ワードマンサー・レコード ─ 戴冠の言王 ─
夢河蕾舟
言、霧の中より滲み出る
霧は、まだ名も実像も持たぬ、ゆらぎ続けるだけのちいさな呼吸だった。
誰のものでも、あるいはそこに一切の意味を介在しない息が、ゆらぎ漂い、──差し込む、ひとつの音により導かれた。
「──
それが最初の声、
声は霧を裂き、色を流し、かたちを描いた。
世界は描かれることで目を開き、耳に聞こえ、鼓動し、呼吸を繰り返し、命を生んだ。
かくして、のちの時代に
描かれたものは名を──「言葉」持ち始めた。そして言葉は、「御霊」を宿した。
やがて幾千幾万、幾億──八百万の言葉が生まれ、ときに沈黙と混ざり合って、「
……だが、世界が完成した瞬間から、崩壊は始まっていた。
言葉は増えて、力は形骸化し、人々は争い、霊力を奪い合うようになったのだ。
人は自らを〈
火を命じ、風を操り、ときに尊厳を砕くような言葉をも命ずる者たち。
彼らは言葉で世界を創り、また言葉で世界を壊した。
ときに
フォグストゥーラの霧は、再び濃くなりつつある。
世界は未確定のゆらぎへと還り始め、力の言葉は、それを与う
ワードマンサー・レコード ─ 戴冠の言王 ─ 夢河蕾舟 @YRaisyu89
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