高校野球の強豪、広陵(広島)の硬式野球部で上級生による下級生への部内暴力が発覚した問題で、SNS上で加害生徒とされている1人が10日、オンライン取材に応じ、名誉毀損(きそん)の疑いで告訴状を提出した思いを明かした。
「自分が手を出してしまって相手の人生を変えてしまったことは申し訳ない気持ちですが、SNSに書かれたことは疑問です。今SNSで出ている内容が大きく違っています」。野球を続けるつもりだが、進路については「行こうとしているところがダメになり、探しています」と一般受験も視野に入れているという。
今年1月、寮で部員間の暴力を伴う不適切な行動が発生。同校は「上級生4人が1年生1人を個別にたたく、胸ぐらをつかむなどした」といった内容を報告。被害生徒は3月末に転校した。その後、SNSで広がった誹謗(ひぼう)中傷などから、今夏の甲子園では高校野球史上、初めて大会途中で出場を辞退するという前代未聞の事態になった。
同校では、この日、第三者委員会の設置を公式HPで発表。文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」に基づき、弁護士3人で構成。「事実関係を明らかにするとともに、調査結果を踏まえて再発防止に取り組んで参ります」とコメントしている。
10月1日には硬式野球部の体制整備と抜本的な改革を目指し、カウンセラーら外部有識者で構成する「学校改善検討委員会」の第1回委員会を開催した。