心のある光景(1981/02/26 ヤングジャンプ)

今回紹介する諸星大二郎先生の作品は『心のある光景』。1981年のヤングジャンプに掲載。

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表紙。

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タイトルページ。

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流浪する難民の男。
収容所を逃れ、街にたどり着いた。

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しかし、人々は無表情。

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男に助けの手を差し伸べてくれない。

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行き倒れた男を救ったのは、長髪の男だった。

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この星の人々は心の中に感情をもたず、
感情は別の形をとって外に現れるという。

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感情の記号を外に現して会話する人々。

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難民の男は収容所での恐怖に包まれた悪夢に苛んでいた。

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長髪の男は、この星の人々のように恐怖を心の中から出してしまうことができるという。

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恐怖の感情をパターン化…

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こうして、心から恐怖の感情を切り離し…

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その後も彼の感情は次々と外へ出て行った。
怒りも、不安も、絶望も。
そして、わずかな喜びや希望も…。

本作は『感情のある風景』と改題され、単行本の「特選集・第一集・男たちの風景」に収録されています。

表情や態度や話しぶりで感情を読みとるのではなく、単純に記号化されたらどうなってしまうのだろう。それで少しでも気持ちは軽くなるのだろうか。
読後に色々と妄想してしまいました。

「BOX〜箱の中に何かいる」第5話

月刊モーニングtwo 4月号出ました。

諸星大二郎先生の新作「BOX〜箱の中に何かいる」第5話が掲載されてます。

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表紙。

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タイトルページ。

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今月のキョーコさん。
謎の少女とからみました。

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おぉっ?!まさかとは思ったが?

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諸星先生の補足。
やはり小説と関係あり!(^o^)

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今月の男子。
一人で出口を探しに行くゴスロリ少女を気遣う光二くん。

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二人を憮然とした顔で見送る恵くん。Σ(´∀`;)

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光二くんはその気はないようだが…
 
 
今回は謎の少女の正体が見えてきました。
 
さぁ、これからどうなってしまうのか?
続きが見逃せません!(^o^)
 

 

bunji2.hatenablog.com

 

追記。

再読しようと本棚から出してきました。

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「キョウコのキョウは恐怖の恐」

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目次。

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背表紙のタイトルの文字が小さいので、書店ではわかりにくいかも。

新刊「碁娘伝」

諸星大二郎先生の新刊を入手しました。


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「碁娘伝」(ごじょうでん)

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巻頭は装画カラー。

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目次。

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書き下ろしです。
十五年ぶりの碁娘なのですね(^o^)

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新旧の「碁娘伝」を並べてみました。(・∀・)イイ!!

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スペシャルセレクション三部作!(・∀・)イイ!!
 

サルどす他(1982/11/11,25 スコラ)

1982年のスコラに掲載された諸星大二郎先生の4コマ漫画を紹介します。

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1982/11/11 のスコラの表紙。

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「ぼくだけのニューウェイブ料理法」というお題で書かれた4コマ漫画のようです。当時のスコラはニューウェイブマガジンと銘うっていました。

ベタな作風ですが、安心感のあるギャグだと思います。


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1982/11/25 のスコラの表紙。
おしりまる出しだったので、フリスクで隠しました。

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今ではもうほとんど語られることのない、ジョン・ブアマン監督の「未来惑星ザルドス」のパロディです。
ザルドスの大顔をサルにみたて、カニを足してサルカニ合戦、だから、カキのタネとオニギリ。
そして、「ザルドス」を「サルどす」という音に導くための京都弁の導入…。

『サルどす』は単行本「ナンセンスギャグ漫画集・妙の巻」に収録されています。

ニューウェイブ料理法の方は、単行本未収録かもしれません。

ダオナン(1979/09/20 ヤングジャンプNo.8)

今回紹介する諸星大二郎先生の作品は、1979年の『ダオナン』。『マッドメン』に代表されるアフリカ系の作品。

…あ、マッドメンはニューギニアで、アフリカではないですね。Σ(´∀`;)

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表紙。

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タイトルページ。

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ブッシュマンのダオナンは、獲物を三日間追跡していた。

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ついに、自分の矢の刺さった獲物を見つけた。
だが、そこには得体の知れない生物がいた。

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獲物の解体をはじめる。

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律儀にも謎の生物にわけまえをわたすダオナン。

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肉を軽くさせるため、細かく切って乾燥させる。

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仲間のもとへ向かう。
なぜか、謎の生物がついてくる。

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道中、水をわけあったり、ハイエナやライオンに遭遇したりして、謎の生物と交流を深めるダオナンだった…。

原始的な生活を営むブッシュマンにとって、白人も宇宙人も、同じような接し方ができてしまうんだろうなってのが、面白いと感じました。

本作は単行本「特選集・第三集・遠い世界」に収録されています。

失楽園 天堂編(1978/08/01 月刊マンガ少年8月号)

前回に引き続き、諸星大二郎先生の『失楽園 天堂編』を紹介します。


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タイトルページ。

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レーテの町の門。掟が刻まれている。

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そこはまさに楽園だった。

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(ボスの「快楽の園」?)

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秩序ある世界。
ラファエロの「アテネの学堂」)

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そして、衣食住が保証される。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」)

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ゴヤの「着衣のマハ」)
 

失楽園 地獄編(1978/07/01 月刊マンガ少年7月号)

今回紹介する諸星大二郎先生の作品は1978年の『失楽園』。まずは第一部の地獄編から。

本作では意識的に名画のパロディが使われているのでわかる範囲で元の作品名も併記していきます。

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表紙。

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タイトルページ。

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遠い未来。人類は沼にへばりつくようにして生活していた。

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沼でトカゲを狩猟し糧としていた。
青木繁「海の幸」のパロディ)

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かつて人間は楽園「幸福の沼」で何不自由なく暮らしていたが、大罪を冒して楽園を追放されたという。

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幸福の沼から来たという男が、死にかけていた赤子に薬を与え救う。
やがて民に説法をはじめる。

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しかし、民は男を信じない。
幸福の沼に案内するよう迫り、死なせてしまう。
(ボス「十字架を担うキリスト」のパロディ)

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恋人の死や苦しい生活に心を痛めた少年は、幸福の沼を目指して旅立つ。

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いきだおれていたところを荷車の老人に救われる。
(ダリの「幻の荷馬車」のパロディ?)

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そして、レーテという町の門にたどり着く。
この先に幸福の沼があるというのか?
(続く)


本作は単行本「男たちの風景」に収録されています。

省略してしまいましたが、少女がクモに襲われるシーンでの珍しいカットを使っていたり、名画のパロディを仕込んだりと、実験的な位置づけの作品だったのだと思われます。

また、この地獄編の元になったとされる作品『恐るべき丘』が「文藝別冊・総特集・諸星大二郎」に掲載されています。