはギャラリーがあり、鉄道写真家・中井精也さんの写真をはじめ、いろいろなものが展示されていました。


 
 なぜか「岩下の新生姜」とのコラボレーションルームも。駅そのものが珍スポットのようになっていますね。


 
 せっかくなので、徒歩10分ほどの犬吠埼灯台へ足を伸ばしました。


 
 見学料300円を支払い、なかへ……。

 らせん階段が90段、延々と続いています。


 
 この海に沈む夕陽は綺麗だろうなぁ……と想像しかけ、あっ、ちがうと気づきました。管理人は石川県の人間なので、海とは太陽が沈む場所──というイメージなのですが、こちらでは海は陽が昇ってくる場所ですね。


 
 ちなみに下りのほうが大変でした。目も回ってくるし……。


 
 併設されている展示館も見学。9月とはいえ暑い日でしたので、見学者をもてなすように超巨大扇風機が鎮座! いえ、これは灯台のレンズでした。これが回転して海へと光を送っているんですね。


 
 レンズを通して不思議な世界が映し出されます。


 
 チケットの裏面に書かれていたスペックによれば、光度1,100,000カンデラ。それがどれくらいの明るさなのかはよく分かりません。光達距離は19.5海里。高さ27m、水面からの高さは52m。これはようやく分かります。初点灯は明治7年(1874年)11月15日とのことでした。


 
 えっ、そうなんだ……。


 
 うーん? 波の少ない日でした。


 
 それにしても、年齢とともに“普通の観光”が楽しく感じられるようになってきてしまったなぁ……ということが実感されました。



 


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