寿司、パスタ、ステーキ……牛丼だけじゃない「松屋」から透けて見える吉野家、ゼンショーとの「差」
松屋フーズホールディングス(HD)は、これまで牛丼チェーンの「松屋」と他業態店を併設した「複合店」を出店してきた。かつ丼の「松のや」、カレーの「マイカリー食堂」など、3業態を合わせた店舗も出店しており、豊富な商品バリエーションが支持され、店舗数を増やしている。 【画像】松屋フーズHDの「すし松」「松軒中華食堂」「麦のトリコ」(計3枚) 一方で、新業態単独による出店も進めてきた。寿司やラーメン、パスタと種類はさまざまだ。すき家のゼンショーホールディングス(HD)では「はま寿司」や「ココス」、吉野家ホールディングス(HD)も「はなまるうどん」を展開するなど、新業態開発では牛丼御三家の他社が先手を打っている。松屋も新業態店を成功させられるだろうか。
複合店を広げてきた松屋フーズHD
松屋フーズHDが展開する牛丼ではない業態の店は、単独店ではなく複合店が中心だ。複合店は食堂のような構造で、店内で業態ごとに分かれているわけではなく、同じコーナーから料理を受け取る形式である。 松屋フーズHDは2019年に複合店を出店し、現在はグループで約1400店舗を展開している。10月7日時点で松屋が約1150店舗あるのに対し、松のやは約560店舗であることから、松のやの複合店も多いと考えられる。マイカリー食堂(併設型)は約150店舗だ。 もちろん、単独での出店も進めている。例えば「すし松」は2007年に登場した寿司店で、タッチパネルで注文した料理がレーンで届く注文式だ。まぐろは1貫で77円、生サーモンは165円など、相場観でいえば代表的な回転寿司チェーンよりも高く、銚子丸のような「グルメ回転寿司」よりは低価格である。 主な立地は駅付近だ。手狭な場所にも出店し、現在は20店舗を展開する。席数は30~40席程度で、スシローやくら寿司といったチェーンと比較して小規模である。近くに松屋や松のやがある店舗が多く、物流効率を考慮していると考えられる。 駅前の小規模テナントは、郊外型が主軸の回転寿司チェーンが不得意とする場所だ。値上げで「1皿100円」のモデルが崩壊してスシローなど有名チェーンの価格優位性が薄れている現状、すし松は勢力を拡大できるかもしれない。