[調査]不健全図書(8条指定図書)におけるボーイズラブ書籍とその内容について
本記事では、令和1年から令和7年にかけて8条指定図書(旧:不健全図書)に指定された71件の図書のうち、ボーイズラブ(BL)書籍がどの程度を占めているか、その調査結果を報告する。
令和における8条指定図書の調査
早速だが、令和における8条指定図書の全件について調査した画像を添付する。
全71件、指定番号で言えばNo.4283~4353。
うちBL書籍は黄色、男性向けおよびその他書籍は灰色にしている。
画像でも一目瞭然だと思うが、BL書籍の割合が圧倒的である。
結果として、71件中の61件(86%)がBL書籍であった。
残る9件は男性向け書籍、もう1件は雑誌(ラジオライフ8月号)である。
さらに、指定図書となったBL書籍の発行元と発行件数を調査した。
竹書房が明らかに突出しているが、実に24社において指定図書を発行していることになる。
この結果から言えることは、ある出版社だけが自主規制に甘いわけではなく、BL業界全体でそういった風潮がある、ということである。
BLは本当に「不健全図書」?
では、これだけ指定図書となっているBL書籍は本当に「不健全図書」なのか? BL書籍が狙い撃ちされているだけで、そこまで過激な内容ではないのでは?
それを確かめるために、実際に指定図書を読んでみよう。
以下は指定番号4305. 長与エリ子著『業務上過失ポルノ』における、あるページの画像である。
(画像を貼ることすら危険であるため、Xのポストを引用させていただく)
https://x.com/horobiya/status/1286003826562961408
陰毛、睾丸のシワ、陰茎の血管、亀頭の形状がはっきりとわかるような、比較的リアルなタッチの男性器が、4本の白線で申し訳程度に隠されているだけの、ほぼ無修正状態で描写されている。
このレベルの性器描写がされている作品が、指定図書となる前は全年齢向けとして一般書店に平積みにされ、児童書の隣の棚に置かれていたのである。
どころか、指定図書となった今でも、電子書籍サイトで、年齢確認もなく試し読みや購入できる状態にあるのである。
断言するが、男性向け書籍では絶対にありえないことである。
指定図書がBLばかりなのは、BLが狙い撃ちにされているからではない。
男性向け書籍はとっくに自主規制(という名の圧力)により一般流通から排除されている一方で、BL書籍はなんの自己規制もなく、とんでもないものを流通させることが許されているからである。
「表現の自由」という名の性差別
以上に述べた通り、男性向け書籍とBL書籍には明らかな男女差が顕在している。
こんな状況を「表現の自由」と呼んでいること自体が、性差別とまともに向き合っていない証拠である。
そもそもの発端が、ある発売前のゲームソフトに対しての、BL作家による攻撃的な発言である。
その発言の内容を一部抜粋するが、
・こんなゲームを擁護する輩は一般の感覚とは乖離している
・「あ、こんなゲームはあかん!」という気持ちが高まる
・「あ、こいつらヤバい。感覚麻痺しておかしくなってる。こんなの野放しにしたらダメだ!」となる
・「これは発禁もやむなしか」って考える人が増えるだろうな
・実際にフィクションに影響を受けたと自供する犯罪者も居てさ、それがSNSとかで流布されてみんな知ってるわけ、警戒されて当然なわけ
・「こいつら頭おかしい、やっぱり発禁にした方が」に反論するの難しくなるよな
・「ああいう類のゲームばっかりやってると、やっぱり頭がおかしくなっちゃうんじゃない?」って思う
・「規制すべきでない」って腹に力を込めて言うには、主要な消費者と思われるクラスタのふるまいが、あまりにも…あまりにも…
これをどう贔屓面に見ても、
「こんな頭おかしいゲームを発売する方も支持するほうも狂ってるから発禁にしろ」以外のメッセージを受け取ることは難しい。
「表現の自由」を標榜する人々がこの発言をろくに咎めず、逆に批判者を攻撃するというのは、いったいどういった理屈なのであろうか?
また、他のBL書籍の作家、およびそのファン層がこの発言を批判できないのであれば、やはりBL業界は「表現の自由」とは相反する存在であると判断せざるを得ないし、それに公然と相対することが表現の自由を守ることになるだろう。
またBL業界を「表現の自由」の味方だとする意見もあるが、私は寡聞にして、BLファンが男性向け書籍の規制緩和の声を上げているところを見たことがない。「BLの自由戦士」は「表現の自由戦士」ではないのだ。
「BLを攻撃すると巡り巡ってすべての表現規制に繋がる」系の言説を支持される方は、まずはBL業界へ向けて、男性向け書籍の規制緩和に声を上げるように説得してほしいものである。


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