兵庫県立粒子線医療センター廃止へ がん治療専門病院、施設老朽化で

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谷辺晃子
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 放射線をがん細胞に照射して治療する専門病院「兵庫県立粒子線医療センター」(たつの市)について、県は9日、2027年度末までに治療を停止し、センターを廃止する方針を明らかにした。開業から20年余りが経ち、施設の老朽化や経営の悪化が課題になっていた。今後は、県内の医療機関を中心に患者の受け入れ先を検討していく。

 粒子線医療センターの廃止方針は9日、学識経験者らでつくる県の「病院構造改革委員会」で県側から示され、了承された。委員会側は「やむを得ない判断だが、廃止にあたっては県民への丁寧な説明に努めていただきたい」と総評した。

 粒子線医療センターは、大型放射光施設「スプリング8」(佐用町)を核とした播磨科学公園都市の中にある。放射線の一つである粒子線のうち、陽子線と重粒子線の2種類によるがん治療が可能な世界初の施設として、01年に開業した。

変圧器は劣化、漏水も多発

 現在も両方の治療が可能な国…

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