ノーベル平和賞にベネズエラの野党指導者 マリア・コリナ・マチャド氏
【ロンドン=湯前宗太郎】ノルウェーのノーベル賞委員会は10日、2025年のノーベル平和賞をベネズエラの野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏(58)に授与すると発表した。政治活動を通じて自国の野党勢力を団結させ、民主主義への移行に取り組んできたことが評価された。
ノーベル賞委員会は声明で、「ベネズエラ国民のために民主的権利を推進するたゆまぬ努力と、独裁から民主主義への公正かつ平和的な移行を実現するための闘争」を理由とした。
フリードネス委員長は「民主主義が脅威にさらされている今、自由選挙と代議制を求めるという共通の理念を守ることはこれまで以上に重要だ」と述べた。
マチャド氏は00年代に選挙の透明性を求める市民団体の設立に関わり、国会議員としても活動した。抑圧される国内政治の中で反体制派の象徴的存在として活動してきた。
ベネズエラは反米左派のマドゥロ政権による長期の独裁が続いている。マチャド氏は24年7月の大統領選を巡って、政権から弾圧を受けていた。国民から支持を集め、野党統一候補として大統領選への出馬を予定していたが、政権の影響下にある最高裁から立候補を禁止された。
野党代理候補を支援し、マドゥロ大統領の一方的な勝利宣言の後も抗議活動で主導的な役割を果たしていた。
マチャド氏は野党側が勝利したとする独自の集計結果を公表するなどして、捜査対象となっていた。抗議集会では一時身柄を拘束されたこともあった。
欧州連合(EU)欧州議会は24年、優れた人権擁護活動をたたえる「サハロフ賞」の受賞者としてマチャド氏を選出した。同国の民主主義のために戦ったと評価した。
ノーベル平和賞の授賞式は12月10日にノルウェーの首都オスロで開く。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億7000万円)。ノーベル賞委員会によると、25年の平和賞候補には244人と94団体の推薦があった。
2025年のノーベル賞発表は10月6日(月)の生理学・医学賞からスタート。物理学賞は7日(火)、化学賞は8日(水)、文学賞は9日(木)、平和賞は10日(金)、経済学賞は13日(月)と続きます。