宝箱からコンニチハ‼︎なんてしない   作:珱瑠 耀

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「全ての人の魂の詩」を聴きながら読みましょう
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「全ての人の魂の詩」を聴きながら読みましょう
「全ての人の魂の詩」を聴きながら読みましょう





音楽は掛けましたね????
ではどうぞ


全ての人の、なんてしない

ペルソナシリーズにおける重要な存在というのが、ベルベットルーム。

 

主人公はその過酷な運命に抗う術として愚者の能力「ワイルド」を持つ。

 

これは心の鎧であったり反逆の象徴だったり死への克己だったりするペルソナを複数所持し、場に応じて切り替えるもの。

 

強敵ソロ攻略や属性最強固め、裏ボスワンパンなど色々な型を作れる便利な能力であるそれだが、この能力……いや、愚者の本質はその正位置の意味。

 

ペルソナという概念を構成する上でアルカナの意味や順列はとても重要になる。

 

愚者の正位置は「冒険心、可能性」という意味を持つ。

 

それは知恵の実を食べた人間———旅人が、初めに思う事。

 

未知を知りたいという欲、無知故に引き起こす数多の選択。

 

「色々な選択と、その選択によって現れる結果を経て、終点へと達する為の旅路」を表すものとして、ワイルドという能力は存在する。

 

物語をへて成長してゆく魂を見届け、その手助けをするのがベルベットルームである。

 

その扉が元々シャドウであった私が呼ばれるというのは、些か不安が勝るのだが……扉から「早よ来い」と急かされたような気がして私はその扉に優しく触れた。

 

 

 

 

 

目を開けば、以前連邦生徒会長と対話したあの空間が現れる。

 

壁一面の窓、群青色の空、そして———前までは無かったもの。

 

目の前に作業机があるのは変わらないが、その手前にティータイム用の少し大きい机が追加されている。

 

机の周りに置かれた椅子は三つ。

 

「お久し振りですね、『刈り取るもの』」

 

空の椅子と、その左側に腰掛けた連邦生徒会長。

 

そして、私の右側には———

 

「———ようこそ、()()がベルベットルームへ」

 

我々のよく知る顔、イゴールが居た。

 

 

 

 

 

掛けるように促された私は、座ってから口を開く。

 

「……正直。貴方が、来るとは……思わなかった」

 

静かに佇む老人に向かって言えば、イゴールは腕を組み替えて小さく笑う。

 

「ふふ……それに関しては、彼女からの話をお聞きになればと」

 

「……だ、そうだが」

 

途端、生徒会長の顔がへにょんと萎む。

 

「……その、えっとぉ……以前の来訪の際に、()をですね……」

 

「……大体、解るが……まさか」

 

中身アロナだから大体察せられるが、まさか渡し忘れたのだろうな。

 

「……———えへっ☆」

 

予想通りであった。

 

舌を出してウインクをしばちこーん☆と効果音が鳴りそうな顔をした生徒会長に、イラッとした私は悪くない。

 

「……()()()()()()には鍵を渡す決まりでしたが……彼女がこの様子だったが為に、もう一度お呼びした……という事です」

 

「……そんなだから、ネタにされる」

 

ごめんなさい……

 

しょぼしょぼ、と凹む姿に会長としての威厳のある姿は欠片もない。

 

…………しかし、解せない。

 

「何故、私?いや……そもそも、私達が居る……それ自体が、異常だけど」

 

「それこそ、何故?と返しましょう。何故、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

イゴールが続ける。

 

「貴方には、この状況が異常だと見て取れる筈。何故なら、()()()()()()()()()()()()()()のだから。然し、今この場に私達が存在するのは、確かな現実となっている……それが理由として事足りぬなんて事は、決してありますまい」

 

「愚問、だったか」

 

左様、と頷くイゴールの隣で、復活した会長が鍵を置いた。

 

「そして、貴方がこの鍵を持つべき理由もあります。魂の成長、と言えば……貴方ならきっと解る筈」

 

親の顔より見た藍色の鍵を受け取り、小さく頷く。

 

「……分かった。ならば、頂こう」

 

キン、と爪で擦れる音を横目に、イゴールが優しく諭す。

 

「貴方はペルソナを宿さず……同時に我々、いえ……我々の客人の敵ですらあった者」

 

「しかし……だからと言って、このベルベットルームの客人にならない事などありません。この部屋の客人足りえる人は、()()()()()()()()もの」

 

「故に私達は、貴女———『刈り取るもの』(「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」)を、この部屋の客人と認めるんですよ?」

 

紅茶のカップを優しく置いた会長がイゴールの言葉に続けて、途中に混じった言葉に思わず溜息が出た。

 

「……やはり、解るか」

 

「えぇ。でも、同情なんてしません。したら貴女にも撃たれそうですし」

 

「撃ちはしない……が、叩きはする」

 

「撃たれる為に知った訳ではありませんが……それくらいはされる覚悟がある、という事ですよ」

 

「良い。しょうがないし……私個人、が…判断する話、だから」

 

会長がむっ、と膨れる。

 

そんなに突き放すな、とでも言いたいのだろう。

 

「またそう言って……イゴールさんからも何か言ってくださいよ」

 

「良いのです。きっと、以前の貴方ではこうはならなかったでしょう。貴方の魂は、確かに成長をしている。ならば、その答えを見届けるのが役目」

 

しかし、イゴールは依然立場を変える事はない。

 

「むー……そうですか、なら私もそうしますね」

 

「ベルベットルームの、立場も……まだ、新人」

 

「彼女も、まだ成長の余地があるという事でしょう」

 

会長は渋々と従ったが、私達の言葉が図星だったのか、ふんっとそっぽを向いてしまった。

 

 

 

 

 

———カコン、と爪先が地面に付く音。

 

目を開けば、先程ベルベットルームへ入った路地がそのまま映っている。

 

依然世界は赤く、渦巻くエネルギーが緊張感を齎している。

 

振り返っても扉はなく、それでも右手の中に鍵はあった。

 

青い部屋で言葉を交わした二人の、最後の話をふと思い出し、ため息を一つ。

 

 

『客人といえば、最後に』

 

『?』

 

『この学園都市に、彼等……私達の()()()が、どうやら居るようです』

 

『え"』

 

 

 

「主人公ズが、居るとは……思わないじゃん」

 

 

 

もうほんとに、無性に帰りたくなってきた。




ベルベットルームの入室制限はこの作品のオリジナルです

そして発覚しました、主人公ズの存在。
現在はお互いに顔を合わせてない+刈り取るさんが自分のことをゲームのままの自分だと思っている為出会い頭に狩られないか不安になっています
向こうはどう思ってるんでしょうね(こなみ)

イゴールがベルベットルームの事を「我が」ではなく「我らが」と言ったのは、イゴールと連邦生徒会長がお互いに今自分達の居る場所が複数の作品を内包している世界(クロスオーバー)である事を理解していて、その上でお互いが存在し続ける事に同意したからであり、キヴォトスにおけるベルベットルームは「出張ベルベットルーム〜キヴォトス支店〜」みたいな感じで捉えてください





随時更新の刈り取るさんのデータベース(更新に時間が掛かります)↓
https://syosetu.org/novel/349213/1.html


なんか刈り取るさんにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=315528&uid=276197
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