当初の予想を覆して自民党初の女性総裁が4日、誕生した。高市早苗新総裁は女性初の首相となる公算が大きい。自民党はどうなるのか。国政は進展するのか。今後をひもとく。
高市氏は、史上最長期間の首相を務めた安倍晋三氏の路線を継承する本格的な保守政権として期待する。ただ、国内外で大きな課題が待ち受けている。
まず自民党は公明党を含めても、衆参ともに少数与党である。衆参ともに負けたのに、居座り続けた石破茂政権から引き継ぐ、最大の負の遺産だ。
自公は野党と連携しないと、補正予算や来年度予算が成立できず、短命内閣となるかもしれない。
もし小泉進次郎氏や林芳正氏が総裁であれば、石破政権を継承するので、所得税の控除引き上げや、ガソリン税減税はなかなか実現しないとみていた。
その点、高市氏が総裁となり、政策の親和性から国民民主党との協力関係が期待できる。減税政策の実現性は大きいだろう。高市氏は早速、地方への交付金増を主張した。その真意はガソリン税減税の布石とみていい。国民民主党に秋波を送ったと筆者はみる。
しかし、自民党と連立を組む公明党は早速、靖国神社参拝の懸念などの牽制(けんせい)球を投げ、連立離脱のカードさえちらつかせている。
だが、国際情勢は待ったなしだ。先月、中国で中国・ロシア・北朝鮮首脳がそろい踏みしたことをみても、日本が安穏としていられるわけがない。
ウクライナや中東の先行きが不透明だからこそ、台湾情勢も不安定になるかもしれない。その場合、安倍氏が喝破したように日本有事になる。これは軍事的にも必然だ。
石破首相が欠席した6月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会談では、世界は防衛費について国内総生産(GDP)比5%(防衛費中核部分3・5%、安全保障インフラ1・5%)への道筋がついた。高市氏なら防衛国債を使って、この難局を切り抜けられる。
目先には、トランプ米大統領といかにうまく付き合うかもある。10月下旬にはトランプ氏の訪日もあり得る。この点、高市氏は、イタリアのメローニ首相のように、トランプ氏とウマが合いそうなので期待できる。ここで、ロケットスタートが決まれば、心強い。
まさに、国内外で難問山積みである。しかし、幸いにも6日の東京株式市場の日経平均株価は、史上初の4万7千円台となり、期待感に満ちている。高市丸は日本をどのように導いていくのか、期待を持って見守りたい。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)