保守票も、公明票も離れていく…麻生太郎氏に担がれた「高市早苗首相」が逃れられない"石破化の末路"
支持者たちが期待した小泉劇場は不発に終わり、しかも石破内閣を支持してきた議員たちの票が、林氏と二分される結果になった。穏健な中道・保守の路線のグループが、二分されたことで、高市氏を支持する「岩盤保守」の求心力が大きく勝る情勢となったのである。 カーティス教授は、こうした自民党の現状を次のように指摘した。 「自民党には危機感が足りない。高市氏も負けた小泉氏も、どちらが次の『選挙に勝てる顔』になるのか、ということだけで比べられた。自民党が選挙で負け続けているのはなぜか、どうすれば自民党が良くなるのか、大きな政策や方向性の議論は全くなかった。女性の高市さんは一時的に人気が出るかもしれないが、参政党などの右派ポピュリズムの支持が自民党に戻って来るとは思えず、自民党は選挙には勝てないと思う。今度の結果は、むしろ分断が進んで自民党の解体が早まるような気がする」 ■自民党から逃げた岩盤保守層は帰ってこない 永田町の大方の予想をひっくり返す逆転劇に、女性初の首相が近づいたこともあって、高市氏の周辺は明るい空気にあふれている。株価も史上最高値の4万8000円超えが続き、マスコミも派手に扱い始めた。 6日公表された共同通信の緊急世論調査によると、「高市新総裁に期待する」は68.4%、「期待しない」は25.5%となり、自民党史上初めての女性総裁への期待は高い。女性首相の誕生が望ましいという答えは8割を超えている。自民党の支持率も33.8%と前月から10.3ポイントも上昇した。 ■「右派のスター」のジレンマ しかし高市氏の本当の正念場は、自民党の保守回帰を本物にできるかどうかだ。いまネット上には参政党を支持する強硬右派の声が溢れている。その多くが右派のスターである高市氏に期待する声ばかりだ。 ただし自民党に期待できるという声は驚くほど少ない。石破首相も、敗れた小泉、林両氏も「自民党内のリベラル左翼勢力」であり、彼らがいる自民党はすでに本当の保守ではないというのだ。自民党から見れば彼らの方が極右勢力ということになるが、いずれにしても高市自民党に戻ってくることはなさそうだ。 「自民党はアリ地獄に落ちてしまった」 ある自民党関係者は、高市総裁で保守回帰が進み自民党が立て直せるという見方に疑問を呈している。 「高市さんは、安倍政治の後継者を保守派にアピールして経済政策と外交を売りにしているが、自分の考えはない人だ。総理総裁になれば、現実には靖国神社の参拝もできないし、大型減税も思い切った外国人規制もできないだろう。直ぐに今まで言っていたことと違うじゃないか、ということになる。保守回帰どころか、岩盤保守派の期待も失いかねない。長期的には自民党支持は戻らないし選挙でも勝てないだろう。自民党はアリ地獄に落ちたようにもがけばもがくほど沈んでいく」 そしてその自民党関係者はこうも続けた。 「自民党がダメになったのは国民が評価してくれるような政策が何もできていないからだ。物価高対策も外国人の問題も、今までの自民党政治に問題がある。その反省の上に、将来に夢が持てるような政策を訴えないと、支持は戻ってきませんよ」