最新エピソードが鬱じゃ良くないので頑張って書きました
時間は前のエピソードの数日前、先生をアトラハシースから脱出させた直後から始まります
呼んで早々の依頼に二も無く頷いた半透明な
『君は、
「多分、間違ってないと思う。私もシロコ*テラーも、形は違えど『死の神』というテクストを持つから」
色彩が私を殺しにきた理由も大体そうだと頷ける。
私は
———私が、偽物の「死神」だから。
『……ふふ。それもそうだけど』
「?」
『シロコと同じで、とても優しい心を持っているね』
「っ……え、と」
クスリと笑った彼の言葉に、私は言おうとしていた言葉を飲み込んだ。
『……って、そういう話をしに来たんじゃないんだよね』
そんな弛緩した雰囲気を軋む広場が引き締める。
まだ猶予があるとはいえ、私達はまだアトラハシースの中に居るのだ。
「……まぁ、うん。
『そんな事はないさ。私に出来る事があれば、最善を尽くすよ』
「———それなら、一つだけ」
ちらり、と隣で眠る那月を見て、呟くように言葉が出た。
「
『私の隣に居る、この娘の事だよね?』
「あぁ……まだ、7つなんだ。死後の世界があるかどうかは知らないが、私が向かうまで一人ぼっちで待ちぼうけというのは……ね」
同意を示すように彼の方を向けば、優しい微笑みを浮かべた彼は迷う事なく頷いた。
『そうだね。子供が寂しくないようにするのは、大人の役目だ』
「……私には、まだやる事がある。その後の時間は、全部那月の為に使うと決めた。だから、それまでの間にはなるけど……」
『分かった、任せて』
私の言葉が止まったタイミングで先生が宣言する。
最初に聞いた時と変わらず、迷いのない言葉と意思だった。
「…………そう言ってくれるのは嬉しいが、もうちょっと迷ったりとかしないのか……?」
『君が、この子が大切ということは聞いててすぐに分かった。そんな君がこの子を任せようとしてるんだから、私はそれを否定する事は絶対にしないよ』
「そっ、か……」
『うん。…………それにね———』
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「私が
「ん……先生はそういう人」
……アビドス郊外の、少し高地にぽつんとあった無人の公園。
ウトナピシュティムの本舟から帰還した私は、その足でアビドスをぶらついていた。
その途中で、私はシロコ*テラーとばったり出会う。
幸いお互いに敵意が無い事はすぐに分かったので、こうして二人並んでベンチで話をしているのだ。
「世界が違くても、先生は『先生』……本質って、そう変わるもんじゃないよね」
「アトラハシースで見たあの目……こっちの先生も、ずっとおんなじ目だった」
「人間、何が変わろうともその根幹は簡単に変わらないよ。———シロコもね」
「……そんな、こと」
膝の上で組まれた手に、ぎゅっ、と力が入る。
震えるその手を、私は優しく包む。
「シロコ、貴方は優しい人だ。大切な人の心を背負うことは、私には出来ない」
「私は、背負ってなんか……ただ、引き摺ってるだけ……」
「それでも、捨てなかった貴方は素晴らしい人だよ」
背負えず逃げて後を追った私とは、大違いだ。
「でも……」
「娘が死んでその分まで生きようともせず、ただ自分だけが不幸と決め付けて後を追うような人間は、私だけで良い。貴方がそれ以上自分のことを否定すると、貴方の大切な人も……先生も、悲しむよ」
「……」
「それに……ほら」
俯くシロコに死神の「力」を少しだけ流す。
———元来「死神」という存在は、生者から魂を抜き取る他にも、死した肉体に残る魂を送る役割も持つ。
その役割の中では、送るべき魂を零さないように可視化させなければいけない。
……普通は、私にしか見えないのだが……シロコ*テラーは死の神「アヌビス」のテクストを保有する存在。
彼女ならば、その魂を見るくらいはできるだろう。
「貴女は———
———シロコの手に寄り添うように、淡い光がぽつぽつと姿を表した。
ふわふわと漂うように、しかし決してシロコからは離れないよう揺れている。
軌跡を描いて動く光の数は四つ———シロコを除いたアビドス対策委員会の人数と同じだ。
誰が誰かは私にはもう少し集中しないと分からないけど……同じ世界の住人であるシロコならば、その区別は容易につくだろう。
「———み、んな……?」
震えた声で呟く彼女の目から、大粒の涙が溢れる。
「ずっと、貴女に寄り添っていたんだよ。見えなくても孤独にならないように、貴女が寂しくないように」
ふと、光の一つがシロコの頬に近付いて、溢れる涙を拭うように揺れた。
「ぁ———ほしの、せんぱ……ぅ、うぁ」
その光が泣かないで、と言ってくれているような気がして、私はしゃくり上げる彼女を優しく抱き締める。
「今までよく頑張ったね、シロコ。貴女の頑張りは、この魂達が証明してる。とても……とっても、偉いよ」
「っ゛、ゔぁぁ、ぁぁあああっ、ああああああああ———!!」
縋り付いて感情の限界を迎えた彼女の背を優しく撫でる。
漂う魂達はその様子をふよふよと回っていた。
———それらは、きっと「ありがとう」と言っていたのかもしれない。
長い間頑張り続けた子供に、見えずとも寄り添っていた彼女達からの言葉。
「
シロコに聞こえないように呟いた言葉に、光はほぅと淡く綻んだ。
「———いいね、ここ。アビドス学区が全部見渡せそう」
「ん、私もサイクリングの時に良く通ってた」
「シロコのお墨付きなら、何も心配ないね」
「ん…………その、良かったの?
「うん?……あぁ、これ。全部燃えて消えちゃうのは、流石に私も嫌だったからね。嫌だった?」
「ううん、その……えっ、と」
「……」
「……あり、がとう。
「礼を言われる程じゃないよ。
『———初めまして、かな?』
『———??はじめまして!』
『はは、良い返事だね。……私は、君のお母さんに依頼されて、一緒にお母さんを待ちに来たんだ』
『!!おにーさん、おかーさんのおともだち!?』
『ん、うーん、そうだったら良いかなぁ……』
『うん!…………でも、どうしてわたしといっしょにいてくれるの?』
『あぁ……それは———』
Q.セリカの魂はどこで合流したの?
A.行方不明後死亡→魂のままキヴォトスを漂う→終末時にアヌビスの気配(冥界の神としての余波)に引き寄せられる→見てみたら姿は違えどシロコだったし他の対策委員会メンバーも居たのでそれならと着いて行くことにする
って感じです
大変お久し振りです、筆者です。
まずは弁明をさせて下さい
この小説の最後の更新が3月末なんですけど、これ実は就職前最後の日でして
4月に入った途端に8時〜17時まで仕事、移動時間も合わせれば普通に5時起きとかが普通だったんです
そんな健康的な生活をしてちゃ小説をサラサラ書き進める事も難しく……
え?なんで健康的な生活で小説が進まないんだって?
この作品は夜勤中のアホな脳みそで書き始めた作品だからですよ!!!!
健康な脳じゃ!!!!
効率が落ちちゃうんですよ!!!!
また私の仕事も派遣という形なのもあって割と派遣先がコロコロ変わったりする事があり、最近になってようやく安定したので……
今回やっとエピソード更新まで漕ぎ着けた、という事になります
遅れてごべーん!!生きてまーす!!!!
またしっかり書いていきます。
流石にベルベットの方もやりたいエピソードが湧いて来たので。
一応この作品は、次の次のエピソード(間話、掲示板回)で最終編に出したいものは全部出切ります。
なので、まずはそこまでお付き合い頂ければ……
その後の日常編とかもちょくちょく出すので、その、ユルシテ
それでは、また……
随時更新の刈り取るさんのデータベース(更新に時間が掛かります)↓
https://syosetu.org/novel/349213/1.html
なんか刈り取るさんにして欲しい事を書き込む活動報告↓
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