自民党総裁選は4日投開票が行われる。新しい総裁は誰になり、今後どう変化するのかを見通す。

 筆者の周辺には、高市早苗氏一択という人が多い。確かに、政策論をみれば、そうした「べき論」に筆者も同意する。しかし、現実の「である論」でみると、どうもそうならず小泉進次郎氏が決選投票後に選ばれる公算がある。

 客観的にみると、党員票は、高市氏、小泉氏、林芳正氏の順番、もしくは小泉氏、高市氏、林氏となるだろう。一方、国会議員票では、小泉、林、高市の順番という見方が多い。決選投票になり、小泉氏が選ばれるというのがメインシナリオだ。

 筆者はデータによる予測を仕事としているが、国民の1%にも満たない自民党党員の選挙予測をするのは統計的に難しい。まして、295票の国会議員票は政治記者が全数調査すべきものだ。

 筆者のところにも、全数調査らしき表がくる。しかし、ある国会議員は報道機関が「いろいろと聞いてくるけど、面倒くさいので、わざとデタラメを答えている」と言っていた。

 誰が誰に投票するという表が出回れば、他の陣営からははがしに駆けつけるからだ。政治の世界は裏切りは日常茶飯事で、前回の総裁選でも、本人と推薦人の計21人がいながら16票しか入らず、投票前にカツカレーを食った20人のうち5人は食い逃げした。

 また、ある新聞は第1回目の高市氏の国会議員票を30票程度としていたが、実際には72票だった。

 多くの国会議員がまともに答えているとすれば、今回は小泉氏の可能性がある。

 仮に小泉氏となれば、44歳は戦後最年少首相と、一時的にブームになるかもしれないが、短命に終わる可能性も大きい。ただし、50代で再び復帰するだろう。

 小泉氏の場合、その選対本部をみても、加藤勝信氏をはじめとして財務省フレーバーが満ち満ちている。岸田文雄氏と石破茂氏の基本政策を引き継ぐ、「岸破政権」となるだろう。

 衆参で少数与党なので、連立や連携相手は維新になるのではないか。

 経済政策では、大胆な所得税減税(年収の壁見直し)やガソリン税減税は望み薄だろう。金利は、引き上げに前のめりの日銀に任せて、年内に利上げがあるだろう。

 初めての外交舞台は、トランプ米大統領の訪日になる。ロケットスタートを決められるかは、そこで大きなサプライズを出せるかどうかに左右される。なお「べき論」の高市氏なら、まったく違う世界になる。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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