最期の一口にガリガリ君を 終末期患者の「救いの神」 学会も表彰

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黒田壮吉
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 人気アイスのガリガリ君が、終末期の患者たちの間で愛されている。食べる喜びを与えてくれたとして、緩和医療の学会から表彰されたほど。メーカーも予想しなかった「人生最期の一口にガリガリ君」とは。

 埼玉県循環器呼吸器病センター(熊谷市)の病室で、終末期の患者の顔に笑みがこぼれた。家族からガリガリ君のかけらを口元に運んでもらったときだった。肺がんを患っているが、ソーダ味がお気に入りという。

 緩和ケア認定看護師の大久保敦子さんによると、人生の最期を迎えようとしている終末期は食欲がなくなり、味覚も鈍くなる。口は乾燥し、飲む込む力が弱くなるなか、患者は冷たくさっぱりとした口当たりで、味がしっかりしているものを好む。そのため、口の中で少しずつ溶ける氷菓が人気だ。「ほかの物は食べられないがガリガリ君ならという人も多い」

患者に「ちょうどいいもの」を探し求め

 センターで提供しているのは…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年10月9日17時0分 投稿
    【視点】

    ”レモンサクレ”なら食べられるという話を耳にしたこともある。病院内の売店の<食べられないことをストレスに感じる―食べてもらえないことを悲しむ>ことに寄り添う品揃えに救われる。そんな病院内の売店は、病院のなかの特別な場所。そんなことを思って

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    田中知之
    (音楽プロデューサー・選曲家)
    2025年10月9日17時0分 投稿
    【視点】

    私の家族も、亡き父が生前好きだったアイスや、亡くなる前に美味しそうに食べたお菓子を食べて偲んだりするのだが、それはちょっと入手困難な品だったりする。ガリガリ君が多くの家族にとって、故人を想うきっかけになるのであれば、季節問わず何処ででもたや

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