どういう感じに進めるか迷ってました
あと、この作品のUAが10万を超えていました(というかもう既に11万ありました)
いつも読んで頂きありがとうございます
これからも本作を宜しくお願いします
「うぅ……食べすぎちゃいました……」
綺麗になったテーブルの上で、空になったコップに水を注いでコトリと置く。
「いい、食べっぷり」
「体重がぁ……増えちゃいますよぉ……」
えううえう、というアヤネの嘆きに頭を優しく撫でる事で答え、催促する。
「取り敢えず…お風呂。先に、入って」
「はぃ……はい?」
「お風呂……その後、マッサージ」
ビッと親指でお風呂の方を差すが、中途半端に起き上がった姿勢のアヤネは固まったまま動かない。
「」
「……?おー、い」
動かないなら持っていこう、それでついでに軽いマッサージも……
「———うっ、動けますよ!?えっと、えーっと、お、おふお、おふろおかりしますっ!!」
「あっ」
しゅばっ、と効果音が鳴りそうな勢いで持ち上げられた腕から抜け出したアヤネが、
「……着替え、置いておくね」
「あっ、ありがとうございます!」
脱衣所から風呂場へと移動したのを見計らってゲストウェアを置き、私は自室の準備を進めた。
奥空アヤネの脳内は、自分が浸かっている風呂から溢れるくらいには色々な事で満ち満ちていた。
そもそも、今日は普通の一日だった筈なのに詳細を省かれて先生に呼ばれたのだ。
何かあったのだろうかと軽い気持ちで来てみれば、黒と赤のよく映える大人の女性———『死神』が居るではないか。
その事実にも驚きではあるが、それよりも。
『この子、の時間…明日まで、貰うね』
「(お、おひめさまだっこ……!?『時間を貰う』って、お姫様抱っこされて……!!)」
アヤネにとって、お姫様抱っこをされるのも時間を貰われるのも初めてのこと。
先生に会うからと軽く身支度はしてたものの、
でもカレーも唐揚げも美味しくて死神さんも「甘えて良い」って言うしこの後もマッサージがあるらしいし自分が一体何をしたのか?という疑問と満腹感と幸福と緊張で頭の中が沸騰しそうだ*1。
ぶくぶく、と息を吐き、不透明度の高いその湯に薄く自分を映しながらも考える。
「(……でも、こうしてると)」
アビドスの借金返済に注力していたのもあって、こうして誰かから存分に甘えさせてくれる時間はいつぶりなのだろうな、と思う。
セリカちゃんは同級生というのもあってかなり関わりが深く、たまにお泊まり会なんてのもしてはいるものの、歳上の…それも歴とした『大人』の人に色々してもらうのは、どうしても気恥ずかしさが勝ってしまう。
———だけど。
「(……ちょっとだけ)」
天井を見上げ、長く息を吐く。
「(ちょっとずつ、安心し始めてる)」
美味しいものをお腹いっぱい食べて、広いお風呂で思いっきり身体を伸ばして。
それで、この後はマッサージが……
「———ッ!!?(そうだった、マッサージがまだあったんだっけ!?)」
充分に温まった身体を浴槽から離し、脱衣所で水気を拭き取る。
先程『死神』さんが置いてくれたリラクゼーションウェアに着替えて、眼鏡を掛け直す。
「……よ、よしっ」
何故か五月蝿くなった心臓の音を突然風呂から上がったせいにして、からりと戸を開いた。
「……よく、あったまれた…みたい」
「は、はい…その、お風呂、ありがとうございました」
ベッドの隣の床にマットと枕を置いており、アヤネは促されるままにそこに座った。
「アヤネは、多分…だけど。知らぬ間に、身体を悪く…している、と思う」
「唐突ですね……!?」
「前置きも、正直…要らない、し。それよりも……今回は、足腰…それと、腕と頭。それらを、重視して…施術、する」
「あっ、はい。宜しくお願いします」
そうしてアヤネを仰向けで寝かせ、早速足の裏に触れる。
「……まず、ここ。踵辺りは…腰痛」
「んっ、くすぐっ———いたたたたたたぁ!?」
アヤネの身体がビクンッと大きく跳ね、その後力もうと足が暴れ始める。
それを抑え付けて、膝肩首のツボを順にぐい、ぐいぐいと。
「んぎゅぅーーーっ!!!!あ"っ痛だだだだっあ"っ
「これは、酷い」
…………いや、押したツボ全部にこんな反応するとは思わないじゃん。
一通りしっかりとツボを刺激して、既にぐったりしているアヤネにジトーっと目を向ける。
「デスクワーク、後に…突然身体を、動かしたりとか…碌に体勢も、変えず……座り続けたり、してる…よね」
「ゔっ」
ふぅ、ふぅと落ち着き始めた息のままスススと目を逸らすアヤネに、深いため息が漏れてしまった。
「多分、姿勢は…良い。けど……極端に、休憩が…少ない。それと…重いもの、の持ち上げ…が、多過ぎる」
「うぐっ」
……多分だが、疲れ目も酷いんじゃないのだろうか?
「最初は、痛いけど……時間が、経てば。和らぐし…眠かったら、寝て良い」
「は、ぃ……」
という事で、膝腰肩首のツボとついでに疲れ目とストレスのツボを合わせてぐるぐると押していく。
「っぐぅ……っ!っっ!っは、はぁ……はぁ…」
最初の刺激は強いものの、少しずつ痛みが和らいで歪んでいた顔も弛緩し始めている。
改善されている証拠だ……ということで、ぐるりと返してうつ伏せに。
「
「ん"……なんだか、足がずっしりしてる気がしますぅ……」
「程よく、力が…抜けてる、証拠」
その後も
「んぃ……きもち、ぃ……」
「……働き、過ぎ。借金のこと、もある…けど、たまには。こうして、休むべき」
「ふぁぃ……ぁ、ふ……」
ぽゃぽやぁ、みたいな擬音が聞こえてきそうな彼女の頭をゆっくり撫でた後に、首*8と顔*9、頭*10のツボを軽く押して、一旦の施術が終わった。
「ぅぁ……ぉかぁ、さぁ……」
眼鏡も外れ、もうかなり薄くなってしまった瞼が必死に
「……私は…どこにも、行かないよ」
枕元に座り、先程のように頭を撫でる。
その手から少しずつ【ディア】を発動することで揉み返し*11を出来るだけ弱めて、更に眠りへと誘う。
「ん、ぅ……えへ……」
それで安心したのか、アヤネは幼子のようなふにゃりとした微笑みを残して微睡の中に沈んでいった。
「……」
そうして暫く撫で続けて、不意に落ち着く。
———私は、アヤネの母親だったのかもしれない*12
いいかい?私はアヤネの母親ではないんだ、わかったね?*13
…………さて、少し見苦しい姿を見せた気がするが、君達は何も見ていない、いいね?(圧)
マッサージ後の汗ばんだ体が冷えないように、少し時間を掛けてぬるま湯でアヤネの身体を流してから起こさないようにベッドへと寝かせる。
リビングのソファで寝よう、とそこから離れようとして———その手が控えめに、きゅ、と引かれる。
「ん……すぅ……すぅ……」
小さく、私の小指だけを絡めた彼女の手。
優しく解こうとしたのに、その姿に
母性と似たような、安心感。
確かにこの場ではこの手を離した方が良いのだろう、だがそうして朝
安心しきってむしろ幼く見える寝顔。
ぴり、と静電気のように残る熱。
やはり私に『親』なんて出来ない、才能がないんだ。あぁ、だめだ、
…………
……………………
……………………——————
「…………おやすみ、アヤネ」
扉の閉まる音は、とても小さかった。
「じゃあ……アヤネ、手を」
「はい」
翌朝。
昨日よりも落ち着き、そして元気になったアヤネとの朝ご飯を終えた私達は、部屋の隅にある箱を経由してアビドス高等学校へと移動した。
「……やっぱり、凄いですね。この移動」
「私も、正直…そう思う」
ですよねぇ、と二人で苦笑い*14して、校舎前まで歩く。
「えっと……それじゃあ、今日はありがとうございました。お陰で身体がとてもスッキリしましたし、今日も頑張れそうです!」
「こちら、こそ。また、したく…なったら、連絡、して」
「はいっ!」
満面の笑みで頷くアヤネの頭を優しく撫でて、お弁当を渡す。
「それ、じゃあ……いって、らっしゃい」
「い、行ってきます!お母さん!」
「え」*15
「ん?」*16
「———あ」*17
「おや〜?お母さんを差し置いて『死神』の方をお母さんにしちゃうのかな〜アヤネちゃんは〜」
「ゔぇあ!?そっ、そんなことっ……って!?ホシノ先輩、いつからそこにぃ!!?」
「ん〜、丁度今来た所だけど……まさか
「すっ、進んでないですぅ!!言葉の綾ですぅ!!!」
「うへへ〜じょ〜だんじょ〜だん、ごめんよぉ〜アヤネちゃん」
「んもぅ……」
「……それじゃあ、今度こそ」
「あっ、はい!おか……じゃなくてぇっ!『死神』さん、行ってきます!」
途中のぼかしに関しては後にエピソードにする予定です
曇らせの予感? オリキャラしか曇らないからセーフだ
このエピソードをもってリクエスト内容「好きなキャラを甘やかしてほしい」終了になります
リクエストして頂きありがとうございしました
マッサージをしすぎると揉み返しが来るのは本当ですが、刈り取るさんは回復魔法があるのでその揉み返しすらも踏み倒せます ズルいですね
じゃあ回復魔法で身体の凝りを治せなかったのかと言われるとそういうわけではありません
実は普通に回復魔法ガンガンに使っても実は完全にリフレッシュ出来る訳ではなくて、回復魔法の原理にヒロアカのリカバリーガールのような「回復機能の活性化」が少し含まれているからです
なので傷を負いながら回復魔法で長期戦、となると刈り取るさんも流石にパフォーマンスが落ちます(言うても落ちるのは10%程度ではありますが)
そういった回復魔法のデメリットの例外として【メシアライザー】と【オラトリオ】がありますが、まぁそこまで使う場面は今のところ無いので……()
そして前書きでも触れたように、本作のUAが11万を超えていました
実は前編の時点で10万UAを突破していたのですが、投稿してから普通に気付いて後編で書けばいっかあと思ってたらプラスで1万増えてまして()
これからもうちの刈り取るさん達を宜しくお願いします
コラボもお待ちしていますので、気軽にご連絡下さい
随時更新の刈り取るさんのデータベース(更新に時間が掛かります)↓
https://syosetu.org/novel/349213/1.html
なんか刈り取るさんにして欲しい事を書き込む活動報告↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=315528&uid=276197